環境汚染物質班の紹介

環境汚染物質班  横田 博
ハイテクリサーチセンター研究の一つ柱として、環境汚染物質に関する課題が設定されました。人類の活発な経済活動により、多くの汚染物質が排泄され、今や地球上どこでも、ヒトの作り出した化学物質で汚染されています。これらが生物に取り込まれ、最終的に動物やヒトの深刻な疾病の背景になっていると考えられています。このプロジェクトは、汚染物質の土壌・水圏から生物体内に移行してゆくプロセスや、生体内での代謝動態・毒性機序などを明らかにし、その影響を防止することを目的としたものです。


当研究班における研究プロジェクト


2005年度
  • 保原 達    周極域土壌における炭素蓄積に溶存態有機炭素吸着が与える影響          
  • 水野直治   地球の過去34,000年における水銀降下量の変遷
  • 浅川満彦    野生動物における環境汚染物質・感染病原体分析システムの開発とそれに関わる宿主動物      の生態・生理に関する研究    
  • 中出哲也   オオハクチョウおよびコハクチョウにおける鉛をはじめとする重金属汚染の実態
  • 平賀武夫    道東に生息するタンチョウの死因と重金属汚染および必須元素欠乏との関係
  • 寺岡宏樹   「ゼブラフィッシュ胚を用いた環境毒性物質による毒性発現機構の検討」-ダイオキシンによる下顎の低形成とヘッジホッ        グシグナルの関係について
  • 横田 博          BSE血清中のイオン及び逸脱蛋白質
  • 林 正信    中枢神経における銅の蓄積とDNA損傷
  •  森好政晴    過剰排卵処置牛における授精時期と回収胚の発育ステージおよび性比との関連性
  • 佐藤 博            家畜排泄物の炭化処理過程における有機窒素成分の動態
  • 井上博樹           ラット肝および腸におけるビスフェノールA代謝・動態に及ぼす食物の影響
  • 岩野英知       環境ホルモンビスフェノールAの胎児移行機序の解明
  • 北澤多喜雄     平滑筋収縮を調整する活性物質とそれを仲介する受容体種の検索
  • 林 英明     反芻動物の胃腸管における長鎖脂肪酸輸送関連遺伝子発現に関する研究

2004年度


2003年度

動物体内の汚染物質の代謝動態解析

代謝動態研究分野では、生体内での化学反応を担う酵素蛋白質に注目し、血液中や組織細胞中の蛋白質を網羅的に分析しております。この研究はプロテオームといわれ、実験の中心を担う装置として、最近開発された高分子蛋白質のアミノ酸配列を微量分析できる質量分析装置(トフマス)があります(写真-T)。現在、環境ホルモンによって影響を受ける生殖器官の蛋白質や環境ホルモンを代謝する酵素蛋白質の分析に活躍しております。この分野で使用する主な分析機械として、最新の原子吸光分析装置(写真-U)やガスクロマトグラフィー質量分析装置があります。現在、重金属の土壌から植物や動物への動態研究が進展中です。

MALDI-TOF/TOF-MS

写真-T
TOF-MS(飛行時間型質量分析機)で、病気の動物の血液中に現れる蛋白質解析を行っているところ。機械は全てコンピューター制御で、自動的に行われます。
原子吸光分析装置

写真-U
高感度な原子吸光分析機で環境中の重金属を測定しているところ。土壌や水の中に微量にしか存在しない重金属も測ることが出来てきました。