教員・研究室
取得学位 | 博士(農学) |
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研究室・ユニット名 | 栽培学 |
研究テーマ | 環境変動に適応可能な作物デザイン・栽培技術を考える |
学びのキーワード | 稲畑作物栽培時術持続可能な農業環境変動根系発育 |
教育・研究への取り組み | 栽培学研究室では、環境条件の変化に対して作物や野菜が発揮する適応性を、特に「根」に注目して評価します。これらの評価を通じて、作物の収穫量や品質を高めるために必要な栽培方法を、異なる環境条件ごとに明らかにしたいと考えています。 |
受験生へのメッセージ | 当研究室では、研究を始める前に、一度じっくりと日本、そして世界の農業と向き合ってみます。これまでの研究で何が分かったのか、何が課題なのか、次に解決すべきはなんなのか、などです。大学生活の中で、様々な文献や論文を交えて知見を深めることで、ものの見方が変わってくることをみなさんきっと実感できます。 |
研究シーズ
研究キーワード | イネ 根系の可塑性 間断灌水 |
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根系を指標とし節水栽培における最適な灌水タイミングを特定する
研究の概要・特徴
研究の概要:
農業用水の枯渇が懸念される中、「間断灌水法」は効果的な節水栽培技術として注目される。本研究では節水効率の改善を目指し、灌水前に発揮される根系発育の可塑性を指標として、 「間断灌水法」における最適な灌水タイミングの特定を目指す。
研究内容・特徴:
世界規模で水質汚染や地下水の過剰採取による地盤沈下が深刻化しており、農業用水の削減(節水)が強く求められている。一方でこういった問題が特に深刻化する地域では人口増加が著しく、節水は生産性の向上と両立されなければならない。
「間断灌水法」をはじめ有効とされる節水栽培法が実践されるものの、現状では節水栽培のための定量的指標が不足しており、節水を超えた強すぎる土壌乾燥によってしばしば生産性が大きく落ち込むことが問題となっている。
イネの根は、品種ごとにある一定の乾燥程度までは根が環境に適応しようと細根を増やし、この細根の増加が根表面積の増加へつながり、結果として吸水能力が改善されることが報告されている(図1)。
本研究ではこの知見を応用し、イネの根における環境適応性(根系発育の可塑性)に着目して、「間断灌水法」の再灌水タイミングの決定指標となる土壌乾燥の程度を明らかにすることを目指す。
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)
再灌水の決定指針となる土壌の乾燥程度が明らかとなれば、これまでの間断灌水法に関する作物学研究の更なる発展はもとより、再灌水の決定指針を反映させたICT活用型の灌水システムの効果的な導入(図2)が期待できる。