2023年度春期キリスト教教育強調週間を実施

Date:2023.05.25

NEWS NO.7(2023年度)

2023年度春期キリスト教教育強調週間を実施

2023年度春期キリスト教教育強調週間の学校礼拝が5月23日、黒澤記念講堂にて行われました。今回、日本ハリストス正教会札幌ハリストス正教会司祭のエフレム後藤悠太氏をお招きしました。

司式:小林昭博宗教主任


小林昭博宗教主任は、「2022年2月24日に開始したロシアのウクライナ侵攻が長期化し、多くの生命が失われ、甚大な被害が生じています。この間わたしたちは今まであまり接したことのないウクライナとロシアを中心とする東欧世界の情報に触れる機会が増えましたが、改めて正確な知見を持っていないことに気づかされたのではないでしょうか。この関係において、プロテスタント(西方教会)のキリスト教主義に立脚する酪農学園大学では、ロシア正教会やウクライナ正教会が属する正教会(東方教会)についてもほとんど何も知らないことにも気づかされました。そこで、今回の強調週間ではエフレム後藤先生より、東欧世界の歴史と文化の中心である正教会(東方教会)の歴史、文化、儀礼、教理、イコン(聖像)などに触れることを通して、ロシア正教会とウクライナ正教会そしてロシアとウクライナの両国の平和について祈りを合わせ、本学のロシアとウクライナの平和を願う活動を継続していく機会にしたいと願っています」と、今回の計画について説明しました。

讃美指導:相原晴伴教授(循環農学類)

前  奏  神をほめまつらん、祝しまつらん(J.C.バッハ作曲) 奏 楽:佐藤理恵(野幌教会会員)
讃美歌  讃美歌21 412番(昔 主イエスの) 讃美指導:相原晴伴教授(循環農学類)
聖  書  ガラテヤの信徒への手紙3章26−29節
祈  り                        (司式者)
奨  励  「平和の霊を獲得する」 エフレム後藤悠太司祭
祈り               (札幌ハリストス正教会司祭)
讃美歌  讃美歌21 560番(主イエスにおいては)
報  告
後  奏  来ませ聖霊、主なる神(パッヘルベル作曲)

 


【本日の聖書】ガラテヤの信徒への手紙3章26−29節
26あなたがたは皆、信仰により、キリスト・イエスに結ばれて神の子なのです。27洗礼を受けてキリストに結ばれたあなたがたは皆、キリストを着ているからです。28そこではもはや、ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由な身分の者もなく、男も女もありません。あなたがたは皆、キリスト・イエスにおいて一つだからです。29あなたがたは、もしキリストのものだとするなら、とりもなおさず、アブラハムの子孫であり、約束による相続人です。


【奨励】「平和の霊を獲得する」
「正教会」という言葉そのものが皆さんにとって馴染みの薄いものなのではないかと思います。人となった神であるイエス・キリストは自ら十字架にかかり死なれ、そして3日目に復活しました。キリストの弟子たちはこの復活を目撃し、本当にイエスが復活したことを信じ、そして自分達自身がこの「よみがえりのいのち」を生き始めました。古い自分は死に、新たな「いのち」を生き始めたのです。正教会とは何なのかと問われれば、正教会とはまず、この輝かしい「いのち」そのものです。聖書も、教義も、複雑な礼拝や祈祷文も、イコン(聖像)もこの「いのち」の現れであり、輝かしい喜びの溢れに他なりません。私たち正教徒は教会において「よみがえりのいのち」を体験します。


エフレム後藤氏は、現在のロシアのウクライナ侵攻に関しては、日本ハリストス正教会が平和を願う声明を出していることの延長線上に、平和を求める熱い気持ちを率直に語りました。特に、ロシアを単に批判するだけではなく、自分のなかにある平和に反する部分を省察し、さらにロシアとウクライナの対立が象徴するように、正教会が国や民族単位に分立している現状に対して、ガラテヤ書3章28節の「ユダヤ人もギリシア人もなく」というパウロの言葉を引用し、札幌ハリストス正教会にロシアとウクライの人たちが集っている現実をも踏まえつつ、正教会がその地域の全ての人たちの一致と平和を求めるという本来の姿に立ち帰ることの大切さを強調しました。


【講師紹介】エフレム後藤悠太(えふれむ・ごとう・ゆうた)氏
1978年旭川市生まれ。2001年東京芸術大学音楽学部楽理科卒業。北海道の高校で音楽教諭になって音楽を教える。大学時代からよく聴いていたエストニアの正教徒である作曲家のアルヴォ・ベルトの音楽をきっかけとして、正教会に通うようになり受洗。2012年東京正教神学院卒業。日本ハリストス正教会神戸ハリストス正教会に伝教者として赴任。2013年11月輔祭叙聖。2014年2月司祭叙聖。2019年日本ハリストス正教会札幌ハリストス正教会司祭着任。



【関連リンク】

2023.05.23「2023年度春期キリスト教教育強調週間」
https://rakuno-ce.org/archives/1931.html