酪農学園大学の建学の精神に基づく教育基本方針
― 3つの方針に基づく大学教育の実現 ―

建学の精神である「三愛主義」は、キリスト教の教えのもとに「神を愛し、人を愛し、土を愛する」ことに徹した人間教育主義であり、多様な隣人への寛容な精神と、人類存続の礎である大地を尊ぶ精神の涵養を説く。その目的は建学の精神を受け継ぎ、「健土健民」の教えを実践し、「生命を紡ぐ大学」として大地が生み出す命を未来へと繋ぎ、全人類の福祉向上に貢献する担い手の養成である。
建学の精神に基づく教育は80年を超える歴史を有し、農業振興に大きく貢献してきた。これを受け継ぐ新しい教育は、「農・食・環境・生命」を基軸に自然との調和の取れた循環農業の維持・発展を図り、人と動物の生命の存続と福祉に貢献し、かつ世界的活動に参加する人材を育てることである。主体的に世界の変化に対応し、課題を見極め、課題解決に対し幅広く、柔軟かつ総合的な判断力を持った担い手を育てる。すなわち農業にかかわる複合的問題を解決する能力を持ち、多角度から物事を観察する能力や総合的思考力、的確な判断力、かつ豊かな人間性を持った人材を輩出することである。

卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
本学の学士課程教育は質の高い教養を持った専門家を養成する。初年次の酪農学園教育において、「農・食・環境・生命」の有機的結びつきを理解した学生は分野を超えて問題探究の基本的姿勢が身につく。学群・学類の専門教育では体系的にかつ学際的に学び、知識の活用能力、批判的・論理的思考力、課題探究力、問題解決力、表現能力、コミュニケーション能力を統合する力を身につけた学生が生まれる。学位記は、その能力と実践力を有することを証明する。さらに、学生は各学群・学類において多様な資格あるいはその受験資格を取得でき、これらの資格と併せて、視野の広い専門家として多様な課題を発見、分析、解決する能力を身につけた人材となる。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
学士課程教育は2学群・5学類の教育組織から成る。この学群・学類制は教育を受ける学生のための組織であり、農業を総合科学として学ぶための横断的教育を含む教育体制である。初年次の酪農学園教育では、新入生全員がキリストの教えと建学の精神を学ぶと共に、農場実習を通して「家畜に触れ、作物を知り、土の役割を理解する」共通認識を修得する。いわば酪農学園大学独自の教養教育である。学生は、この酪農学園教養教育を修得するところから始まり、専門基礎教育を経て専門教育課程へと進む。専門教育においては各学群の教育方針に基づき、卒業までに広い視野を持ち、優れた実践力を持つ専門家を養成するカリキュラムがそれぞれに設定されている。
入学者受入の方針(アドミッション・ポリシー)
本学は、建学の精神「三愛主義」を理解し、「健土健民」の教えを実践するために積極的に行動する強い開拓者精神を持った人物を求める。農業は食を保証し、環境との調和を必然とし、健康な生命を育むまさに母なる大地と同義である。農業は総合科学であり、理論と実践を融合し、「命を紡ぐ健土健民」社会の実現を志す意志の強い人物を求める。どの専門分野においても、「農・食・環境・生命」の有機的結びつきを理解できる担い手は、自己教育能力を持ち高度の専門性を持った質の高い教養人として社会貢献をなしえる。

農食環境学群 College of Agriculture, Food and Environment Sciences

基本方針

農食環境学群では、健土健民および循環思想のもとで持続的な社会の発展に寄与する人物の育成を使命としている。そのために、専門基礎教育と専門分野の学問体系について座学、実験、実習を通して専門的知識と技術を修得し、課題発見と解決する能力を身につけ社会に貢献できる人物の輩出を行なう。

