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道内の開業と夜間救急獣医を目指す
道内の開業と夜間救急獣医を目指す
名越 惠古さん(獣医学群獣医学類 4年)
獣医学類では、獣医学およびその関連分野における高度な知識と技術を習得し、産業動物(牛・豚・鶏などの家畜・家禽)医療や伴侶動物(ペット)医療に従事する臨床獣医師を育成する。今回は獣医学類4年の名越惠古さんに同校に入学したきっかけや将来の夢、大学生活などについて話を聞いた。

本校出身の植田啓一先生とイルカのフジとの出合い
名越惠古さんが獣医師の道を目指したきっかけは、小学生の時に読んだ、講談社の青い鳥文庫から出版されている『しっぽをなくしたイルカ~沖縄美ら海水族館フジの物語~』との出合いだったという。
「原因不明の病気で尾びれをなくしてしまった沖縄美ら海水族館のイルカ・フジに、ブリジストンの協力を得て開発した人工の尾びれを装着して泳げるようにしてあげたイルカと獣医師との物語が、獣医師という仕事に携わりたいと思った最初のきっかけです」
そして、フジの飼育に関わっていたのが酪農学園大学の卒業生で、現在も美ら海水族館に勤めている獣医師の植田啓一先生だったことが酪農学園大学進学の決め手になったという。「東京出身の私にとって、酪農学園大学はとにかく大学の敷地が広大で、空気もおいしく、たくさんの牛が飼われている環境も魅力的でした。他の大学よりも臨床系に特化したカリキュラムが多く、臨床系の道に進みたいと思っていた私としては、ぜひ酪農学園大学で学びたいと思ったのです」と話す。
4年になった現在、臨床系の実習も増え、より充実した大学生活を過ごしているという名越さん。「生体は使いませんが、リアルなゴム製の牛の模型を使って、内部に直接手を入れて直腸や子宮・卵巣などを触ってどういう状態なのかを確認する疑似体験をする授業など、実に学ぶことが多いです」。さらに、4年からのゼミ(研究室)活動での貴重な経験も、卒業後の忘れられない思い出になると今から思っていると話す。「私が所属する獣医薬理学の研究室では、研究対象が小型熱帯魚のゼブラフィッシュとタンチョウの二択なのですが、先生からの勧めもあり、私はタンチョウを選択しました。日本では北海道だけで繁殖するタンチョウについて、羽や筋肉、糞や血液のサンプルから遺伝情報(ゲノム)を抽出したり、PCR検査を行うなど、ゼミでしか携わることのできない、人生の中でも貴重な経験ができていると感じています。最初は二択しかないため、何となくタンチョウを選んだのですが、今ではタンチョウの研究がとても楽しく、気が付くと普段からタンチョウのことを考えていることが増えました」と笑顔で話す。
獣医学群学生委員会『SAVER(セイバー)』の活動
また、授業やゼミ以外では、獣医保健看護学類と獣医学類の学生で組織される酪農学園大学獣医学群学生委員会『SAVER(セイバー)』の活動にも力を入れているという。
セイバーとは、獣医学群教員や大学職員のサポートのもと、学生の視点で大学の教育の質向上に貢献し、学生が過ごしやすい大学にすることを目的とする公的な学生委員会で、2026年6月時点で獣医学群の有志計35名が参加。講義や実習など教育に関することを軸に、大学設備など学生生活に関することを幅広く議論し、要望や意見といった形で大学に伝えたり、カリキュラムなどに関する議論を大学側から依頼され、外部へ視察に行くこともあるという。
今年からセイバーに参加した名越さんに、セイバーの活動について聞いてみた。「例えば直近では、他学(日本獣医生命科学大学)の先生と学生50人くらいを招き、本校の特色のあるスキルスラボ棟(モデルやシミュレーターなどのトレーニング機器が設置され、獣医学群などの学生が実習をする専用施設)を紹介しました。たくさんの人の前で施設について説明するといったことは、これまでの学生生活の中では考えてもみなかった貴重な経験でした。また、他学との交流が増えることは私自身にとっても有意義なことだと感じています」と話す。

