本学 獣医学研究科 3年 今泉法子さんが令和7年度日本学術振興会 特別研究員(DC2)に採用内定

Date:2025.01.28

NEWS NO.71(2024年度)

本学 獣医学研究科 3年 今泉法子さんが令和7年度日本学術振興会 特別研究員(DC2)に採用内定

令和7年度(2025年度)の日本学術振興会特別研究員の採用内定者が発表され、本学獣医学研究科3年 今泉法子さん(指導教員 獣医衛生学ユニット 樋口豪紀教授、権平智准教授)が特別研究員(DC2)に採用されることが内定しました。本学大学院からの特別研究員(DC)の採用は、令和2(2020)年度から5年ぶりとなりました。

今泉法子さん

日本学術振興会の「特別研究員」制度は優れた若手研究者に、その研究生活の初期において、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与えることにより、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的として、大学院博士課程在学者及び大学院博士課程修了者等で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」として採用して支援する制度です。採用者には、生活費相当の「研究奨励金」、そして、研究費として科学研究費助成事業「特別研究員奨励費」が交付されます。

今泉さんは、特別研究員の中で「(2025年4月1日現在)医学、歯学、薬学又は獣医学系の4年制の博士課程第3年次以上の年次相当」に在学する大学院生が対象となる「DC2」のカテゴリーで「農学・環境学分野」に申請し、採用内定となりました。特別研究員(DC)の令和6年度の採用率は17.1%となっており、狭き門といわれております。今後、5月上旬までに正式な採用決定通知が届く予定です。

今回採用された特別研究員の研究課題「ウシのマイコプラズマ乳房炎における病態形成メカニズムの解明」は、2010年頃より世界的な問題となっている牛のマイコプラズマ感染症について、免疫学的側面からその病態形成メカニズムに迫る研究です。

獣医衛生学ユニットのメンバー

実験中の様子


今回の採用内定にあたり、獣医学研究科長の山下和人教授と指導教員の樋口豪紀教授は、それぞれ以下のようにコメントしました。

「私も北海道大学大学院生時代に日本学術振興会の特別研究員に申請したことがありますが、採択には至りませんでした。今泉さんは非常に優秀であり、着実に研究成果を出し続けていることからさらに研究を進めていただき、いずれは研究者となって酪農学園大学に貢献してほしいと考えています。これからも期待しています。また、指導する樋口教授と権平准教授に深く感謝いたします。」(山下和人獣医学研究科長)

「今泉さんは宮崎大学の獣医学科を卒業後、本学の獣医学研究科に入学されました。研究課題である牛のマイコプラズマ感染症については、国内はもとより海外での先行研究も少なく、研究の展開においては常に色々な苦難に遭遇しました。そうした状況の中でも常に冷静に粘り強く研究テーマに対峙したことが今回の採択に繋がったものと思います。特別研究員として更なる研究展開を目指し、努力してくれることを期待しております。」(樋口豪紀教授)

山下和人研究科長、今泉法子さん、樋口豪紀教授(左から)

また、今泉法子さんは次のようにコメントしました。
「今回、日本学術振興会の特別研究員に採用されたことを大変嬉しく思います。ユニットの樋口教授、権平准教授の日々のご指導の賜物であり、深く感謝しております。牛のマイコプラズマ乳房炎は、マイコプラズマ ボビスを主要な病原体とする疾病で、泌乳牛が発症します。発症牛の泌乳量が激減すること、農場内で急速に感染拡大することなどから酪農業に多大な経済損失をもたらします。しかしながら、本疾患の病態は未だ解明されておらず、効果的な予防技術や治療法が確立されていません。そこで私は、マイコプラズマ乳房炎の病態解明をテーマとして、宿主(=牛)と病原体(=マイコプラズマ ボビス)の両方向からアプローチする研究を展開していきたいと考えております。特別研究員として、本研究課題に真摯に向き合い、研究活動に邁進してまいります。」


【参考】
◆2024.12.27 本学大学院獣医学研究科3年の今泉法子さんが第29回日本乳房炎研究会学術集会で高居百合子学術賞(基礎研究部門)を受賞しました
 https://www.rakuno.ac.jp/archives/35901.html

◆2024.10.07 大学院獣医学研究科D3の今泉法子さんが 「第8回乳房炎サマーキャンプ」ポスター発表の部で最優秀賞を受賞
 https://www.rakuno.ac.jp/archives/34713.html

◆2024.01.15 大学院獣医学研究科2年の今泉法子さんが日本家畜衛生学会第98回大会で奨励賞を受賞しました。
 https://www.rakuno.ac.jp/archives/31318.html

◆2024.01.15 本学大学院獣医学研究科2年の今泉法子さんが第166回日本獣医学会学術集会で優秀発表賞を受賞しました。
 https://www.rakuno.ac.jp/archives/31311.html

【関連記事】
◇2019.12.17 本学 獣医学研究科 1年 中村暢宏さんが令和2年度日本学術振興会 特別研究員(DC1)に採用内定
 https://www.rakuno.ac.jp/archives/7429.html

◇2018.11.22 本学 獣医学研究科 1年 橋本茉由子さんが平成31年度日本学術振興会 特別研究員(DC1)に採用内定
 https://www.rakuno.ac.jp/archives/4911.html