環境共生学類は、環境をめぐる諸問題を客観的に解析する知識や技術を修得し、解決に向けた総合的な判断力を培うことを目指します。
基盤教育ならびに専門基礎教育では、生命圏とそれを取り巻く自然環境の調和の本質を理解し、その調和が人類の文明活動によってどのように損なわれているかを科学的に分析するために、物理学・化学・生物学・地学や生態学・環境科学など自然科学的素養を養います。
専門教育では野生動物学コースおよび生命環境学コースに分かれ、フィールド調査や地理情報システム(GIS)による情報解析などを学び、生命圏に生きる生物が互いに自然環境と共生していくために何ができるかを究明します。本学の理念である実習・実験・演習を多く取り入れた実学教育によって、自然と調和・共生する社会の形成に貢献できる人材を育成します。
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TOPICSトピックス
- 2024.09.20ニュース
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- 2024.07.29ニュース
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- 2024.06.24その他
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- 2024.06.17お知らせ
- [6/22(土)~23(日)開催]シンポジウム・ワークショップ『珪藻と社会』のお知らせ
GREETINGごあいさつ
農食環境学群長
小糸 健太郎
農食環境学群は、本学の建学の精神である「三愛主義」「健土健民」のもと、生物資源の循環・再生、食料の生産・加工及び流通・消費並びに食と健康、さらに農業を含めた環境に関する専門分野において、それらが有機的に関連するよう体系づけられた学群です。農学、食品科学、環境科学およびこれらの関連分野の教育・研究を通じて、フードシステムの持続的発展と自然環境の保全並びに農食文化の進展に貢献することを目的としています。この目的に合わせて、循環農学類、食と健康学類、環境共生学類の3学類を設置しています。
本学群の教育では、1年次で幅広い教養と社会人基礎力を育成するための科目を学びます。その中には「健土健民入門実習」のように、「農・食・環境」の学びを実習により体感できる科目があり、各分野で実践的に活躍するための基礎を培うことができます。そして、2年次には3分野に関連した専門基礎を学び、3年次からは、専門コースと研究室を選択し、専門教育を学ぶことになります。専門分野での学びは、教室での学習と連動した実験・実習・演習によって構成されています。実習教育は、学内だけではなく、北海道という広大なフィールドを活用して展開しており、「農・食・環境」に関する知識と実践力を段階的に身につけることができるような教育を受けることができます。
世界では、今もなお食料問題や気象変動などのさまざまな課題に直面しており、国連サミットにおいては持続可能でより良い社会の実現を目指す「SDGs」が掲げられています。このような社会情勢の中、「農・食・環境」の分野においても、さらなる技術革新と社会のシステムの構築が求められています。学生のみなさんが農食環境学群での教育を通じて培った知識と技術、判断力によって、社会の発展に貢献する人材となることを期待しています。ぜひ、私たちと酪農学園大学農食環境学群で一緒に学びましょう。
環境共生学類長
吉中 厚裕
今、人類は様々な困難に直面しています。新型コロナウイルスの世界的感染、ロシアによるウクライナ侵攻、スーダンの内戦等々内外のニュースに触れる度に暗澹たる気持ちになってしまうかもしれません。その中でも、気候危機、生物多様性の喪失といったいわゆる地球環境問題は、この地球に現在暮らす全ての人たちの、これから生まれてくる人たちの、そして地球上のあらゆる生物にとって避けては通れない問題です。その解決には自然科学的な調査・研究が欠かせません。しかしそれだけではうまくいきません。自然科学的アプローチで得られた知見をどうやって活用して社会の変革を促すのか、そのためには人文科学的アプローチによって大きな方向性を示すことが必要だと私は考えています。「環境問題」とは、「環境」側だけの問題ではなく、むしろ「人間」側の問題なのですから。
