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「第18回環境ホルモン学会研究発表会」で、大谷尚子さんが優秀賞を受賞

2015.12.24ニュース

NEWS NO.167(2015年度)

「第18回環境ホルモン学会研究発表会」で、大谷尚子さんが優秀賞を受賞

 

 12月10日(木)、11日(金)に、自治医科大学(栃木県)にて開催された「第18回環境ホルモン学会研究発表会」において、本学大学院・獣医学研究科博士課程3年の大谷尚子さん(獣医生化学研究室 岩野英知准教授)がポスター発表した「BisphenolF の次世代影響メカニズムの解明」が、優秀賞を受賞しました。

 

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 環境ホルモン(外因性内分泌撹乱物質)とは、ホルモン作用を有する化学物質のうち、生体内で障害あるいは有害な影響を引き起こすものです。環境ホルモン学会は、その影響についての学問・技術の進歩発展及び環境の改善に寄与することを目的として、研究討論会や講演会などを開催しています。

 

P1300552-1 大谷さんが受賞した研究は、環境ホルモンの「ビスフェノールF(BPF)」という、身の回りの多くのプラスチック製品に、樹脂原料として使用されている化学物質についてのものです。一般的に最も多く使用されているのは「ビスフェノールA(BPA)」で、内分泌系への影響に関する多くの研究がなされており、海外では規制している国もありますが、その代替品として使用されているBPFについては、あまり研究がされていませんでした。大谷さんはそこに着目し、BPFが次世代にどのような影響を及ぼすのかを、マウスを使って調べました。

 妊娠中にBPFを経口投与したマウスの子供(次世代マウス)が、10週齡に達した時、不安様行動やうつ様行動をとる頻度を調査した結果、BPAを投与した次世代マウスよりも、さらに強く影響が表れることがわかりました。脳内の遺伝子発現変化を調べると、情動に関わる扁桃体で異所的なホルモン生成がみられ、BPFが母体で速やかに代謝され体外に排泄されやすい形になるにも関わらず、次世代に影響が出ていることに着目。妊娠ラットの子宮にBPF代謝物を灌流することで、胎盤を容易に通過し胎児に移行できる種類の代謝物をつきとめました。

 

環ホル学会 大谷さんは、「動物だけではなく、人間の健康に関わる研究がしたいと思い、このテーマを選びました。学会でのポスター発表は4回目で、優秀賞が設定されたのは昨年からで、今回、受賞できたことをとてもうれしく思います。岩野先生やゼミ生仲間に指導や手助けをしていただいたおかげです。

 予想していたよりも明確に、BPFが次世代に不安やうつという影響を及ぼすことが、今回のデータで確認できました。今後は、BPF代謝物がどのように胎盤を通過し、胎児に影響を与えているか、そのメカニズムを研究して、将来的には妊娠期における薬物の胎盤通過や胎児への影響の研究につなげていきたいと考えています」と話しました。




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