本学 獣医学類 藤木純平助教が第163回 日本獣医学会学術集会 生理学・生化学分科会で奨励賞を受賞

Date:2020.11.03

NEWS NO.20(2020年度)
本学 獣医学類 藤木純平助教が第163回 日本獣医学会学術集会 生理学・生化学分科会で奨励賞を受賞
9月14日(月)から30日(金)にかけてWeb開催された、「第163回日本獣医学会学術集会 生理学・生化学分科会」において、本学獣医学類の藤木純平助教(獣医生化学ユニット)が奨励賞を受賞しました。
この度、藤木純平 助教より、受賞についてコメントをいただきました。
<受賞演題>
「ノンシステミックステロイド生合成における肝臓の役割」
<受賞者>
獣医生化学ユニット(岩野英知 教授、横田博 名誉教授) 助教 藤木純平
<研究概要>
・ストレスホルモンとして知られるグルココルチコイド(副腎皮質ホルモンの一種)が骨格筋でも生合成されることを発見。 ・これまでに知られている合成経路とは異なり、硫酸化ステロイドから合成される経路を解明。 ・骨格筋におけるステロイドの機能や硫酸化ステロイドを介した病態形成の新たな理解に繋がる。
<関連する論文発表>
Fujiki J, Maeda N, Sato M, Ieko T, Inoue H, Iwasaki T, Iwano H, Yokota H. Corticosterone biosynthesis in mouse clonal myoblastic C2C12 cells. Steroids. 138:64-71. 2018. Sato M, Sugiyama K, Maeda N, Fujiki J, Ieko T, Kawamura Y, Iwano H, Mukai K, Yokota H. Local biosynthesis of corticosterone in rat skeletal muscle. J Steroid Biochem Mol Biol. 201:105693. 2020.
<受賞者コメント>
 この度はこのような栄えある賞を頂きまして本当に有難うございました。ご指導頂いた先生方、そして日本獣医学会、分科会の関係各位の方々に心よりお礼申し上げます。  局所的に生合成されるステロイドは“ノンシステミックステロイド”とも呼ばれます。本研究を通して、骨格筋の内分泌的な側面が見いだされました。一方で、こういったステロイドの役割や調節機構、すなわち、何のために局所で作り、どういった時に活発になるのか(生合成がONのフェーズとOFFのフェーズの切替え)、といったことの多くは未だ謎に包まれています。そしてこのような生理学的なシステムの破綻が病態形成に寄与していると想定されます。特に骨格筋では、その萎縮や再生と関連している可能性があります。これらの仕組みを紐解くためには、局所型ステロイドの生合成・代謝の分子基盤の解明が重要です。本研究で鍵となることが分かった“硫酸化ステロイド”が新たな切り口をもたらすことが期待されます。  今回、日本獣医学会学術集会はCOVID-19の感染拡大をうけてWEBでの開催となりました。来年は本学で開催予定となっています。初の高校生企画である『サイエンス・ファーム』も準備を進めていますので、多くの方にご参加いただければと考えています。

獣医学類 藤木純平 助教 (来年度本学で開催予定の日本獣医学会高校生企画「サイエンス・ファーム」のポスター前で)


【参考】 2019.09.04 本学 獣医学類 藤木純平助教が第85回日本細菌学会北海道支部学術総会で優秀発表賞を受賞 https://www.rakuno.ac.jp/archives/3094.html