2021年度 前学期卒業式・学位記授与式 学長式辞

Date:2021.09.16

 大学17名、大学院5名、合計24名の学位記を授与される皆さん、おめでとうございます。
晴れて今日の日を迎えられたことに、酪農学園大学教職員を代表して、心よりお祝い申し上げます。長い間、皆さんの学業を支えてこられたご家族の皆様のご苦労に対し、敬意と感謝の意を表します。
 さて、振り返りますと皆さんが本学で過ごした大学生活の間には、多くの自然災害もありました。2018年9月6日には、胆振東部を震源とする大きな地震が発生し甚大な被害を受けました。また、各地において集中豪雨の被害を受けました。被災地では完全な復興には至っておらず、ご苦労されている方が多くおられます。一日も早い復興を願わずにはおれません。
 また、昨年2月から新型コロナウイルス感染症が急拡大し、パンデミック状態になりました。世界中がいまだにコロナ禍の大きな試練の中にあります。本学は、教職員一丸となって、皆さんの安全を守りながら、授業や実習を、どのように行うべきか検討し続けてきました。皆さんにとっては学校に来られないことや、友人と過ごす時間がなくなり、慣れない遠隔授業、不自由な環境での研究など、生活が大きく変化し、想像を超えた苦労があったことと思います。
 先日、学内でようやく第1回目のワクチン接種を実施することができました。1,500名を超える学生、教職員、ご家族の皆さん、江別市内の高校の先生方が、無事に接種を終えました。 
 ワクチン接種により感染者や重症者が減少していることが報道されています。今後、一層ワクチン接種の効果が現れることを期待したいと思います。しかし、新型コロナウイルス感染症とは、今しばらく闘っていかなければならないと、思います。
 私たちは、コロナ禍の中にあって冷静に考えなければならない事に気づいたのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症の拡大は、経済をはじめ、私たちの生活にも大きな影響を与えています。
テレワークが進められ、情報通信技術を使った新しい社会活動への転換が求められています。ニューノーマルな社会への順応が急速に求められています。確かに、便利になり、効率的に仕事ができるようになりました。
しかし、一方でオンラインでの仕事や会話に不安や不都合を感じ始めている人が増えていることも報道されています。
 このような時代にこそ、「他者のために生きる」という人間の本質に立ち返り、利他的な思考に、もどるべきであると指摘する声もあります。
 本学の創設者 黒澤酉蔵先生は、皆さんも良くご存じのとおり、足尾銅山の鉱毒被害に苦しむ人々の救済に一生を捧げた田中正造翁に師事しました。やがて北海道に渡り、冷害に苦しみ、疲弊する農家を救うために「酪農」を薦め、酪農の発展と教育に一生涯を捧げました。
 黒澤酉蔵先生の弱者に寄り添う“利他的”な心は、「三愛主義」「健土健民」の建学の精神・理念として、酪農学園大学に脈々と引き継がれています。 
 今日「誰一人取り残さない」持続可能な世界をめざす開発目標「SDGs」が世界的に提唱されています。本学は、創設以来SDGsに通じる建学の精神・理念により、食料生産に関する教育と研究を行ってきました。皆さんは、その酪農学園大学の教育を体得されたと思います。
 今、さまざまな試練の中にある社会にあっては、酪農学園大学で学んだ皆さんを必要としています。
 結びに、皆さんが心身ともに健康で、それぞれの目標に向かって活躍されることを、心より期待しております。
 本日は誠におめでとうございます。

2021年9月16日
酪農学園大学
学長 堂地 修