上野 博史

獣医学類

上野 博史 うえの ひろし

教授

研究室番号
動物医療センター 302
取得学位 博士(獣医学)
研究室・ユニット名 伴侶動物外科学
研究キーワード 神経病

犬と猫の神経病の診断法および治療法の研究

研究の概要・特徴

1)北海道の野良猫・多頭飼育崩壊状態の猫におけるボルナウイルス(BDV)感染の疫学調査
 猫の繁殖や感染症予防に対する人為的管理は飼猫では可能である一方、野良猫では極めて困難であり遺伝病や感染症拡散の元凶となっている。上野は神経症状を呈する猫に遭遇し、BDV抗体が検出され、BDV感染症を疑い経過観察を行なっている。本研究は北海道に生息する野良猫の中性化手術時に末梢血を採取して免疫化学的スクリーニング(ELISA/ウエスタンブロット法)を行う。BDV感染に関しては感染率を評価するとともに感染猫の追跡調査を行う。

2)犬における認知機能不全症候群(CDS)と歯周病重症度との関連
 人において歯周病の重症度が増すに従い、認知機能不全の重症度が増すと報告されている。
本研究では、高齢犬を対象として、①口腔内肉眼的所見の評価(歯周病重症度スコア、残歯数)、②犬の高悪性度歯周病原因菌であるPorphyromonas gulae感染検査、③認知機能不全症状の聞き取り調査(DISHAA question)、④血漿中アミロイドベータ(Ab)1-42および40濃度測定を実施し、相互の関連から「犬において認知機能低下と歯周病重症度が関連し、さらに血漿中Ab1-42および40濃度測定が認知機能不全の危険度を予測する上で有効か否か」を検討する。さらに1年後に①から④を同一個体において調査が可能であれば再調査して経時的評価を行う。

産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

1)、2)ともに動物愛護的観点から、非常に重要である。1)については「捨て猫行為を断じて許さない」「野良猫の去勢、避妊手術を社会的に推進する」ことにより、ひいては我々の住み良い環境が得られるものと考える。
2)に関しては、認知機能不全の動物を飼育することは、飼い主にとっては非常に苦痛を強いることである。まして老々介護(老人の方が認知症の犬を介護する)の状況での飼い主の生活の質は、相当厳しいものとなる。「若齢からの口腔内の管理により、認知機能の低下を抑えることができる」ことが明らかとなれば、将来的な老々介護の問題を軽減できると考え、ひいては我々の住み良い環境が得られるものと考える。