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目標は全日本学生馬術大会団体3位入賞
目標は全日本学生馬術大会団体3位入賞〜「馬術部」を訪ねて~
馬術部 主将 本村 陸 さん(獣医学群 獣医学類 2年)
体育系サークルの中でも酪農学園大学ならではと言える「馬術部」の活動について、馬術部主将で獣医学類2年生の本村陸(もとむら りく)さんに話を伺った。

厩舎作業から騎乗練習馬術部の経営までも担う
酪農学園大学の「馬術部」は創部60年以上という学内でも歴史ある部活動の一つであり、現在の部員は学生38名、馬13頭外国産馬1頭・国産乗用馬3頭・サラブレッド7頭・ポニー1頭・ミニチュアホース1頭)、猫2匹で活動している。
馬術部の朝は早い。夏は5時、冬は6時に厩舎に集合。馬小屋の掃除から、馬の食事や体の手入れといった厩舎作業と、馬術を磨くための騎乗練習を行う。授業のある部員は学校に戻り、授業のない部員は個人で馬の世話や馬具の手入れなどを行い、部活動としては夕方くらいに解散となる。ただ、馬の食事は朝・昼・夕・夜と1日4食と決まっているほか、それ以外の厩舎作業もあるため、昼・夕・夜は当番制で、部員5名で作業に当たり、最後の夜当番は8時40分から9時30分くらいで1日の作業を終える。
また、部活動は学内だけにとどまらない。冬は馬に乗れないため、その期間は日高にあるサラブレッドの生産牧場や育成牧場、近くの乗馬クラブでアルバイトを行っているという。「部活動でアルバイト?」と思われるかもしれないが、それには理由がある。毎年開催される全日本学生馬術大会は、毎年道外各地で行われるため、開催地まで馬を輸送しなければならない。しかし、輸送費はかなり高額となるため、その資金を調達するためにもアルバイトは必要な部活動の一つとなっている。学校からの資金援助もあるが、毎日の馬の飼料代など諸経費も含めると、それだけでは十分ではないため、部員たちが毎週末や春休みを使って馬術部の経営にまで携わっているというわけだ。
一般的にイメージされる大学のサークルから連想する「楽しい集まり」とは少し異なる印象を持つ人も少なくないだろう。しかし、アルバイトを通じて将来の就職先が見つかったり、希望する仕事への伝手ができたりと、大変さといったマイナス面だけでなく、プラスに値する面も大きいと言う。「動物好きが集まっている部活動なので、とにかく馬と一緒に生活できることが自分たちにとって毎日が楽しいんです。また個人的には部員みんなが家族だと思っていますので、部員といること自体も楽しいんです。アルバイトも部員と一緒なので、あまり大変さは感じないですね」と本村さんは笑顔で話してくれた。
部員全員が1位を目指し切磋琢磨することが大切
部活動の主軸となるのは、名前の通り「馬術」を磨くための日々の騎乗練習にあり、目指すは全日本学生馬術大会での団体3位入賞だ。
全日本学生馬術大会は毎年10~11月に行われ、北日本・関東・中部・関西・中国四国・九州の各地区の予選で勝ち上がってきた大学が出場する。競技内容は、柵などの障害物を飛び越えたり走行を競う障害馬術競技、演技の正確さや美しさを競う馬場馬術競技、この2つにクロスカントリー競技を加えた総合馬術競技がある。そして各地区の予選で勝ち抜いた上位数名だけが全国大会に出場できる。全国大会では、障害馬術・馬場馬術・総合馬術の団体と個人での順位のほかに、これら3つの競技の総合得点で競う3種目総合という順位があり、酪農学園大学は昨年9位、一昨年7位、一昨々年が8位という成績で、入賞圏内の6位にはあと数歩のところにいる。
毎年全国大会に出場しているだけでも評価に値すると思われるが、本村さんは「まだまだ自分たちの馬のポテンシャルを全て引き出せているわけではなく、歴代の先輩たちの努力があっての今なので、その意味でも、さらに上位を狙えると思い、団体3位入賞が今年の目標です」と話す。そんな本村さんに、目標達成のために必要なものは何か尋ねてみた。「一番は部員全員が自分が1位になるという同じ思いを持って競争し合い、切磋琢磨し続けて行くことだと思います」と話してくれた。
自分を諦めず、馬を信じ、部員とは共に支え合う
全日本団体3位入賞のために必要なものは、部活動から学んだことでもあり、「可能性を自分から捨ててはいけないということ」だと話す。
それは本来走るのが専門で、柵を飛び越えたりといった障害馬術競技に出場するのは向かないと言われるサラブレッドで、しかもプロの調教師に訓練された外国産馬や、オリンピック出場経験のある馬たちを相手に、地区予選で優勝したり、全国大会でも昨年、一昨年と上位30位以内という結果を出せたことに、可能性を信じる気持ちを持つことの大切さを強く感じたからだと言う。「馬術は人と馬が一緒にやる競技。人の思いに、馬はできるだけ応えようとしてくれます。しかし、人が諦めて馬の限界を決めてしまうと、その馬はそこで終わってしまうんです。このことは獣医の仕事にもつながると思うんです。獣医が諦めたら、そこで動物は死んでしまいます。まだ命を救える、延命できると強く思えば、動物たちもその思いに応えてくれる。そういうことを部活動を通して馬から学ばせてもらいました」。
部員は初心者も多いが、1年もすれば競技に出場できるまでのレベルに成長できるという。また、馬の世話がしたいという入部希望者も少なくなく、競技目的の騎乗班に加え、手入れ班もあり、動物好きは大歓迎とのこと。つらい事やきつい事もある部活動と言えるかもしれないが、馬との関わりの中で命の大切さを学び、いろいろな立場の大人たちとも関わりを持つことの多い部活動でもあり、卒業後の人間力アップと、社会での即戦力も養われることが期待できる部活動と言えそうだ。

(月刊ISM2026年3月号掲載記事をもとに制作)
【参考】関連ページ
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年1・2月)
「全日本ホルスタイン共進会」優等賞入賞〜「乳牛研究会」を訪ねて~
農食環境学群 循環農学類 4年 瀨川 凛華さん
https://www.rakuno.ac.jp/43606.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年12月)
「紆余曲折を経て 〜「夢」を実現させるための道のり〜」
獣医学群 獣医保健看護学類 4年 柳谷 拓さん
https://www.rakuno.ac.jp/43598.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年11月)
「野生動物生態研究会 〜野幌の身近な自然に目を向けて〜」
野生動物生態研究会 (代表) 嘉島 治久さん、(4年) 疋田 智さん
https://www.rakuno.ac.jp/43362.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年9・10月)
「人と動物が共生できる世界」を目指して
農食環境学群 環境共生学類 2年 家入 萌さん
https://www.rakuno.ac.jp/42987.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年8月)
「経験と出会いに感謝!「人の心」がわかる農業高校教師を目指して奮闘中!」
農食環境学群 循環農学類 2年 村井 聡一郎さん
https://www.rakuno.ac.jp/42959.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年7月)
「競走馬の安楽死を知って獣医の道を選択した」
獣医学群 獣医学類 3年 宇髙 瑠爽さん
https://www.rakuno.ac.jp/43968.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年6月)
「食と健康で人を笑顔にしたい」
農食環境学群 食と健康学類 管理栄養士コース 3年 和美 帆香さん
https://www.rakuno.ac.jp/43977.html
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