蒔田 浩平

獣医学類

蒔田 浩平 まきた こうへい

教授

研究室番号
B2-104

教員・研究室

取得学位 博士
研究室・ユニット名 獣医疫学
研究テーマ 重要家畜・人獣共通感染症の効果的かつ受容可能な制圧方法の研究
学びのキーワード 重要感染症制圧方法評価多分野連携人獣共通感染症国際共同研究リスク評価
教育・研究への取り組み 新型コロナで多くの日本人の命を救った「疫学」を用いて、当方でも動物と人の感染症対策の検討に役立てるよう、国内外で奔走しています(最近はテレワークで)。研究室内は英語で、所属学生は実際に現場で起きている重要課題の解決にチームの一員として取り組みます。
受験生へのメッセージ ユニットの所属分野は国際獣疫事務局(OIE)指定センターで、アジア太平洋地域OIE加盟国の食の安全に貢献しています。国際的なキャリアに興味がある方、また国内外に限らず、人・動物・環境の健康「ワンヘルス」に興味がある方は、是非本学で勉強してください。
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研究シーズ

研究キーワード 疫学 ワンヘルス 感染症数理モデル
疫学・ワンヘルスによるヒトと動物集団の感染症制御
研究の概要・特徴

人の健康に脅威となる人獣共通感染症、畜産物の生産コストを増大させ食糧確保を妨げる家畜感染症。
これらの課題に立ち向かうのに不可欠なのが、「疫学」です。
疫学は、人や動物集団で病気が発生するパターンを地理学・数学的に認識し、統計学を用いてリスク因子を見出します。
また疫学は社会学、経済学、医学、獣医学、数理科学、地理学等と柔軟かつ戦略的に連携し、人類が次々に直面する、あるいは危惧されるリスクに対し、時にリアルタイムで、あるいは予防的に、効率が良く、社会への副作用が限定的な方法を示し、政策決定者にとって極めて重要な資料を提供します。
さらにワンヘルスの文脈で疫学を応用することで、政策決定者だけではなく、災害で苦しむ人々自身が研究に参加することによって癒され、参加型で課題の克服、地域再生に貢献しています。
当ユニットは、口蹄疫の発生した2010年、欧米に半世紀遅れ、わが国の獣医科大学に初めて設立された獣医疫学研究基盤です。
設立以来、日本のみならず、東南アジア、南アジア、サハラ以南アフリカにおいて、多くの人獣共通感染症・家畜感染症対応で実績を重ねてきました。
豊富な知見に基づき、地域の問題解決に取り組みつつ、国を越えた地域・人・飼育動物・野生動物・生態系を含むエコヘルスの大きな視点でも研究を展開しています。さらに、国際獣疫事務局(OIE)食の安全コラボレーティングセンターとして、世界保健機関(WHO)および国連食糧機関(FAO)のアドバイザーを務め、JICA事業を通した国際協力を展開しています。
国内外の著名な研究者と連携して研究推進していますので、本気で疫学を志す方は、是非門を叩いてください。また、疫学が必要な課題をお持ちの機関、自治体など、ご相談をお待ちしています。

JICAプロジェクトで生産性が2割向上したウガンダの酪農家たち JICAプロジェクトで生産性が2割向上したウガンダの酪農家たち
生態学的解析で推定されたエキノコックス感染虫卵のハザードマップ 生態学的解析で推定されたエキノコックス感染虫卵のハザードマップ
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

国内において酪農業界には、マイコプラズマ乳房炎の予防方法の提示、牛伝染性リンパ腫の安価な診断法提案、隠された経済損失の定量化、数理モデルによるシミュレーターの提供、繁殖への因子の定量化を可能にしたシミュレーションモデルの作出などで貢献して来ました。
養豚業界には、豚流行性下痢の拡大理由の解明、豚熱ワクチン抗体シミュレーションモデルの確立、イノシシにおける豚熱基本再生産数の推定、シミュレーションモデルを用いた政府によるコリスチンへのリスク管理措置の客観的評価などを実施して来ました。
口蹄疫発生時には、生産者と獣医師の精神的ストレスについて保健セクターと協力して解明し、対策に当たってきました。
新型コロナウイルス対応として、伴侶動物医療施設における影響を調査、学会で公表しています。
国際的には、発展途上国向け食品衛生リスクアナリシスの開発と普及、狂犬病・ブルセラ病などの疫学・社会経済学で貢献して来ました。
このように、重要課題に広い視野で柔軟に対応、明日に向けた舵の取り方の検討に、大きく貢献し続けています。