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本学学生が「第92回日本細菌学会総会」で優秀発表賞を受賞

2019.05.10ニュース

NEWS NO.10(2019年度)

本学学生が「第92回日本細菌学会総会」で優秀発表賞を受賞

4月23日~25日に、札幌コンベンションセンターで開催された「第92回 日本細菌学会総会」において、獣医学類6年のマンビ・モンゴメリさん(生体機能学分野 獣医生化学ユニット岩野英知教授、藤木純平助教)が、「フルオロキノロン耐性大腸菌HUE1に対する新規バクテリオファージの探索」の表題でデジタルポスター発表(口頭発表を含む形式)し、優秀発表賞を受賞しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


表題:

フルオロキノロン耐性大腸菌HUE1に対する新規バクテリオファージの探索

Isolation of a novel bacteriophage toward a fluoroquinolone resistant Escherichia coli strain, HUE1

 

概要:

ヒトや動物が細菌による感染症にかかってしまった時に、その治療薬として抗生物質が広く普及しています。しかし、近年、抗生物質が効かない”薬剤耐性菌”の出現が医療現場で大きな問題となり、いずれは抗生物質が効かなくなる時代が到来するのではないかと危惧されています。特に、英国政府の試算によると、このまま薬剤耐性菌への対策を実施しなかった場合、2050年には全世界で1千万人の人々が命を落としガンよりも大きなリスクになることが見積もられています。

このような背景から、抗生物質以外の治療法として“バクテリオファージ”を用いた“ファージセラピー”に注目が集まっています。バクテリオファージは細菌に感染するウイルスですが、インフルエンザウイルスやノロウイルスのようにヒトに感染して病気を引き起こすことはありません。一方で、私たちがインフルエンザにかかると発熱や頭痛で調子が悪くなってしまう様に、細菌はバクテリオファージにかかると調子を崩し、そして最終的には破裂(この現象を溶菌と言います)してしまいます。細菌にとってバクテリオファージは天敵と呼べるかも知れません。もちろん、抗生物質とは作用の仕方が異なるため、薬剤耐性菌にも効果があります。

今回、日本細菌学会において優秀発表賞を受賞した本研究では、フルオロキノロンなどの抗生物質に広く耐性を示す大腸菌(HUE1)を標的として、HUE1に対して溶菌を示す新規バクテリオファージを発見したことを報告しました。このバクテリオファージをL27と名付け、さらにL27のゲノム情報(遺伝情報)を詳細に解析しました。

ゲノム解析の結果から、バクテリオファージが細菌に吸着するために必要なテール・ファイバーと呼ばれるタンパク質をコードする領域の塩基配列が、過去に報告されたどのバクテリオファージとも異なることが分かりました。

本研究では、抗生物質が効かない薬剤耐性菌に対して、自然界から分離したバクテリオファージにより死滅させることができることをあらためて示し、さらにバクテリオファージの遺伝情報を解明して、その機能の一端を確認できたことが評価のポイントでありました。

今後は、新たに発見されたバクテリオファージであるL27とHUE1の詳細な相互作用を解明することを通して、薬剤耐性菌とバクテリオファージの関係をより深く追究出来ればと考えています。

岩野英知教授(中央)、藤木純平助教(左)マンビ・モンゴメリさん(右)

 

マンビ・モンゴメリさんの感想

 

今回、北海道支部会ではなく、総会での受賞ということもあってとてもうれしく思っています。また、細菌学会で発表するものの中では異質の研究になるのですが、全く違う分野の研究者たちに興味を持っていただいたことで、大きな自信になりました。ご指導いただいた岩野教授ならびに藤木助教、研究室のみなさんに感謝しています。

周りから変わった奴だと言われますが、色んなタイプがいても良いと思っています。

私たちのゼミでは、ファージの臨床応用がメインテーマですが、ファージ自体の研究もまた重要なテーマで、アピールポイントでもあります。
今回の切り口や解析手法などはゼミでは新しいものでした。なので、今はこの研究をとことん追求してみたいです。結果次第では何かの突破口になるかもしれない、そう思うとわくわくします。

将来的には、大動物の臨床獣医師になりたいと思っています。社会に還元できる研究となるよう、一端は外の世界を見て学び、いずれ大学に戻り研究職に就きたいです。

 

 




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