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家子貴裕さんが「環境ホルモン学会第20回研究発表会」で優秀発表賞を受賞

2018.02.15ニュース

NEWS NO.125(2017年度)

家子貴裕さんが「環境ホルモン学会第20回研究発表会」で優秀発表賞を受賞

環境ホルモン学会は、ホルモン作用を有し生体に有害な影響を引き起こす化学物質である環境ホルモン(外因性内分泌撹乱物質)の影響についての学問・技術の進歩発展及び環境の改善に寄与することを目的として、研究討論会や講演会などを開催しています。

2017年12月11日(月)、12日(火)に神戸大学で開催された「環境ホルモン学会第20回研究発表会」において、本学獣医学研究科博士課程1年の家子貴裕さん(獣医生化学ユニット・岩野英知教授)の口頭発表が優秀発表賞を受賞しました。発表した演題は「ラットにおけるビスフェノール類の代謝動態の解明」です。

 

家子貴裕さん(左から2人目)と岩野英知教授(左から3人目)

 

家子貴裕さんのコメント

 

環境ホルモンのひとつである「ビスフェノールA(BPA)」は、身の回りの多くのプラスチック製品などの原料に使われていましたが、生体に悪影響があることが報告されて以来、一部の国で使用が制限あるいは禁止されてきました。しかし、多くの国で「ビスフェノールF(BPF)」などのBPAの構造類似体がBPAの代わりに使用されています。BPFはBPAと構造が非常に似ていることからBPAと同様に生体に悪影響があるのではないかと懸念されていますが、その安全性の検証は未だ十分とは言えません。そこで、BPFの安全性を調査する目的で、ラットを用いてBPA及びBPFの代謝排泄(無毒化して体外に排泄する)について研究しました。その結果、腸管において、BPA、BPFともにわずかですが代謝されずに血液中へと吸収されることがわかりました。そこで次に、肝臓におけるBPA及びBPFの代謝を調べたところ、BPFは、特に妊娠中の母親の肝臓でBPAとは異なる代謝を受けやすいことが明らかになりました。このことから、妊娠中の代謝の違いによって、次世代(子供の世代)への影響も違うのではないかと考え、さらなる研究を行いました。その結果、BPFの代謝物は、胎盤を通過しやすいことが明らかとなり、そのことが、胎児へ到達しやすい原因となっているのではないかという結論に至りました。このことは、様々な化学物質においても同様のことが起こる可能性を示しており、肝臓での代謝の受け方の違いが胎盤の通過のしやすさに影響し、そして胎児への影響を大きく変えることが考えられます。

環境ホルモンを研究テーマにしている自分にとって、今回、環境ホルモン学会で受賞できたことを大変嬉しく思います。今後は、ビスフェノール以外の物質にも注目し、どのような代謝物がどのように胎盤を通過し、胎児に影響を与えているのか、より詳しく調べていきたいと考えています。日頃、熱心に指導して下さる岩野先生と藤木先生、また本研究テーマを長きに渡って発展してきて下さった多くの先輩方、そして今の研究室の仲間に感謝し、これからも頑張っていきたいです。

 




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