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「馬乳酒シンポジウム」を開催

2015.02.25ニュース

NEWS NO.160(2014年度)

「馬乳酒シンポジウム」を開催

 

 本学、明治大学、名古屋大学主催の公開シンポジウム「馬乳酒シンポジウム」が、2月14日(土)に本学のC1号館で開催され、市民や学生、卒業生、教職員が参加しました。

 

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P1150781 基調講演では、石井智美教授(食と健康学類 臨床栄養管理学研究室)が「馬乳酒の性質と特性」と題して、馬乳酒の概要について説明しました。

 「馬乳酒とは、馬の生乳を乳酸菌や酵母といった複数の微生物で発酵させた飲み物で、特にモンゴルで盛んに製造されています。世界のさまざまな乳製品が殺菌処理をしている中で、馬乳酒は唯一、加熱せず生乳のままで作られています。そのため、免疫効果があると言われるIgG(免疫グロブリンG・・・体内に存在する抗体の一種)が壊れずに含まれており、ビタミンCも豊富です。

 野菜や果物の摂取がほとんどない遊牧生活において、馬乳酒に含まれる菌体が食物繊維の代わりとなって、腸管の健康を保ち、免疫力の向上に繋がっていると考えられます。遊牧民は、健康に良い、肺や腸に良い、肌が白くなるなどの馬乳酒の効用を認識しています」。

 

図2図5図1図4 

 

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 続いての講演では、本学のヤダムジャブ・プレブドルジさん(修士1年)が、「モンゴルの馬の飼養における最適条件パターンモデル」と題し、モンゴルで2013年と2014年の夏季に2~3カ月かけて行った調査結果を報告しました。放牧している馬にGPSをつけて行動データを取り、位置情報と環境データを結びつけて、ソフトウェアを使って解析し、馬が毎日ほぼ同じ範囲を周回していることを明らかにし、塩や水、川の中州の存在の重要性を確認したと話しました。

 

 

P1150666 モンゴル国立農業大学からの招へい研究員であるドルグスレン・ジャミアンさんは、「The study of characterization storage yeast and composition of koumiss bacteria」と題し、酵母や乳酸菌の組成の違いによる、馬乳酒のpHや抗生物質感受性などの変化について報告しました。

 同じくモンゴル国立農業大学からの招へい研究員であるバイヤル・エルディネさんは、「The study of some koumiss fermentation technology design and storage koumiss fermentation material」と題して、馬乳酒の工場での製造の可能性について報告しました。

 

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 成果報告では、明治大学の森永由紀教授が、「モンゴルの馬乳酒名産地における学際的調査の紹介」と題して、「私は“遊牧知”というものに興味を持って、馬乳酒の研究を始めました。モンゴルという乾燥した、人間の居住限界の地での人々の生活の知恵は、検証の必要があります。その中でも特に、家畜と共に移動しながらいかに食べ物を得るかというのは、とても重要なことです」と述べ、馬乳酒の地域性や、製法、環境条件による味の変化など、これまでの研究成果を報告しました。

 

 

 

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 全体討論では、星野仏方教授(環境共生学類 環境リモートセンシング研究室)がコメンテーターを務め、名古屋大学の篠田雅人教授も加わって討論を行いました。星野教授が「馬がいなければモンゴル人とは呼ばないと言うほど、馬はモンゴル人の歴史、文化、民族の存続に密接に関わる重要な家畜です。そのミルクを使った馬乳酒の非常に興味深い話を、今日は聞くことができました」と述べた後、参加者により、馬乳酒の具体的な製法や、味や成分の変化、植生との関わり、今後の研究課題などについて、活発な議論が交わされました。

 

 

 

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