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人の健康の源となる動物の健康を守りたい
人の健康の源となる動物の健康を守りたい
パナリガン 尾崎 絢 さん(獣医学群 獣医学類 3年)
獣医学類は産業動物(牛・豚・鶏などの家畜・家禽)医療や伴侶動物(ペット)医療に従事する臨床獣医師をはじめ、近年では食の安全・安心に関する意識の高まりや人獣共通感染症への対応など、獣医師に求められる範囲の拡大を受け、高度な知識と技術を習得し、実践的な産業動物、伴侶動物、公衆衛生関連獣医師を育成している。今回は獣医学類3年のパナリガン尾崎絢さんに、同校に入学したきっかけや将来の夢などについて話を聞いた。

生い立ちが動物と自然を愛させ、北海道へと誘う
パナリガン尾崎絢さんは、フィリピン人の父と、日本人の母を両親に持ち、生まれは日本だが、小さな頃から父親の実家によく行っていたと言い、そこでは水牛や山羊、豚や鶏、孔雀まで飼われていて、実にさまざまな動物に囲まれて育ってきたという。「日本の実家でも犬を飼っていて、当たり前のように獣医師になりたいと思うようになりました」と、生まれ育った環境の影響は大きいと話す。
その後、中学生の頃にテレビで見たCMで知ったJICA(ジャイカ=独立行政法人国際協力機構)青年海外協力隊や、UNICEF(ユニセフ=国際連合児童基金)という海外での活動に興味を持ち始めたという。「発展途上国では人口が急激に増加していて、飢餓人口(1日の必要カロリーを安定して確保できない人の数)も増えていると言います。そこで重要になるのが食糧であり、産業動物も関わってくるわけです。しかし、東南アジアやアフリカなどの発展途上国では産業動物が不足しているだけでなく、病気になった産業動物を診ることができる獣医師も不足していて、その意味でも産業動物獣医師の必要性ということを感じ始めたのです」と話す。 このほかにも、中学・高校時代から人獣共通感染症に関する対応や、人や動物の健康と、それを取り巻く環境を包括的に捉え、関係者が連携して取り組む「ワンヘルス」という考えにも興味を深めていったことなどから、酪農学園大学への進学を決めたという。
神奈川県横浜市出身のパナリガン尾崎さんにとって、希望することを学べる大学は関東圏にもあり、オープンキャンパスにも参加したというが、高校3年生の夏に参加した酪農学園大学のオープンキャンパスでの印象があまりにも大きかったという。「とにかくキャンパスが素敵で、すぐに大好きになりました。多くの動物に囲まれた環境、牛の診療頭数は日本トップレベルという場所で学べること。さらに人獣共通感染症の問題や、発展途上国での課題など、国内外で活動されていらっしゃる獣医学類教授の蒔田浩平先生のことも知っていましたので、これだけの環境が整っている大学はほかにないと思いました」。入学後、獣医学類の蒔田教授の研究室を訪ね、長年の思いを伝えることができ、蒔田教授からも興味深い話をいろいろと聞かせてもらったと、その時のことを思い出してうれしそうに話してくれた。
大好きな自然と動物北海道生活も充実
大学での2年間を振り返ってもらうと、授業では牛や豚や鶏など、いろいろな動物に触れたが、それまでは単にかわいがっていただけの動物たちを扱うということの大変さを改めて知ったという。知識はもちろん、体力的にもテクニック的にもまだまだ磨いていかなければならないと感じることも多く、獣医師になることの難しさを実感しているという。とは言うものの、「やはり自分の好きなことを学べていることは楽しくて、とにかく毎日頑張っています」と笑顔で話す。
また授業以外では、オープンキャンパスの学生スタッフの一員として、「自分もオープンキャンパスに来て本校の獣医学類を目指したいと思ったので、今の高校生たちにもそう思ってもらえたらうれしいなという気持ちで活動しています」と話す。さらにプライベートでは大好きな自然を楽しみに、特に北海道の先端に位置する地域をドライブで巡るのが好きで、道北(稚内)や道東方面は制覇。今年は南の襟裳岬や函館に旅行したいと友達と話しているとか。「青い空と緑の大地、自然がいっぱいで、考えるだけでワクワクします」と、北海道での大学生活も充実させている。
産業動物から伴侶動物まで国内外で活躍したい
最後に、改めて現時点での将来の目標について聞いてみた。「入学当初から思っていた産業動物獣医師には変わらずなりたいと思っていますし、そこからJICAの青年海外協力隊として国際協力にも携わってみたいとも考えています。また、昨年の夏にNOSAI(のうさい=農業共済組合)の鹿追家畜診療所に実習に行ったのですが、そこで働いている皆さんとお話しさせていただく中で、本当にお仕事を楽しんでいて、十勝の広大な土地で獣医師として働けるのもいいなあと思いました。また、実家で犬を飼っていたので、伴侶動物の獣医師としても働いてみたいと、今すごく揺れています」と話す。3年の後期には研究室が決まるため、その頃までには卒業後の進路を決めたいとは思っているそうだ。
「人の健康は、動物、中でも産業動物のQOL(生活の質)や健康、幸福度ともつながっていると思っていて、その動物を支え助けるのが獣医師だと思うのです。私は、人の健康の源にもなる動物の健康を守れる獣医師となれるよう、まだまだ勉強させていただきたいと思います」と、力強く話してくれた。

(月刊ISM2026年6月号掲載記事をもとに制作)
【参考】関連ページ
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年5月)
夢は誰もが一緒に食べられる食品開発
農食環境学群 食と健康学類 管理栄養士コース 2年 新井 愛仁花 さん
https://www.rakuno.ac.jp/45602.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年4月)
保護犬ボランティアも将来の夢
獣医学群 獣医保健看護学類 3年 伊東 璃乃 さん
https://www.rakuno.ac.jp/44586.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年3月)
目標は全日本学生馬術大会団体3位入賞〜「馬術部」を訪ねて~
馬術部 主将 本村 陸 さん(獣医学群 獣医学類 2年)
https://www.rakuno.ac.jp/44582.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2026年1・2月)
「全日本ホルスタイン共進会」優等賞入賞〜「乳牛研究会」を訪ねて~
農食環境学群 循環農学類 4年 瀨川 凛華さん
https://www.rakuno.ac.jp/43606.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年12月)
「紆余曲折を経て 〜「夢」を実現させるための道のり〜」
獣医学群 獣医保健看護学類 4年 柳谷 拓さん
https://www.rakuno.ac.jp/43598.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年11月)
「野生動物生態研究会 〜野幌の身近な自然に目を向けて〜」
野生動物生態研究会 (代表) 嘉島 治久さん、(4年) 疋田 智さん
https://www.rakuno.ac.jp/43362.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年9・10月)
「人と動物が共生できる世界」を目指して
農食環境学群 環境共生学類 2年 家入 萌さん
https://www.rakuno.ac.jp/42987.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年8月)
「経験と出会いに感謝!「人の心」がわかる農業高校教師を目指して奮闘中!」
農食環境学群 循環農学類 2年 村井 聡一郎さん
https://www.rakuno.ac.jp/42959.html
◆Featured People ― 学び、挑む、学生たち ―(2025年7月)
「競走馬の安楽死を知って獣医の道を選択した」
獣医学群 獣医学類 3年 宇髙 瑠爽さん
https://www.rakuno.ac.jp/43968.html
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