循環農学類

循環農学類
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)  所定の単位を取得し、以下に掲げる能力を身につけた学生に、農学分野の学位を授与する。
  1. 建学の精神を踏まえ、循環型社会を実現するための広範な知識と課題を認識する能力
  2. 食料生産現場における実践的農学教育に基づく、現場感覚を活かした課題解決能力
  3. 農学・畜産学・農業経済学に関する専門的な方法論や知識・技術の習得を通した、総合的思考力や判断力により社会に貢献できる能力
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー) 専門基礎科目から、循環を基本とした農学・畜産学・農業経済学の体系的学習のために提示した履修モデルを参考に、専門コースごとの基礎となる科目を選択する。また、学外農場実習等を通して実社会に向き合う能力を養うことを奨励する。専門教育科目には、農学・畜産学・農業経済学に関する専門的な方法論や知識・技術を体系的に習得するために、専門共通科目、コース専攻教育科目および学類教育科目を設置している。これらの科目毎に教育目標を示し、到達度を評価する。 入学者受入の方針(アドミッション・ポリシー) 循環農学類は農業を取り巻く実社会に対応するため、文理融合した学類であり、循環型社会の実現に向け、実践的活動ができる人材の養成を目的とする。自然科学のみならず人文社会科学も含めた総合的な視野で実社会を客観的にとらえ、農学・畜産学に関する知識や技術を活かして人類社会に貢献したいという意欲と主体性を持って、社会の様々な人々と協働して学ぶことができる人物を求める。

食と健康学類

1.食品機能科学・食品開発学・食品流通学コース
食品機能科学・食品開発学・食品流通学コース
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)  所定の単位を取得し、以下に掲げる能力を身につけた学生に食品学の学位を授与する。
  1. 本学の建学の精神を理解し、自然、社会に関する基本的な知識を体系的に理解できる力。
  2. 各コースの専攻教育により、主体的な行動に裏付けられた現場感覚を体得し、専門的知識と技術を理解できるとともに、適切な自己管理と意見発信により他者と協働することができる力。
  3. 基盤教育と専門教育を通して修得した知識、技能、経験等を総合的に理解し、卒業後も自律的に学習し、自らの課題の発見・設定と課題解決に取り組むことができる能力。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー) 基盤教育により、本学の歴史や使命を学ぶとともに、専門教育科目を学ぶための基礎的素養を身につける。専門基礎教育として、食品科学領域を中心とした科目を学び、専門教育に必要な知識を修得する。各コースの専門教育では講義、演習ならびに実験、実習、卒業論文を通してより高度な専門的知識と技術を学びながら、それらを活用する能力を養成するとともに、課題の発見、設定ならびに解決する能力を養成する。 入学者受入の方針(アドミッション・ポリシー) これらのコースは「健土健民」の教育理念に基づき、食の生産、加工、流通、ならびに人の健康を通して、人々の食の喜びと健康の維持・増進に貢献できる人材の養成を目的とする。これらのコースでは自然科学を基礎として社会科学を含めた総合的な教育課程を編成しているため、入学者はこれらの科目の基礎的知識を習得していることが望ましい。食に関わる課題の多くが複合学問領域に位置することを理解し、その社会科学的な側面に自然科学を基礎として対応するための表現力や判断力を養い、他者と協働して社会貢献に努めることができる人物を求める。
2.管理栄養士コース
管理栄養士コース
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)  所定の単位を取得し、以下に掲げる能力を身につけた学生に食品学の学位を授与する。
  1. 建学の精神を理解し、自然、社会に関する基本的な知識を体系的に理解できる力。
  2. 専攻教育ならびに実習施設等における教育により、主体的な行動に裏付けられた現場感覚を体得し、専門的知識と技術を理解できる力。
  3. 基盤教育と専門教育を通して修得した知識、技能、経験等を総合的に理解して、卒業後も自律的に学習し、自らの課題発見・設定と課題解決に取り組むことができる力。
  4. 管理栄養士に求められる専門家としての高い使命感・倫理観をもち、適切な自己管理と意見発信により異なる職種の専門家と協調して職責を果たすことができる力。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー) 基盤教育により、本学の歴史や使命を学ぶとともに、専門教育科目を学ぶための基礎的素養を身につける。専門基礎教育として医学、食品学および栄養学分野の科目を学び、専門教育に必要な基礎学力を養成する。専門教育では講義や演習ならびに実験、実習を通して管理栄養士として実際の現場で必要な知識や技術を身につけ活用できるような能力を養成する。さらに、臨地実習や演習、卒業論文を通してこれまでに修得した知識、技術、経験をもとに管理栄養士として活動できるための総合的な実践力を養成する。 入学者受入の方針(アドミッション・ポリシー) 管理栄養士コースは、「健土健民」の教育理念に基づき、食と人を繋ぐ食品科学、栄養学ならびに基礎医学を修めた国家資格としての「管理栄養士」の養成を目的としている。本コースでは自然科学を基礎とした教育課程を編成しているため、入学者は関連科目の基礎的知識と思考力を習得していることが望ましい。栄養、健康ならびに社会環境から人体への関わりに至るまでを包括して学び、食と栄養の専門職である管理栄養士としての表現力や判断力を養い、主体性をもって他者と協働しながら、食を介して社会貢献に努めることができる人物を求める

