佐藤 和夫

循環農学類

佐藤 和夫 さとう かずお

教授

研究室番号
C3-403
取得学位 博士
修士
研究室・ユニット名 食料経済分析学
研究キーワード 表明選好法 選択実験 BWS

消費者選好の定量評価

研究の概要・特徴

仮想評価法、離散実験選択実験など、「表明選好法」と総称される一連の手法により、消費者や一般市民の選好を定量的に分析している。
筆者はこれまで、農業・農村の多面的機能を守るために一般市民はどのくらいの負担を受け入れるのか、新たな付加属性を与えられた食品を消費者はいくらなら購入するだろうか、などの研究をおこなってきた。
比較的シンプルな問題、たとえば「こういう新商品に対して、消費者はいくら払うだろうか」という場合、「いくら払いますか」と金額を直接質問することも可能だが、通常の消費者は値付けという行動に慣れていないため、回答の信頼性が低くなってしまう。そこで、価格を提示して「この価格なら買いますか」という質問をする二肢選択型の仮想評価法を用いる。提示する価格を何段階か用意し、回答者ごとに変えることで、価格ごとの支払確率や平均支払意志額を算出することができる(図1)。
複数の属性を持った商品について、その属性ごとの評価額を知りたい場合は、離散選択実験が用いられる。離散選択実験では、属性の異なる複数の商品から、「いちばん買いたいのはどれか」を選んでもらうという質問をおこなう(図2)。属性の組み合わせを変えながら、各回答者に複数回の質問をすることで、各属性がどのくらい評価されるかを知ることができる。
なお、いずれの手法でも、回答者の属性(年齢や性別、認識など)との関連を分析することも可能である。

図1.仮想評価法の分析例 図1.仮想評価法の分析例
図2.離散選択実験の質問例 図2.離散選択実験の質問例
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

仮想評価法や離散選択実験、ベスト・ワースト・スケーリングなどの表明選好法は、農業や食品関連分野だけでなく、環境問題、医学、健康科学、政治学、文化資産の評価など、幅広い分野で用いられています。特に、消費者や一般市民の選好の定量化だけでなく、政策ニーズの把握などにも役立ちます。
以前は専門の(しかもやや高価な)ソフトウェアが必要だった表明選好法も、近年はRのようなフリーのソフトウェアだけで実行できます。私も著者の一人である『Stated Preference Methods Using R』(Chapman & Hall/CRC The R Series)なども広く利用していただいているようです。
ただ、表明選好法の活用では、最初のハードルがやや高めです。適切な手法の選択、アンケートの立案と実行、データの分析などについて、ご相談いただければと思います。