ロシアのウクライナ侵攻の中止、停戦の合意、両国の平和を求める声明(酪農学園大学キリスト教委員会)

Date:2022.03.11

ロシアのウクライナ侵攻の中止、停戦の合意、両国の平和を求める声明  2022年3月2日に酪農学園大学学長と付属とわの森三愛高等学校校長の連名で「ロシアのウクライナ侵攻の中止、両国の平和を求める」声明が出されました。酪農学園が表明した平和を願う想いに寄り添い、酪農学園大学キリスト教委員会として、ウクライナの人々の平和を願い、以下の声明を出します。  2022年2月24日にロシアがウクライナに軍事侵攻を開始し、現在まで民間人をも含む多数の死傷者が出ています。今回の侵攻は直接的には2014年から続くウクライナ東部の親ロシア派との紛争であるドンバス戦争の停戦を目的とする「ミンスク合意」(2015年2月11日)をロシア側が一方的に破棄して起きたものですが、その背後にはベラルーシ、カザフスタン、ウクライナの核兵器放棄を条件として、アメリカ、イギリス、ロシアがこれらの三国の独立と主権を尊重し、武力行使と核兵器の使用を控えることなどを定めた「ブタペスト覚書」(1994年12月5日)がロシアによって反故にされてきた歴史があります。  そして、「ブタペスト覚書」の反故と呼応するように、ロシアのプーチン大統領は核兵器の使用を示唆するだけではなく、ウクライナ国内の原発や核研究施設にも侵略の手を延ばしており、この戦争によって生命と平和が失われていることに加えて、核の脅威も現実味を帯びてきています。  酪農学園大学はキリスト教に基づく「三愛主義」(神を愛し、人を愛し、土を愛す)を建学の精神としており、平和教育を実践し、動植物をも含めた生命の尊厳と自然との共生を希求してきました。このような大学の歩みに照らすとき、ロシアによるウクライナ侵攻は、戦争によって生命と平和が失われ、核の脅威によって自然が汚染されかねない事態に至っており、決して見過ごしにできるものではありません。そして、この想いは、唯一の被爆国であり、福島第一原子力発電所の事故があった日本に暮らす者として、強まりこそすれ、弱まることはなく、深い憂慮を表明せざるを得ません。  新型コロナウイルスのパンデミックに苦しむ世界において、今ほど対立ではなく協調が必要とされる時代はありません。ロシアのウクライナ侵攻の中止と平和を求める両国の市民と国際社会の声が届き、ウクライナとロシアの停戦協議が人道回廊の設置のための停戦から全面的な停戦に至り、生命と平和の大切さに立ち返る一縷の希望となることを願いつつ、ロシアのウクライナ侵攻の中止、停戦の合意、そして両国の平和を祈り求めます。  

2022年3月10日 酪農学園大学キリスト教委員会



【参考】関連ページ ◇酪農学園大学キリスト教教育 https://rakuno-ce.org/archives/1563.html