本学学生が日本食品科学工学会北海道支部大会で最優秀講演賞を受賞

Date:2023.03.08

NEWS NO.67(2022年度)
本学学生が日本食品科学工学会北海道支部大会で最優秀講演賞を受賞

3月5日に札幌市産業振興センターで開催された、令和5(2023)年度(公社)日本食品科学工学会 北海道支部大会において、酪農学研究科大学院修士課程1年の兼子ささらさん(指導教員:金田勇教授 食品物性学研究室)が最優秀講演賞を受賞しました。
授賞式はホテルエミシア札幌に会場を移し、本学会の舩津保浩北海道支部長(酪農学園大学)より賞状が授与されました。

学術交流会(懇親会)にて授賞式

舩津北海道支部長より賞状を授与された兼子さん


優秀発表賞

酪農学研究科大学院修士課程1年 兼子 ささらさん(新川高校出身

【講演題目】
「キウイ果汁の凝乳活性とモデルチーズの調製」
●兼子ささら、栃原孝志、岩崎智仁、川端庸平、金田勇


【研究概要】
本研究は本学の食品物性学研究室と乳製品製造学研究室が共同で進めている研究テーマで、植物由来プロテアーゼを凝乳剤として利用してチーズを製造するという研究です。
近年ではチーズの消費量は増加していますが、生産性の低さや動物愛護などの影響からチーズ製造に使われる凝乳酵素であるレンネットの供給量は減少し価格も高騰しています。
そのため、代替酵素として植物性プロテアーゼを用いたチーズ製造が注目されています。
しかし実際にチーズを調整し評価している研究はありません。そこで植物性プロデアーゼの凝乳活性を評価し、そのデータを用いてチーズを調製し破断強度の測定を行っています。
卒論テーマとして取り組みはじめた当初、北海道の野山で採取されるサルナシ(コクワ)の果汁に凝乳活性があることを見出しました。その後、市中に流通していて入手が容易なサルナシの近縁種の『キウイ』にも同様の活性があることを見出し、その凝乳活性の濃度依存性などを系統的に調べてきました。最近ではキウイ果汁を用いた熟成型チーズの製造にも成功しこれまでにない食感・風味の熟成型チーズの製造、製品化が期待されています。

【実験の様子】

チーズ製造している兼子さん(右)

キウイとレンネットで凝固させたチーズ


チーズ皮革(熟成)

チーズの物性値(食感)測定


【受賞コメント】
この大学を選んだのは、食全般に関わりたいという希望とその環境が整っていると思ったからです。
大学の研究活動では「誰よりも上手な研究発表をすること」を大切に努力してきました。
まだ至らないところはたくさんありますが、今回賞をいただけたことは素直にうれしく、私にとって大きな自信になりました
そして、こんな面白い研究に出会わせてくれた金田先生には本当に感謝しています。
「学会で賞をとろう」と金田先生が私に言ってくれたとき、私なんかが選ばれるわけがない、励ましてくれているだけだと思っていました。
しかしそれが現実になり、先生は私も知らなかった力を引き出してくださいました。
今後は6月にある学会に向け、もっと成長をしていきたいと考えております。