そもそもセイバーとは、2022年度にEAEVE(イーヴ)認証取得に関連した大学改革の一環として設立された組織である。EAEVEとは、1988年に設立された欧州獣医学教育機関協会の略称で、その学校の獣医学教育プログラムが「国際基準に適合しているか」を専門家チームが審査し、その基準に適合した教育機関に与えられるのが『EAEVE認証』だ。日本国内では、国立大学が先行し、北海道大学と帯広畜産大学、山口大学と鹿児島大学の2つのグループが取得。そして5つ目の大学として2024年12月に酪農学園大学が私立大学ではアジア初、一つの大学が単独で取得を果たしたのもアジア初となる。これは酪農学園大学の獣医学教育が国際的な水準を満たしていると認められたことを意味する。
「今後は、セイバーの活動が本校の学生にも広く認められ、獣医学群の運営組織として評価されるよう、ホームページ(https://saver.wepage.com)の充実など、セイバーの取り組みを発信していきたいと考えています。学内サイト酪農大eラーニング2に『SAVER連絡』目安箱があるので、大学をより良くする意見・アイディアなど、ぜひお待ちしています」と宣伝も忘れない。
生涯獣医師であり続け、夜間救急にも携わりたい

最後に、名越さんの将来の夢や目標を聞いた。「入学当時は、馬や牛などの畜産系の獣医師を目指していましたが、最近は犬や猫などの小動物の獣医師もいいなと思っています。また、夜間救急にも興味があり、急病でペットを連れて駆け込んでくる飼い主さんは、ほぼパニック状態にあることが多く、そういう時にペットに対して適切な治療を行い、命を助けるということは、とても素晴らしい仕事だと思いますし、やりがいのある仕事だと思うので、動物の夜間救急も将来的に目指してみたいと思っています。いずれにしても、動物病院を開業できるのが一番の大きなゴールだと考えています。開業できれば、基本的に定年退職ということもあまり考えなくていいので、ずっと動物に携われますし、開業するなら北海道でという思いも強いですね」と、話してくれた。
(月刊ISM2026年11月号掲載記事をもとに制作)
【参考】関連ページ
◆Fetured Peoplele ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年9,10月)
人と自然が共生する環境を作り守りたい
農食環境学群 環境共生学類 2年 神馬 詠太さん
https://www.rakuno.ac.jp/48935.html
◆Fetured Peoplele ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年8月)
食卓に「おいしい」と「安全」を届けたい
農食環境学群 食と健康学類 4年 田中 理紗 さん
https://www.rakuno.ac.jp/47752.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年7月)
夢はディズニーランドのような牧場づくり
農食環境学群 循環農学類 2年 森脇 若菜 さん
https://www.rakuno.ac.jp/46844.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年6月)
人の健康の源となる動物の健康を守りたい
獣医学群 獣医学類 3年 パナリガン 尾崎 絢 さん
https://www.rakuno.ac.jp/46229.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年5月)
夢は誰もが一緒に食べられる食品開発
農食環境学群 食と健康学類 管理栄養士コース 2年 新井 愛仁花 さん
https://www.rakuno.ac.jp/45602.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年4月)
保護犬ボランティアも将来の夢
獣医学群 獣医保健看護学類 3年 伊東 璃乃 さん
https://www.rakuno.ac.jp/44586.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年3月)
目標は全日本学生馬術大会団体3位入賞〜「馬術部」を訪ねて~
馬術部 主将 本村 陸 さん(獣医学群 獣医学類 2年)
https://www.rakuno.ac.jp/44582.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年1・2月)
「全日本ホルスタイン共進会」優等賞入賞〜「乳牛研究会」を訪ねて~
農食環境学群 循環農学類 4年 瀨川 凛華さん
https://www.rakuno.ac.jp/43606.html
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