上野 敬司

食と健康学類

上野 敬司 うえの けいじ

准教授

研究室番号
C8-304
取得学位 農学
研究室・ユニット名 食品栄養化学
研究キーワード オリゴ糖 野菜 プレバイオティクス

農産物や微生物が有する機能性オリゴ糖素材の探索と開発

研究の概要・特徴

腸の中に生育する微生物、腸内細菌がヒトの健康に関係する事例が多く報告されるようになってきており、食物繊維や難消化性のオリゴ糖などのプレバイオティクス素材に関する研究はますます進展するものと思われます。
プレバイオティクスはヒトの消化酵素で分解されず、腸に到達し、腸内細菌に利用され、腸の環境を整える食品素材でこの代表的な存在であるフルクトオリゴ糖(FOS)は砂糖にフルクトースが数個結合したオリゴ糖です。さらにフルクトースが結合した多糖類を一般にイヌリンと呼び、これらは特定保健用食品や機能性表示食品に活用されており、砂糖から微生物由来の酵素を利用して合成されたり、植物から抽出されたものが利用されています。これらのFOSやイヌリンはゴボウやキクイモなどに農産物に含まれますが、アスパラガスやタマネギ、ニンニク等では結合様式の異なる別のFOS(neo-FOS)が存在しています。我々の研究グループではこのneo-FOSの酵素的生産を目指して植物や微生物のneo-FOSの合成や分解に関わる酵素やその遺伝子を明らかとし、産業利用の可能性を検討しています。
また、これらのFOSやneo-FOSは、植物そのもの、品種、生育ステージ、収穫後の変化によって蓄積パターンが異なっており、植物生理学的にも興味深く、分子生物学的、酵素化学的アプローチによりこの理由解明を目指しています。

ゴボウに含まれるイヌリンのHPAEC-PAD分析 ゴボウに含まれるイヌリンのHPAEC-PAD分析
アスパラガスの根に含まれるneo-FOSのHPAEC-PAD分析 アスパラガスの根に含まれるneo-FOSのHPAEC-PAD分析
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

我々の研究グループではオリゴ糖の分析技術としてHPAEC-PAD法を用いて、既存のFOSとは異なるneo-FOSを分離しています。従来のHPLCでは結合様式の異なるオリゴ糖の異性体を分離することは難しいですがHPAEC-PAD法では可能です。現在の研究が進展して安価な食品素材(砂糖など)からneo-FOSの大量製造の技術開発に結びつけば、neo-FOSの機能性評価、用途開発に着手し、健康効果を高めた食品素材として応用が可能であると考えています。