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シンポジウム「若者を農村に呼び込む交流集会」を開催

2015.12.10ニュース

NEWS NO.153(2015年度)

シンポジウム「若者を農村に呼び込む交流集会」を開催

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 農村の高齢化が急速に進むなか、都会の若者をいかに農業、酪農地域に呼び込むかが、地域の存続にとって重要な課題となっています。一方で、農業や農村に目を向ける若者もいます。

農食環境学群循環農学類では、農村地域から若者への情報発信、新規就農対策に取り組む地域同士の交流を目的として、12月3日(木)に黒澤記念講堂において、第3回「若者を農村に呼び込む交流集会~我が町はどのようにして若者を魅了したか~」を開催しました。

井上誠司教授(農業政策学研究室)の総合司会により、新規参入者などによる講演や、農村地域からのわが町アピールなどが行われ、約120名の学生のほか、教職員、市町村や農協職員など約160名が聴講しました。

 

P1300017-1 はじめに、主催者を代表して循環農学類の高橋圭二学類長が「本日は、新規参入の事例紹介、新規就農の受け入れに積極的な7地域からのアピール、農業法人の人事採用者の講演を予定しており、活発な議論を期待します」とあいさつしました。

P1300025-1 次に、本行事を後援している(公財)北海道農業公社・北海道担い手育成センターの森幸二就農相談課長が、「道内では毎年600~700名が新規就農し、このうち1割が新規参入です。農業をやりたい学生さんは、町や農協の事例発表を聞いて、興味を持ったところに足を運んでみてください」とあいさつしました。

 

 

 

P1300079-1 1つ目の基調講演では、余市町で新規参入してワインぶどうを栽培し、ワイナリーを立ち上げた小西淳子氏が就農の経過や経営概況について話しました。

「私も夫も出身は道外で北海道大学に進学し、卒業後は農業の専門誌や新聞の仕事をしていました。夫はワインが好きで、ワインぶどうを作る農家になりたいという夢を持っていました。2008年にワインぶどうの栽培が盛んな余市町の役場に相談し、2009年から2年間、ワインぶどう農家で研修しました。経済的な理由で私は東京に残って仕事を続けました。夫は研修1年目に離農予定農家の土地を紹介され、見学して気に入ったので購入を決めました。地元の農家に仲介してもらい、(公財)北海道農業公社の農場リース事業を活用して4ヘクタールの農地を取得。2011年の春から営農を始めました。

4ヘクタールのうちワインぶどう畑は0.5ヘクタールでしたが、リンゴなどの木を伐採してワインぶどうを1.4ヘクタールの畑に新植しました。収穫したぶどうは、栃木県のワイナリーに10年契約で出荷しています。

就農2年目から青年就農給付金を受けられるようになったこと、余市町が2011年にワイン特区に認定されたことから、10年後を予定していたワイナリー開設を前倒しすることにしました。2014年に特区のメリットを活用し、最低製造量が0キロリットルでも醸造できる民泊の許可(グラスで販売できるが、ビンでは販売できない)を取って、自宅1階を改装してワイナリーを作りました。自宅で数本醸造し、70本を岩見沢市内のワイナリーに委託醸造しました。2015年は200リットル製造し、売り上げは120万円でした。まだまだこれからですが、品質の良いぶどうを生産すること、醸造はぶどうを丁寧に扱うことを心がけています。2016年には、民泊の許可から2キロリットルの許可に切り替えて、販売を始める予定です。余市町は困ったときに助けてくれる親切な農家がいるし、食材が豊かでよいところです。動物が好きだったので除草用に羊を2頭飼い、農村の生活を楽しんでいます。」

 

次に、町や農協の担当者が、町の魅力や新規参入の受入支援策をアピールしました。

〇むかわ町地域担い手育成センター 飛岡雅幸氏

「むかわ町は、夏が涼しく、雪が少なく、通年型農業が可能です。春レタスやトマト、ニラの栽培が盛んです。短期・長期の農業研修を受け入れていて、農場や住宅も完備しています。この5年間で8組が新規参入し、20名が農業生産法人に就農しました。」

〇中川町産業振興室 平木宏和氏

「中川町は、酪農・畑作地帯です。主な作物はそば、スイートコーン、アスパラガス、かぼちゃ、馬鈴しょです。平成元年に新規就農条例を制定していますが、近年、経営継承による新規参入を促進するため条例を改正しました。酪農ヘルパーも募集しています。」

〇JA陸別町 平田真基氏

「陸別町では、新規参入対策としては、農業実習と地域おこし協力隊の2つの道を用意しています。本町には、酪農学園大学の卒業生が多数います。」

〇JA浜中町 曽川満恵氏(2014年度卒業生)

「浜中町は、昭和58年から酪農の新規参入を受け入れていて、毎年1組以上、これまで36組が就農しました。全酪農家の2割に当たります。研修農場で3年間研修して新規就農をめざす制度があります。研修中の住宅が完備し、研修手当てもあります。」

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〇JA北オホーツク管理部長 田中義人氏

「興部町では、2年間研修をして経営継承するよう支援しています。就農時には奨励金200万円を交付しています。実習や研修中の手当てがあり、宿泊研修施設も2棟あります。見学会も行っているので、ぜひ来てください。」

〇浜頓別町ゆめ酪農を育てる会代表 小川文夫氏

「浜頓別町では、11戸が放牧酪農に取り組んでいて、その生乳は明治の「放牧牛乳」の原料です。TMRセンターが2箇所あり、25戸が利用しています。11か月研修して農家の従業員や酪農ヘルパーとして働く道があります。研修施設も完備しています。」

〇標茶町担い手育成協議会 田津美悟氏

「標茶町では、平成6年から11組が新規参入。25年に農業生産法人TACSしべちゃができ、その向かいに27年に農業研修センターができました。研修センターで宿泊しながら、TACSしべちゃで研修するという研修受け入れ体制が整いました。」

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P1300159-1 次に、プラン・ジュデ代表の上田菜香氏が、農村はどのような人材を求めているか、婚活の留意点などについて講演しました。

「三笠市の農業生産法人・渡辺農場の人事採用や職員研修を担当しています。渡辺農場は経営面積が130ヘクタール、年商が2億円、10名の正社員がいます。社員の前職は様々です。農業法人では、農作業だけではなく、機械操作や整備、書類作成、プレゼン、体験受入れなどの業務もあります。農村では、幅広い能力を持った人材が求められています。

企業説明会などに参加すると、農村は親との同居が大変そう、旅行に行けなさそう、自分の時間がない、泥まみれはいやなど農業に対して誤解が多いと感じます。田舎が身近にないので、わからないことが原因ではないかと思います。

農業生産法人とは別に、農村の婚活支援も行っています。婚活に参加した女性から多いクレームは、農村の男性は会話が一方的過ぎるというものです。男性側には、相手は何を求めているか考える(マーケティング)、ライバルに負けない魅力、自主的に外に出て人と会うことが必要と感じます。」

 

最後に、吉野宣彦教授(農村計画論研究室)の司会で、「地域の魅力、人の魅力をどう引き出すか」をテーマに小西さん、上田さんなどによるパネルディスカッションが行われました。

 

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