NEWS NO.115(2025年度)
「北海道クボタのスマート農業の取り組みについて」特別講義を実施しました
【 酪農学園大学 ✖ 株式会社北海道クボタ 】
12月18日(木)、本学農食環境学群循環農学類2年次後期科目「農業機械学」において、株式会社北海道クボタによる特別講義「北海道クボタのスマート農業の取り組みについて」を実施しました。はじめに、循環農学類長の日向貴久教授(酪農・畜産経営論研究室)より「農業における機械化だけなく、人の作業をできるだけ少なくし、直接的な作業を機械に任せることが将来的に必要になってくる。受講している学生の中には生産に携わりたい人、生産をまわりで支えたい人もいると思うので、最新のスマート農業の取組について、また北海道クボタさんの取組についてしっかりと勉強してください。」と述べられました。
講師には、株式会社北海道クボタのスマート農業推進課の今野智望氏と総務人事課の小野大樹氏を迎え、学生たちに特別講義が行われました。


本講義は、スマート農業の最前線を担う企業から直接話を聞くことで、農業機械分野におけるICT化の現状や、今後の農業のあり方について理解を深めることを目的として実施されたものです。

■株式会社北海道クボタ 営業本部スマート農業担い手推進部スマート農業推進課 今野智望氏■
講義冒頭に、株式会社北海道クボタの会社概要と事業内容としては農業機械の販売と修理を行っており、全道各地の農業をされている方を支えるために事業展開していることが説明され、エスコンフィールド北海道にあるKUBOTA AGRI FRONT(クボタ アグリ フロント)について紹介されました。日本の農業が抱える課題である、農業人口の減少、農業従事者の高齢化、規模拡大に伴う管理の煩雑化、低価格で高品質な作物のニーズなどに対し、今まで通りの農業から、より便利な農業へ転換していくためにスマート農業が注目されています。スマート農業へ期待されていることでは、超省力大規模生産を実現することでより広い面積での作物生産が対応可能とする、作物の能力を最大限に発揮し質の良いものを作っていく、きつい作業・危険な作業から解放され負担の大きい作業を機械に任せる、経験を補えるよう誰もが取り組みやすい農業の実現、消費者・実需者に安心と信頼を提供できるという部分を助けているのがスマート農業となります。株式会社クボタでは、ロボット農機の事をアグリロボと名付けシリーズ化しており、そのロボット農機について、自動走行に関する安全性確保や、使用条件、安全関係等詳しく説明されました。また、「KSAS」(ケーサス)【クボタスマートアグリシステム】というパソコン・スマートフォンで利用できる農業管理システムについて説明され、このKSASを利用するとデータの記録や圃場の管理、営農の分析が可能になり、日々の記録を管理しやすくなり、来年のシーズンに活用できる、作業者同士の情報共有がリアルタイムで全員がわかる等の利点があげられました。
株式会社北海道クボタが考える農業の未来像をはじめ、農業機械におけるスマート農業の現状とその導入効果について、具体的な事例を交えながら解説が行われました。産業としての農業を支える総合的な視点が学生に示されました。

■株式会社北海道クボタ 総務部総務人事課係長 小野大樹氏■
講義後半では、総務人事課の小野大樹氏が農業機械メーカーが果たす社会的役割についてお話しいただきました。3職種営業職、技術職、事務職があり、営業職ではセールスフォースというスマホでの案件を入力し情報管理を行っていること、技術職は修理するだけでなく営業職と情報共有しながらお客様へのアドバイスを行う重要な職種であることが説明されました。クイズを交えながら会社概要について、社風や充実した研修制度について北海道クボタについて学びました。
講義の終わりに、学生から「稲の自動移植の機械をみていて、将来的に自動運転中に苗が切れた際、ドローンを用いて補充し移植を再開することは可能でしょうか?」という質問があり、今野氏より「未来ビジョンではありますが、ドローンでできたら面白いと思います。別案としてトラックも自動化して、苗移植車が自動で走って双方が自動で補給できると面白いと思います。」との質疑応答がありました。
農業機械学を担当している小宮道士先生からは、「スマート農業というと情報を上手く収集して活用して利用していくことが非常に重要です。最近は気候変動も著しいので、数年前の作業も違うやり方でやらなければならない現状です。情報をいかにうまく農業管理システムの活用は重要なことであると感じました。数年後の未来に農業が楽しくワクワクするような農業のお話しをしていただきました。本日はありがとうございました。」と感謝の言葉が述べられました。
北海道クボタの皆様、貴重な講義をありがとうございました。
本学では今後も、産業界と連携した講義や実践的な学びの機会を通じて、次世代の農業を担う人材の育成に取り組んでまいります。
【参考】関連記事
◆2025.12.08 酪農生産ステーションにクボタ制トラクター3台が納車されました
https://www.rakuno.ac.jp/archives/42168.html
◆2025.08.26 株式会社クボタ発行の営農情報誌「U 元氣農業 北海道版No.43」に本学と株式会社クボタ、株式会社北海道クボタとの取組が紹介されました
https://www.rakuno.ac.jp/archives/39614.html
◆2025.07.01 酪農学園大学・株式会社クボタ・株式会社北海道クボタによる包括連携協定を締結
https://www.rakuno.ac.jp/archives/38478.html
◆2025.06.02 最先端技術に触れる実践教育を推進 ― 株式会社北海道クボタの協力により、スマート農業機械を活用した実習を実施 ―(酪農学園大学 ✕ 株式会社北海道クボタ)
https://www.rakuno.ac.jp/archives/37981.html
【関連】
◆最先端技術に触れる実践教育を推進 ― スマート農業機械を活用した実習を実施 ―(酪農学園大学 ✕ 株式会社北海道クボタ)実習動画
https://www.youtube.com/watch?v=F1eBQRuLl-c
◆株式会社クボタ https://www.kubota.co.jp/
◆株式会社北海道クボタ https://www.hokkaido-kubota.co.jp/
次の記事
臼井優教授(獣医学類)が公益財団法人シオノギ感染症研究振興財団の2025年度次世代育成支援研究助成金に採択されました
2025.12.24
前の記事
立教学院「池袋オープンデイ2025」に本学岩野英知学長が参加しました
2025.12.24