環境共生学類では、北海道という大変恵まれた(これは野生動物や自然環境に恵まれているという意味だけではありません。豊かな自然環境を約150年という非常に短い間に破壊してきたという人間の文化の歴史も含んでいます)フィールドを最大限に活用し、地域の課題、特に野生動物や森林、湿原、湖沼といった多様性に富む自然環境と、そこに暮らす人たちの生活との間の空間的かつ時間的に有効で持続可能な関係性をどこに見いだせばいいのか、地球を救うための遠大な旅の途上、学生と教員とが日々奮闘しています。
私自身、大学では人類学といういわば「自然科学」と「人文科学」とにまたがるような学問を主に「人間」側の視点から学びました。その後「環境」側の視点から植物生態学を学び直し、現場で地域の人たちと一緒に自然保護に取り組み、さらには、地域や現場から遠く離れているようにも見える「多国間環境条約」という地球規模での活動に携わってきました。
本学類では、まさに「現場・地域」と「地球」との両方の視点から、そして自然・人文・社会の統合的科学アプローチによって、環境と人間との関係性をこれからも追い求め続けていきたいと考えています。
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COURSE2つの専攻コース
野生動物学コース
野生動物の保護と管理について、北海道を中心としたフィールドで生態学を基礎として、その理論と技術を学びます。
生命環境学コース
北海道の森・川・海といった優れた自然資源の保全と利用を題材に、生命圏の物質的・エネルギー的環境に関する理論と技術を学びます。
学びの流れ
- 1年次
-
基盤教育
- 酪農学園導入教育
- 人文社会科学教育
- 自然科学教育
- 保健体育教育
- 情報教育
- キャリア教育
- 外国語教育
専門基礎教育
- 全学共通専門基礎領域
教職課程教育
- 教職課程教育
- 2年次
-
基盤教育
- 人文社会科学教育
- 自然科学教育
- 外国語教育
- キャリア教育
専門基礎教育
- 基礎科学領域群
(A群、B群) - 環境共生学類専門基礎領域
(A群、B群、C群) - 共通領域
教職課程教育
- 教職課程教育
- 3年次
-
基盤教育
- 外国語教育
- キャリア教育
専門基礎教育
- 基礎科学領域(B群)
- 環境共生学類専門基礎領域
(B群) - 共通領域
- 全学共通専門基礎領域
専門教育
- 専門共通教育
- 野生動物学コース専攻教育
- 生命環境学コース専攻教育
- 環境共生学類教育
教職課程教育
- 教職課程教育
- 4年次
-
専門教育
- 専門共通教育
- 環境共生学類教育
教職課程教育
- 教職課程教育
Pick up Curriculumピックアップカリキュラム
野生動物生態学
身近な野生動物である哺乳類を中心に、生物進化の過程で獲得された形態や生理、行動等の性質について生息環境との関わりの中で理解し、生態系や生物多様性の保全に必要な知識を学びます。
森林環境学
多様な生物相を持つ森林について、そこに形成される独特の環境、環境と生物との繋がり、さらにその連鎖的影響などを学び、森林の生物が環境と共生する仕組みの理解を目指します。
狩猟管理技術論
野生動物との関わりで、狩猟の役割は重要であり、特に野生動物の過剰増加による軋轢に対策を講じる上でも狩猟は必須のツールです。狩猟の歴史と、これからの野生動物保全における狩猟の重要性を追求します。
保全生物学
野生動物など生物間にある多様なつながりを示す生物多様性について、基本的な考え方を理解し、地球上で起きている問題や解決法について学び、生物多様性の保全活動を実践する知識を習得することを目指します。
海外自然環境実習
マレーシアボルネオ島やモンゴルなど、アジア各地域において環境と生態系の調査・社会経済調査(フィールドワーク)を行い、自然・生態・環境・文化、および社会を理解することを目指します。
水圏環境化学
地球上での水循環や水資源量、水質汚濁の現状を把握し、水の化学的性質や水質浄化技術等に関する化学的な知識を学び、身の回りにある水資源のあり方に対する思考力を深めます。
気象・気候学
気候変動等のグローバル事象からローカルな積乱雲の特性等、大気や海洋の現象を幅広く学習し、生態系や社会との関連を習得します。また、それらの影響や災害を理解し、今後の環境場の変遷に対する思考力を深めます。
環境変動のリモートセンシング
リモートセンシングは、宇宙空間や空から地球の姿を見る技術です。地球環境変動や生態系応答の時空間情報を得る技術を学び、最新研究から地表面の改変が生態系や人間にもたらす影響を可視化していきます。
資格案内
取得可能資格
必要要件を満たせば卒業と同時に取得可能な資格です。
- 中学校教諭1種(理科)
- 高等学校教諭1種(理科)
- 准学校心理士
受験資格
必要要件を満たせば受験する資格が得られます。