NEWS NO.159 (2025年度)
フィールド教育研究センター長(兼 副学長)が語る⑤
~かなえたい酪農のために~ 酪農学園の全力
今回は、この農場が酪農学園全体にとってどのような役割を果たし、どういったことを実現してきたいのかということをお話しします。
まず、この農場では、これまで以上に多様で深い研究が行うことができるようになることは間違いありません。基本的に、ホルスタインを中心に飼育しますが、ジャージー種、ブラウンスイス種といった多品種の飼育を検討しており、ホルスタイン以外の品種の乳を使って、例えばヨーグルトやチーズといった加工品を試作してみるということを学生と一緒に学びながら進めていきたいと考えています。自身の携わったものがどう世の中に出ていくかという「出口」が大切だと思いますが、酪農学園には加工施設もありますのでフル活用し、時には地域の企業とも連携してさまざまな製品づくりをしてみたいですね。例えば、生産効率や採算を度外視して究極の品質のものはできないかなど、企業ではできない「試行錯誤の場」として、学生には学生だからこそできる大胆なチャレンジをしてほしいです。

実際の教育では、今、まさに教職員一体となってカリキュラムの改訂を進めています。これまでの「牛に直接触れる実習」が大切なことに変わりはありませんが、これまで話してきたように、スマホで牛のコンディションや牛舎の環境がわかるという世界になっていきますので、それらのデータを活用した新しい学びを加えることで、現代の農業に即した教育を実現します。来春からはじまる「農環境情報学類」では、まさにこのようなデータを活用した教育が欠かせません。いわゆるデータサイエンス分野とも連携した教育、研究ですね。この農場から得られる多様で詳細なデータを「貴重な事実」として取得した上でいかに活用していくことができるのかが教育のカギになっていくと考えています。多様なデータを活用し、学んだ知識やノウハウを駆使しながら、今後はAIも活用することで、牛の行動解析や疾病予測など、人とデータとAIが融合していく次世代の酪農にふさわしい教育を展開していきます。
そして、この農場を「酪農家を目指す人々の夢をかなえる場所」にしたいのです。酪農の世界に興味を抱いてくれた学生が、憧れをそのまま夢につなげ、卒業後も自信を持って就農や研究に進めるようにしていきたいのです。前半のレポートにも記しましたが「明るい農業や酪農があるとしたら、それを見せられるのは大学しかない」という強い思いを抱いています。また、教育者、研究者としての教職員の皆さんにとっても自身の可能性を高め、飛躍させる舞台となることを願っています。
また、この取り組みには、世界的酪農機器メーカーであるデラバル社と人的な交流も含め強固な連携関係を築きながらすすめていきます。酪農学園の活用実績を企業側にフィードバックすることで、これからの酪農界全体に貢献していくような研究開発につなげていただければと考えています。
今後、学園内での研究を充実させていくことはもちろん、プロジェクトに参画してくれている全国のOB、企業との産学連携や地域連携をすすめながら農場を拡張・充実させていく予定です。さらには、国際貢献も視野に入れ、海外からの留学生や研究者とも協力し、酪農を通じて世界とつながる拠点となり日本の酪農の未来を示すモデルとなるよう学園をあげて全力で取り組んでいきます。
私たちが創造するのは「素敵な農業・酪農」です。ここから次代の日本を背負って立つ人材をどんどん輩出できることを願っています。

これで5回にわたる話を終えますが、これからも進捗や成果を皆さんにお伝えしていきますので、ぜひ、引き続きご期待いただくととともに、皆様からのご意見、ご感想をお待ちしています。
【参考】関連記事
◆2026.03.09 フィールド教育研究センター長(兼 副学長)が語る④ ~人に、牛に、地球にやさしく~。農場全体がSDGs
https://www.rakuno.ac.jp/43296.html
◆2026.02.27 フィールド教育研究センター長(兼 副学長)が語る③ ~酪農のあり方が変わる~ 先進設備のメリット
https://www.rakuno.ac.jp/43293.html
◆2026.02.06 フィールド教育研究センター長(兼 副学長)が語る② ~酪農のあり方が変わる~ 先進設備の導入
https://www.rakuno.ac.jp/43286.html
◆2026.01.29 フィールド教育研究センター長(兼 副学長)が語る① ~酪農から楽農へ~ プロジェクトへの思い
https://www.rakuno.ac.jp/43279.html
◆2026.01.14 新牛舎新築工事の進捗状況について(Vol.1)
https://www.rakuno.ac.jp/43075.html
◆[プレスリリース]酪農学園大学が最先端のロボット牛舎を新築 ―学生が未来型酪農を実践的に学べる教育環境を整備―
https://www.rakuno.ac.jp/archives/39600.html
◆酪農学園大学 農環境情報学類 特設サイト
https://shingakunet.com/school/SC000559/rakuno/special/
◆酪農学園大学YouTubeチャンネル「農環境情報学類」Movieプレイリスト
https://www.youtube.com/watch?v=96_fBG3bp9A&list=PLTeyee6_6Hhwgz3tSCknZ-idSyHkESVNU
【参考】関連リンク
◆フィールド教育研究センター
https://www.rakuno.ac.jp/outline/initiatives/farm.html
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