小林  道

食と健康学類

小林  道 こばやし とおる

教授

研究室番号
C3-106
取得学位 博士(医学)
修士(臨床福祉学)
研究室・ユニット名 給食栄養管理
研究キーワード 産後うつ病 栄養疫学 商品開発

栄養と健康のエビデンスを地域の食に生かす

研究の概要・特徴

現在の研究テーマは、妊娠中の食習慣と産後の精神的状態(産後うつ病)の関連を明らかにし、妊娠期のよりよい食習慣を提案
することです。これまでに、妊娠中の持ち帰りの弁当や総菜(中食)の利用頻度や夜間の間食頻度が高い人ほど、産後うつ病疑いのリスクが高いことを明らかにしました(図1と2)。
そのほか、江別市及びむかわ町の住民を対象に食習慣や生活習慣の調査を実施し、中食の利用頻度が高いほど、野菜摂取量が低い傾向にあることを明らかにしました。この研究結果から、コープさっぽろ様の協力を得て当研究室の学生が考案した「健康的な中食商品」を開発しました(図3)。食を通じて、地域の人々の健康をよりよくするための活動を学生と協力して進めています。

(図1)持ち帰りの弁当や惣菜の利用頻度と産後うつ病の関連 (図1)持ち帰りの弁当や惣菜の利用頻度と産後うつ病の関連
(図2)夜間の間食頻度と産後うつ病の関連 (図2)夜間の間食頻度と産後うつ病の関連
(図3)学生のアイデアを生かした商品開発 (図3)学生のアイデアを生かした商品開発
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

国民が健康的な食生活を送るための産学官等連携による推進体制として、「健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ」が2022年3月に立ち上がりました。人々が健康な食事を選択できるようにするためには、外食や中食産業の協力は欠かせません。栄養疫学研究の知見は、自治体の政策に役立てられるだけでなく、産業界に波及させることが必要です。特に外食・中食産業は、住民がいつでも利用できるため、私は研究で得られた知見を生かし、食を通じて人々が幸せになれる取り組みを産業界と進めていきたいと思っています。