環境共生学類

環境共生学類
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)  所定の単位を取得し、以下に掲げる能力を身につけた学生に、環境学分野の学位を授与する。
  1. 建学の精神を踏まえ環境共生型社会を実現するための広範な知識を習得し課題を認識する能力。
  2. 地域社会、国際社会をフィールドとした実践的な教育により現場感覚を体得し、様々な地域での環境問題の本質を見極めるとともに今後の課題を解決する能力。
  3. 自然科学と人文社会科学が融合した総合的思考力・判断力を習得することにより社会に貢献できる能力。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー) 専門基礎科目にて、地球の生命圏と環境の調和の本質を理解し、その調和が人類の文明活動によってどのように損なわれつつあるかを科学的に理解する思考力を養成する。専門教育科目では、人間が野生動物、生命環境と共生していくための知恵と技術を追求し、環境情報の解析と実践的なコミュニケーション能力を高めつつ、地域社会、国際社会をフィールドとして現場教育を実験・実習科目の中で展開する。 入学者受入の方針(アドミッション・ポリシー) 環境共生学類は、地球環境の中で長い歳月をかけて形成されてきた様々な循環システムと、その循環システムが育んできた人間と野生動物をはじめとする生命圏の調和ある共生社会の実現を目指す人材を養成する。人類がその文明生活の中でもたらしたその調和のほころびを修復し、人間が野生動物、そして生命環境と共生していく英知を学び、さらに環境情報の技術を用いて国際社会、地域社会の中で環境問題を解決する意欲のある人材を求める。

獣医学群 School of Veterinary Medicine

基本方針

獣医学群は建学の精神(三愛精神・健土健民・実学教育)に基づき、獣医学と獣医保健看護学およびその関連科学分野の教育を通して生命を尊ぶ豊かな人間性を育み、人類と動物の福祉及び自然環境との調和とその共存に貢献する人材を育てる。すなわち、専門知識・技術及び総合的な判断力を習得し、国際的視野に立って人と動物の健康保持、環境保全ならびに食料の安定供給に寄与してワンヘルスに貢献できる人材を養成することである。また、高等教育機関として、地域社会における知識・文化の中核、さらに将来に向けた地域活性化の拠点として、上記の人材を教育することを目的とする。獣医学群教育はライフサイエンスに根ざし実践を目指した応用科学であり、医学、農学、生物学などの他、動物の愛護・福祉など広範囲な学問分野を含む。獣医学群の教育は獣医学類と獣医保健看護学類が相互に協力して、様々な分野で求められている広範囲な専門知識と技術を取得し、チーム獣医療を実践できる人材の育成を教育の基本方針とする。 卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー) 獣医学群は大学設立の理念に基づき「社会に貢献できる大学」を主眼におき、社会的ニーズの高い分野で活躍できる人材、獣医師ならびに動物看護師としてチーム獣医療を担う質の高い実践能力を備えた「高度職業人」としての人材ならびにそれぞれの分野や地域においてリーダーとして活躍できる獣医療従事者を社会に送り出す。 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー) 1年次では、建学の精神を理解し豊かな人間性と知性を育むために、全学共通カリキュラムの基盤教育を実施する。また、獣医師、動物看護師として必要な職業の理解、倫理観、生命観および使命感を養う。1年次からの専門基礎教育では、物事を多角的捉えることができる学際的な視点を養う。 専門教育科目、専修教育科目ではそれぞれの学類での専門知識・技術及び総合的な判断力を涵養すると共に自ら課題を探求し、その課題解決に対して幅広く、柔軟かつ総合的な判断力を醸成し答えが出ない問題に取り組むための基礎的な力を身につける。 入学者受入の方針(アドミッション・ポリシー) 獣医学群が求める人材は建学の理念を理解し、獣医学群の教育目的を遂行できる人物である。

