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経験と出会いに感謝!「人の心」がわかる農業高校教師を目指して奮闘中!
経験と出会いに感謝!「人の心」がわかる農業高校教師を目指して奮闘中!
農食環境学群 循環農学類 2年 村井 聡一郎さん

20歳の決意「教師になる」
朗らかな笑顔で挨拶を交わし取材を受けてくれたのは、現在循環農学類2年生の村井聡一郎(むらい そういちろう)さん。つい最近二十歳になったばかりとのことで「お酒を飲めるようになりました」と微笑んだ。二十歳になったばかりということではあるが、〝進むべき道〟は既に定まっている。「農業高校の教師になる」という思いを胸に一歩一歩着実に歩みを進めている。
不登校から一変「超楽しい」学校生活へ
村井さんは北海道中標津町の出身で家業は農家ではないが、酪農が身近にある環境で育った。地元の農業高校へ進学し、そこで出会った恩師に強く影響を受け、その恩師の母校である酪農学園大学に進学した。そんな村井さんだが、実は中学時代は不登校だった。中学に入るとクラスの中でグループができ、それに馴染めなかった。当時の担任教諭は放課後自分のために授業をしてくれたり教育支援センターへ送ってくれたりもしたという。支えてくれる人々が周りにいたことに、本当に感謝していると言う。
そして農業高校へ進んだ村井さん。そこで運命の出会いが待っていた。「山下先生」との出会いだ。とにかく幅広い知識を持ち、生徒に寄り添ってくれる山下先生のおかげもあり、学校生活が楽しくなった。なんと生徒会長まで経験するほどに変貌を遂げたのだ。自分を理解し、信じてくれた恩師達との出会いが村井さんを変えた。この経験を経て、自分も「人(生徒)の気持ちをわかってあげられる教師になりたい」と思うようになる。
〜目標に向かって〜幅広い経験から、知識を蓄える
現在2年生の村井さん。大学では主に基盤教育として家畜の基礎を学んでいる。また、4つのサークルに所属し、土・日はガソリンスタンドでアルバイトをする多忙な日々を送っている。
所属するサークルは中小家畜研究会、美術部、放牧ネットワーク、室内楽団とバラエティーに富んでいる。今は活動の幅を広げ様々な経験を積みたい。「自分にも支えてくれた人がいたように、学生の悩みなどを聞き、助けになれば」とオープンキャンパススタッフも引き受けた。

酪農学園大学「中小家畜研究会」の魅力
そして酪農学園大学らしいユニークな研究会が中小家畜研究会だ。乳牛以外の家畜について学んでみたいという思いで、入部を決めた。この研究会は羊をメインに飼育しており、繁殖から出荷までを学生達が行う。村井さんは飼料班に所属し飼料の調達と管理を行う。羊の健康状態などを見ながら、適切に餌を配合したり、量を決めたりしている。「羊がすごく可愛いです」と、自慢の羊がいる場所へ案内してくれた。優しい顔で今年の春に産まれた仔羊を撫でる。現在12頭の羊を学生が管理している。羊は秋頃に種付けし、4ヶ月で出産時期となるそう。繁殖・飼育から出荷先の選定まで学生が行うとのこと。まさに学生が運営する〝めん羊農家〟と言ってもよいだろう。

〝触れ合い体験〟&〝羊小話集〟
触ってもよいと言うことなので、羊を撫でてみた。危うく頭を撫でそうになった筆者に対し、「頭は触らないように」と教えてくれた。雄羊に多いそうだが、序列をつけるために頭突きなどをするそうで、要注意。また、小さくて丸いウンチをたくさんしているのを見ながら、羊は神経質な動物なので、ウンチのある所の草は食べないとも。清掃もなかなか大変そうだ。羊のお尻がなんとも可愛くて眺めていると、「羊の尻尾、見たことありますか?」と尋ねられた。飼育されている羊は衛生面の都合上断尾しているそう。短くてコロンとした尻尾が可愛いと思っていたが、元々羊の尻尾は長かった!産まれてすぐに付け根付近にゴムリングをつけ脱落させているとのことだ。短時間ではあったが、さすが教師を目指しているだけあり、話が面白く引き込まれた。〝羊小話〟をいくつか聞くことができ、筆者にとって有意義な時間となった。
この号が発刊される頃には開催後となってしまうが、酪農学園大学の学園祭「白樺祭」(毎年7月頃開催)で是非、動物達と触れ合いながら、学生達のレクチャーを受けてみていただきたい。
理想とする教師像「生き抜く力」を育む
「教師」になると決め、それには何が必要なのかを考えながら邁進する村井さんにどのような教師になりたいか尋ねてみた。すると、「生徒には自分で考え、生き抜ける人になって欲しい。そのために自主性を尊重できる教師になりたい」と答えが返ってきた。
様々な面から未来に不安を感じずにはいられない昨今、教育の力を信じて教師になるという夢を持ち、「自ら考え生き抜く力」を子どもたちに育みたいと理想を掲げる村井さん。前述した「山下先生」は現在教職を退き、農業を営んでいるそうだが、村井さんは彼のスピリットをしっかりと受け継いでいる。経験から得た知識を盾に、自ら考え実践を重ね、理想に近付こうと奮闘する。これは言葉だけで伝えられるものではない。だからこそ、彼は大学在学中に様々な経験を積んでいる。恩師のように、説得力のある教師になりたい。
来年度からは、教職に関する授業が入ってくる。自身がそうであったように「教育の力」で、子ども達に、自ら明るい未来を築いていけるよう成長して欲しい、と願う彼が数年後教壇に立つ日が待ち遠しい。
(月刊ISM2025年8月号掲載記事をもとに制作)
【参考】関連ページ
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年7月)
「競走馬の安楽死を知って獣医の道を選択した」
獣医学群 獣医学類 3年 宇髙 瑠爽さん
https://www.rakuno.ac.jp/43968.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年6月)
「食と健康で人を笑顔にしたい」
農食環境学群 食と健康学類 管理栄養士コース 3年 和美 帆香さん
https://www.rakuno.ac.jp/43977.html
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