建学の精神と教育目的

 

愛神愛人愛土

 

1.

キリスト教に基づく「神を愛し、人を愛し、土を愛する」三愛精神に徹した人間教育により、 健全にして良識ある社会人の育成、豊かな情操と国際的な視野を養い、三愛精神の実践者の育成に努めます。

2.

黒澤酉蔵が唱えた健土健民の思想および学理に基づく実学教育により、農業および農業人のあり方を体得した、創造的で実践的な人材の育成に努めます。

3.

酪農を中心とした農学・食品科学・経済学・獣医学・食品流通学・環境システムの研究・教育により、日本農業、食糧事情など環境保全を視座に究明し、その発展に努めます。

  



 

酪農学園大学 酪農学園大学短期大学部 学長
谷山  弘行
たにやま ひろゆき

 大学の使命,私立大学にあってその使命を見失うことは,自らがその存在を否定することにほかなりません.最近,法人化した国立大学ですらその使命を明文 化し,大学存続の意義を世に問う姿勢を見せています.私立大学にあっては当然,「建学の精神」が存在し,その具現化を目指すことが本来の使命であり,大学 存続の最大の根拠であります.しかし,大学の大衆化とともに,その「建学の精神」が色あせ,「使命」を忘れかけている大学が増加しているとの指摘がなされ ています。

 

   酪農学園大学ならびに酪農学園大学短期大学部は,黒沢酉蔵先生の理念に基づいて創立された七十四年の歴史を有する酪農学園の中核をなす教育・研究機関であ ります.その建学の理念である「三愛精神」と「健土健民」 は,混迷を極める現代社会を創立当時にすでに見通した思想であると言えます. BSEの発生に代表される食の安全を脅かす多くの事柄が世界的規模で発生しました.これは人類が「健やかな土」によって生かされていることを忘れた結果で あるのです.「土を離れて人類は存在し得ないこと」,「自然との調和を図らずして人類の幸福は得られないことを」改めて教えてくれる事件と強く認識すべき でありましょう。

 私たちは,健全な農業(酪農,畜産)の営みを通して人類が幸福になれる道筋を科学的に模索し,その実践を提唱し,その先駆けとして行動してきました.し かし,未だ道半ばであり,志を同じくする多くの同胞を求め,研鑽を重ねて,さらに力強く前進しなければなりません.そして,その実行を支える「三愛精神」 が学園運営の精神的エネルギーとして位置づけられているのです.現代科学は物質的生活環境を一変させましたが,人の精神的活動に対しては負の側面も指摘さ れつつあります.「三愛精神(神を愛し,人を愛し,土を愛す)」は,宇宙の摂理を探求し,理解に務めること,隣人の存在を認め,これを理解すること,そし て人類存続の礎である大地の役割を理解し,その存在を尊ぶこと,を教えています.そして,この教えは物質的豊かさと精神的豊かさの調和を図る知恵を学び, それを実践する後継者の育成を求めているのです.私たちはこの教えの下に,心豊かで実戦力ある人物を世に送り出し,農業の質的発展を通して,人類に貢献す ることお約束いたします。