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第4回 農業と福祉の連携を考えるシンポジウムを開催

2016.03.09ニュース

NEWS NO.202(2015年度)

第4回 農業と福祉の連携を考えるシンポジウム

~江別の大地に根づかせよう農福連携の一樹~ を開催

 

 2月29日(月)、本学C1号館において、「第4回 農業と福祉の連携を考えるシンポジウム ~江別の大地に根づかせよう農福連携の一樹~」が開催されました。

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 このシンポジウムは、本学循環農学類の義平大樹教授(作物学研究室)が参画する江別農福連携協議会が主催するもので、農業と福祉という異なる分野が互いに参画してwin-winの関係を築き,江別をはじめとした石狩地域に、新たな農福連携の社会を構築することを目指しています。農業や福祉の関係者、学生や一般市民などおよそ40名が参加しました。

 

P1310686-1●開会あいさつ

江別農福連携協議会会長 山田富彦氏

 「農業生産者の大きな悩みのひとつに、労働力不足があります。人口減少、少子高齢化、担い手不足などが進む中、農業と福祉の関わりはその解決策となり得ます。農家が、障がい者や高齢者に協力できることは何か、また、障がい者、高齢者が農業にどう貢献できるかを共に考え、発展させなければならないという思いから、2014年にこの協議会を発足させて活動を進めてきました。このシンポジウムで有意義な意見交換ができ、みなさんとの協力関係がさらに強まることを期待しています」。

 

P1310679-1●江別農福連携協議会事務局の活動報告

 義平大樹教授

 「江別市内では、農家の労働力不足が深刻化しており、その一方で障がい者は増加して人口の6%弱を占め、大部分の方は職を得るのに困っています。この両者を結びつけて、win-winの関係を作りたいと考えています。農福連携にはさまざまな形がありますが、江別市は札幌のベッドタウンで人口が多く、障がい者も大勢おり、一方で土地面積の半分以上は農地で、受け入れ可能な農業者も多く、福祉事業所が農業者に労働力を派遣するという形が最も適しています。

 この協議会の発足にあたっては、2011年から検討を始め、2013年に「障がい者の農業参加による地域の活性化を考える会」という研究会を設立し、その後、障がい者だけではなく生活困窮者、高齢者まで対象を広げる目的から、2014年に研究会から協議会へと発展させました。農業者、大学、農業支援機関、行政機関、福祉事業者などが構成員となっています。

 将来に向けて、シンポジウムや研修会を通じて農福連携の理解の促進や、農業福祉連携研究センターを立ち上げ、トレーニングセンターとして農業実習訓練を実施するなどの構想を持っています。また、有機・低農薬の農産物を生産し、付加価値を高めることも目指しています。単なる労働力の提供ではなく、ブランド化に結びつけることで、この活動は安定すると考えています」。

 

●農福連携 実践事例報告

P1310750-1(一社)北海道総合研究調査会 調査部研究員 横田麦穂氏

 北海道内外における農福連携の取組事例について

 「農業現場では、障がいの程度にかかわらず全員が作業できるよう、作業の過程を細分化したり、道具を工夫したり、作業内容の表示をわかりやすくするなどの工夫をしており、それが結果として品質向上や売り上げ向上に結びついている事例もあります。

 2014年に農福連携に取り組む事業者を対象に行ったアンケート調査では、福祉側では、『体力がついた』『気持ちが安定した』『コミュニケーション能力が向上した』などの効果がありました。農家の従業員からは、『従業員同士のコミュニケーションが活発になった』という職場環境の改善効果が見られ、経営者からは『取組が注目され、宣伝効果があった』という声が最も多く寄せられました。

 農福連携は、お互いに理解し合うことがベースとなります。専門分野の異なる人々が連携し、継続し発展していくためには、ネットワークづくりが大切です」。

 

P1310757-1北広島市・合同会社竹内農園代表 竹内巧氏

竹内農園の取組 ~障がい者を人材から人財へ~

 「農福連携の営農を目指して、福祉事業所で3年勤務し、その後、恵庭の農園で3年間研修をして、北広島で就農をして2年目です。農福連携というと難しい感じもしますが、身構える必要はなく、まずテスト的に実践してみると良いと思います。インターネット上には、地域や作業内容などから福祉事業所を検索できるポータルサイトがあり、作業の発注はそれほど難しくありません。私の農場では、精神障がい者の就労支援を行っている通所型の福祉事業所と連携し、作業を発注しています。事業所と業務委託契約を結んで、作業をする利用者さん4名と支援員1名に10時から15時まで来てもらい、委託料を支払うという形です。金額は、時間ではなく面積や収穫量などの作業量で算出されます。

 作業を円滑に進めるために、仕事をなるべく細分化して、一人で何でもやるのではなく、複数の人で単純な作業ができるようにしています。また、手作業を多くするために、手間のかかる作物を選んで栽培しています。今後は、通年で作業を発注できるよう、冬に栽培可能な野菜を増やしたり、納屋を建設して野菜を貯蔵し、冬季には袋詰め作業ができないかと考えています。また、業務委託の形態だけではなく、直接雇用や、自分で福祉事業所を立ち上げて就労支援をするなどの道も模索しています」。

 

 報告後には、本学・食と健康学類の栃原孝志講師(乳製品製造学研究室)がコーディネーターとなり、パネルディスカッションが行われました。山田氏、横田氏、竹内氏、義平教授に、社会福祉法人ゆうゆう・就労支援推進部課長の錦織卓也氏が加わり、1時間半にわたって活発な質疑や意見が交わされました。

 

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