学生は宝の原石。
磨き、磨かれ、
人間性と専門性を
深めてください。

学長竹花 一成

 私は、酪農学園大学に入学以来、大学生、大学院生から教員へと44年間にわたって在籍してきました。私自身を大きく成長させてくれた母校の学長となり、先人たちの本学創立の想いを引き継ぎ伝えていくことが責務と強く感じています。

 本学は、キリスト教の教えに基づいた三愛精神のもと、人格形成を行っています。その柱は隣人愛であり、誰もが持っているものです。本学で学んだ学生たちには、それぞれの地域へ帰り、また、新しい場所へ行っても、その地の中核となり自分の器で周囲を幸せにする人になってほしいと思っています。
 農業・食・環境・生命の各分野で現場に即した専門性の高い教育が本学の特徴ですが、教育とは学生を決まった色に染めるのではなく、学生が元々持っているものを磨きあげることです。いわば、学生は宝の原石。「学問とは不完全な学生と不完全な教師との共同作業」と言われた先人の言葉どおり、人間に完成形はなく、その都度新しい発見があり成長します。大学は、皆さんに「出会いの場」を提供します。教員や友人をはじめ、色々な人と出会い、時にはぶつかり合うことでお互いに人間性と専門性を磨きあってください。それが、「人間力」です。

 教員は様々な情報を専門家の立場で与えますが、そこから何を選ぶのかは皆さん次第です。本学は、柔軟な思考を持ち、自分で物事を判断できる「のびしろのある人間」を育ててきました。のびしろとは、色々な形になれるということです。そのためには多くの経験を積む必要があります。人は、ゼロからできることは何もありません。失敗と反省があってこそ、自分のものとして生きる糧ができ、その上に初めて新しいものをつくり出せるのです。本学の実学教育はここからきています。なんでもやってみること、知識だけでなく現場で体験すること「知行合一」が可能性を広げる力になります。

 また、心に余裕がないと、考えも硬直してしまいます。のびしろには潤いも必要です。その環境が本学にはあります。ここに来たら、耳を澄ませなくても自然に風の音が聞こえます。その静寂を十分に楽しんでください。広大なキャンパスでは、身も心も解放されます。エゾリスなど野生の動植物に癒やされることもあるでしょう。北海道ならではの恵まれた環境で、皆さんがやりたいことにどんどんチャレンジしてください。