獣医学類

獣医学類
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)  以下の能力を身につけ、豊な知性と人間性を持ち、「人と動物そしてそれらを取り巻く環境との相互的関連の重要性」を獣医師として社会に発信できる人材に対し学位を授与する。
  1. 獣医師の社会的責務を果たすための使命感、倫理観、責任感、コミュニケーション力を修得する能力
  2. 学際的な視点を持ち、物事の本質を見通す洞察力、先見力、創造力、応用力を修得する能力
  3. 科学的な根拠を基礎とし、世界的な視野で人間社会の健全な発展に寄与でき、さまざまな情報を統合して、的確な判断を行い、必要な行動ができる能力
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー) 新たな知の創造につながる獣医学専門教育を積み上げ、問題を解決する能力を養い、指導的な役割を果たしうる人材を育成する。研究や討論を実践的に積み上 げる学生参加型の授業および実習を充実し、教養と豊かな人間性、国際的感覚、強固な責任感と高い倫理性を取得する専修教育を実施する。 入学者受入の方針(アドミッション・ポリシー) 獣医学類は、国際通用性を基本とした獣医学及びその関連分野における高度な知識と技術を修得し、国内外の迫り来る諸問題を解決できる能力を具備する獣医師の育成を目的とする。また、本学類は、社会に対する幅広い視野を有し、地域や地球レベルでの人と動物との調和すなわちワンヘルスに深い関心を持ち、日々進歩する最新知識を吸収できる基礎学力を有し、生涯にわたり自己学習意欲を持ち、人間社会に貢献する高い志を持つ人材を求める。

獣医保健看護学類

獣医学類
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)  豊かな人間性と動物に対する愛情を持ち、高度な知識とチーム獣医療を担う高い実践能力を備えた動物看護師および動物看護学教育分野において動物と人間が共存できる社会の創出に貢献でき、今後の日本の動物看護学を支えていこうとする意欲のある人材に対し学位を授与する。 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー) 専門基礎科目では、動物の形態機能および感染症を理解するために生体機能学、病原体に関わる基礎知識を習得する。専門科目では、臨床を含む獣医療の関連科目ならびに公衆衛生学を学ぶとともに動物看護に関する専門的な知識・技術を体系的に習得し、学内外での実習で実践することでそれらを深化させる。最終年次には、将来を考え自らの専門性を確立していくために大学独自教育として動物看護師が今後その役目を担っていく動物行動学、栄養学、理学療法及び生産動物看護学分野での基礎と応用を学び、社会で即戦力となる人材を育成できるカリキュラムを展開する。 入学者受入の方針(アドミッション・ポリシー) 獣医保健看護学類は、高いレベルで動物看護師の知識・技術を教授し、広く基礎生命科学分野、公衆衛生分野および動物医療(伴侶動物、生産動物等)分野で活躍できる人材の養成を目的とする。それ故、大学設立の基本理念・教育目標を理解し獣医保健看護学とその関連分野で能動的に学習を行うことができ、動物・人間とふれあうことの実践を通じて生命を尊ぶ豊かな感性を育み、動物の良き理解者として人類と動物の福祉に貢献し、人間と動物の良き関係を築き上げていきたいという目的意識をもつ人材を求める。