新年の学長あいさつ

Date:2023.01.01

 明けましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
旧年中、皆様には本学の教育研究活動にご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。本年も変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

学長 堂地 修

 さて、昨年も複数回にわたる新型コロナウイルス感染者の増加に心配な日々を過ごすことになりましたが、改めて感染拡大防止のために様々な立場からご尽力されている多くの方々に感謝いたします。
本学においても、定期的に大学危機対策本部会議を開催し、授業中の座席間隔確保、定期的換気、机・座席のアルコール消毒を行うなど、全学的な新型コロナウイルス感染症防止に取り組み、学生・教職員の安全対策に努めて参りました。その結果、一部の授業・実習を除き、対面授業や課外活動を実施することができました。このような授業風景が学生の皆さんにとっても日常的になったと思います。
学外実習においても、感染対策のマニュアルに基づき、実施いたしました。また、教育センター、学校医、医務室のスタッフによる感染者の把握、健康管理に関する細かな指導・相談を丁寧に実施して参りました。このような取り組みにより、安全に教育研究を推進することができました。このことは、学生の皆さんの理解と協力があってこそできたことであると思っております。と同時に、学生の皆さんを支えていただいた保護者の皆様、また本学に関わるステークホルダーの皆様に改めて感謝申し上げます。
クラブやサークル等も一定の制約がありつつも、活動が活発になり、全国大会に出場するクラブ・サークル等もありました。また、来客を迎えて白樺祭を開催することができました。さらに複数の学会や研究等の会議も学内で開催することができました。
 先生方の研究や社会貢献活動も、昨年度、高い評価を受けました。農食環境学群循環農学類の園田高広教授(農場生態学)は、長年アスパラガスの品種改良に取り組み、この度紫アスパラガス“RG紫色舞ファースト”と“RG紫色舞ルーチェ“が新たに品種登録されました。10年の開発期間を要したこの2品種は紫色が明るく鮮やかなで太くて大きなアスパラガスです。今後、この2つアスパラガスが全国に広く栽培されることが期待されています。獣医学群獣医学類の遠藤大二教授(獣医放射線生物学ユニット)は「鋳型DNA‐プライマー関係性解析装置、鋳型DNA‐プライマー関係性解析方法、鋳型DNA‐関係性解析プログラム、鋳型DNA‐プライマー関係性評価装置、鋳型DNA‐プライマー関係性評価方法及び鋳型DNA‐プライマー関係性評価プログラム」と「設問自動生成プログラム及び設問自動生成装置」の二つの特許を取得されました。この二人の先生は功績を称えて酪農学園職員表彰を受賞されました。フィールド教育研究センター肉畜生産ステーション中小家畜施設おいて、農食環境学群循環農学類の山田未知教授(中小家畜飼養学研究室)の指導のもと生産された豚肉が、今年も「2022イオン冬ギフト」に採用され「酪農学園大学豚肉使用 炭火風豚丼の具ギフト」として販売されました。自家配合のエコフィードを給与した豚肉は高い評価を得ています。また、肉牛農場で生産した日本短角種と黒毛和種の牛肉が同様にイオン江別店他で販売され好評を得ております。その他、ここでは紹介しきれない多くの教育研究業績や社会貢献活動が行われました。
 今年も新型コロナウイルス感染症の再拡大が心配されますが、これまでと同様に感染防止対策に万全を期して教育研究の推進に努めて参ります。本学では、ヨーロッパ獣医学教育機関協会(EAEVE)の国際認証取得を目指し、獣医学教育の質の保証と国際化に取り組んでおり、今秋、最終審査受審を予定しています。
新型コロナウイルスと向き合いながら、学生の皆さんの学生生活が実り多いものになるよう、教職員一丸となってと組んで参りたいと考えております。世界は、新型コロナウイルス感染症に加えてウクライナ戦争等の紛争、気候変動による自然災害の頻発等、深刻な問題が山積しておりますが、今こそ、本学の建学の精神である「三愛主義」「健土健民」の教えが必要となっております。昨年も同じことを述べましたが、今年も聖書にある「私たちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。」(ローマの信徒への手紙5章3節)の教えを今一度思い起こしたいと思います。私たちは、長く続くコロナ禍でさまざまな苦難を経験して参りましたが、この苦難の先には必ず平穏な生活が戻ると信じております。今年度、黒澤酉蔵が学園を創立して、90周年を迎えます。これまで、数多くの先達者が豊かな社会を築くために過ごした苦難の時代を覚えながら、より一層教育研究の推進、社会貢献に努めて参りたいと考えております。
 むすびに、皆様の今年一年のご多幸をお祈りいたします。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
 

2023年1月1日
酪農学園大学
学長 堂地 修