本学環境共生学類 星野仏方教授が王立協会(イギリス)の基金に採択されました。

Date:2025.07.18

NEWS No.34(2025年度)

本学環境共生学類 星野仏方教授が王立協会(イギリス)の基金に採択されました。

本学環境共生学類 星野仏方教授とイギリスのスターリング大学自然科学院院長 アリスタージャンプ教授が共同で申請し、王立協会(イギリス)の基金に採択されました。
王立協会(The Royal Society)は、1660年に設立されたイギリス最古かつ最も権威ある科学アカデミーで、自然科学の発展と普及を目的としています。ニュートンやダーウィンなど歴史的な科学者を輩出し、現在も著名な研究者が特別研究員として所属しています。科学研究への助成、学術出版、教育・政策提言など多岐にわたる活動を行い、国際的にも大きな影響力を持つ機関です。

採択された星野仏方教授の研究は、気候変動下で、植物の枯死が砂嵐や黄砂の発生に与える影響の理解と題して、気候変動に伴う植生の枯死が砂塵嵐(DSS)の発生とその影響にどのように関与しているかを解明することを目的としています。モンゴル・ゴビ砂漠などの乾燥地帯では、植物の減少によって土壌が不安定化し、風によって大量の砂塵が巻き上げられることで、広域的に空気質が悪化し、呼吸器疾患や経済損失を引き起こすDSSが頻発しています。星野仏方教授とアリスタージャンプ教授らによる日英共同研究では、光学・マイクロ波・合成開口レーダー(SAR)などの衛星データを用いて、乾燥地における植生変化・土壌湿度・表面粗度を解析します。また、MODISCALIPSOの大気観測データも活用し、植生変動とDSS発生の関連性を定量的にモデル化します。本研究は、「One Health(ヒト・動物・環境の健康は一体)」の視点から、DSSの健康リスク予測精度の向上と国際的な環境保全に資することを目指しており、日英両国の研究ネットワーク拡充や将来的な大型研究への足がかりにもなり、最終的には人々の健康リスク軽減につなげることを目指します。

Dust and Sand Storm (DSS)

星野仏方教授のコメント
このたび、イギリスのスターリング大学自然科学院院長 アリスタージャンプ教授と共同で申請した「王立協会基金」に採択されました。ありがとうございます。これからアリスタージャンプ教授と共にアジアを中心とした日本にも深刻な影響を及ぼすアジア内陸発生の森林の立ち枯れ現象や黄砂の問題に取り組んで「One World One Health」の分野で少しでも貢献することが出来たら嬉しいです。9月に本学で国際シンポジウムを企画していますので、是非皆様会場にお越しください。

 

スターリング大学での写真 星野仏方教授(左)とアリスタージャンプ教授

星野仏方教授(右)とアリスタージャンプ教授


【参考】
◇王立協会(イギリス)
 https://royalsociety.org/
◇環境共生学類 星野仏方教授(環境リモートセンシング研究室)
 https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/9289.html
◇アリスター ジャンプ教授(イギリス スターリング大学)
 https://www.stir.ac.uk/people/255904