環境共生学類の金子命助手が森林立地学会誌論文賞を受賞

Date:2021.11.05

NEWS NO.40(2021年度)

環境共生学類の金子命助手が森林立地学会誌論文賞を受賞

森林立地学会誌「森林立地」62巻1号(2020年度)に掲載された環境共生学類の金子命 助手の論文「エゾシカが高密度化した洞爺湖中島における土壌および植物の諸特性」が、森林立地学会誌論文賞を受賞しました。 この賞は、前年度に森林立地学会誌「森林立地」に掲載された論文・総説の中から、特に優れたものを選出し表彰するものです。 ■学会誌「森林立地」62巻1号掲載 https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjfe/62/1/_contents/-char/ja <受賞演題>「エゾシカが高密度化した洞爺湖中島における土壌および植物の諸特性」 <研究概要> 閉鎖的な生態系でエゾシカが高密度化した洞爺湖中島において、シカが土壌や植物に与える影響を解明することを目的に研究を行いました。その結果、シカが高密度化することに伴って、土壌物理・化学性や植物の窒素含有量に様々な変化が生じていること、更にはそうした変化の程度がシカの地域利用性や植生タイプによって異なることが示唆されました。

金子 命(みこと)助手のコメント

受賞についてはいまだに実感が湧きませんが、私たちの研究が評価され、このような賞をいただけたことを光栄に思います。 本研究の着手にあたって、ご協力いただいた皆さまに深く感謝いたします。 シカの個体数密度増加が、生態系地上部に大きな影響を及ぼすことを指摘した研究は多くありますが、一方で、人の目に見えない生態系地下部への影響を議論した研究は国内外でもまだまだ少ないのが現状です。 本論文では、長年シカの個体数が正確にモニタリングされてきた洞爺湖中島において、シカの高密度化が土壌環境やそこに生育する植物の栄養状態に及ぼす影響の評価を行いました。これらの知見が、国内におけるシカの密度管理などの分野で、少しでも役に立つことが出来ればとても嬉しく思います。またそのために、今後も洞爺湖中島における同様のモニタリング調査を継続しながら、研究に励んでいきたいと強く感じております。

洞爺湖中島にて土壌採取を行っている金子命助手


<関連リンク> ◆森林立地学会 https://shinrin-ritchi.jp/