1987年以降現在まで、私の参加した酪農学園大学獣医外科学教室での延診療件数はおよそ70000 件、手術総数は8000例を数え、これらはすべて同僚と所属学生の共同作業よって成し遂げられたものです。この間、私は研究生として北海道大学医学部第二外科講座、後に循環器外科講座に在籍して血管外科に関する研究に関与する機会を得ることができ、このことは創傷治癒における低侵襲治療の重要性を強く認識する転機となりました。
また同じく整形外科講座と生体工学講座との共同研究により人工股関節の開発に従事したことがきっかけとなり、1993年からオハイオ州立大学に1 年間留学する機会が与えられ、獣医学におけるこの分野での第一人者であるM.L.Olmstead 教授の下で多くの症例を経験することができました。
これらの貴重な経験を機に、主に運動機疾患におけるevidenceの蓄積と高度医療の展開をはかり、大学院生や学生の研究指導とともに、講演や紙面を通した普及活動を実施してきました。現在は犬用人工関節の開発、犬の前十字靱帯損傷に対する手術手技の開発に関して研究を進めています。
また、沖縄県美ら海水族館との共同研究として、水族館展示動物( 小型歯クジラ類、マナティー、ウミガメ類) の疾病に関して診断・治療の研究に取り組んでいます。
私自身、10 年前より25 年ぶりに剣道を再開し、週に2 回ほどの稽古を行っています。自己の健康管理の一環としてこれからも続けていきたいと思っています. 獣医外科学は手術治療などハードな仕事の連続であります. 日頃から自らの健康を意識して、業務に支障をきたさない体力の確保と健康の維持に努めて参りたいと考えております。