ワークショップ[北海道における捕獲された野生動物を用いた屠体給餌の可能性]のお知らせ

Date:2023.06.07

本学と、札幌市円山動物園、日本大学、Wild meǽt Zooが主催となる、ワークショップ[北海道における捕獲された野生動物を用いた屠体給餌の可能性]が、札幌市円山動物園科学館ホールにて2023年6月25日(日)13:00から開催されます。
当日は環境共生学類の遠井朗子教授(環境法研究室)がワークショップの趣旨説明と司会を担当します。

 

開催情報

日時:2023年6月25日(日)13:00~16:00
場所:札幌円山動物園・科学館ホール
※11:00~/11:30~アムールトラ、ハイエナへの屠体給餌を実施します。
・屠体給餌の見学については、開始時間に各動物の飼育場所へ直接おいで下さい。
 飼育場所は園内マップでご確認下さい(https://www.city.sapporo.jp/zoo/b_f/documents/map.pdf
・事前申込みは不要です。直接、会場へお越しください(動物園への入園料は必要です)。
・オンライン視聴(ライブ)も可能です。
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCBash6sQRx12x_2El-sdP4Q
・録画は後日、動物園のホームページに掲載します。

当日のプログラム

13:00~13:05 挨拶;柴田千賀子氏(円山動物園 園長)
13:05~13:10 趣旨説明:遠井朗子(酪農学園大学環境共生学類環境法研究室)
13:10~13:35 報告①:細谷忠嗣氏(日本大学生物資源科学部/ Wild meǽt Zoo)
           「捕獲個体を用いた屠体給餌:地域における獣害問題と動物園の動物福祉をつなぐ取り組み」
13:35~14:00 報告②:伴和幸氏(豊橋総合動植物公園/ Wild meǽt Zoo)
           「捕獲個体を用いた屠体給餌の成果と課題 ~動物園の現場から~」
 休憩 10分

14:10~14:30 報告③:坪松耕太氏(札幌市円山動物園)
           「円山動物園での動物福祉向上へ向けた取組み」
14:30~14:40 報告④:坂村武氏(北海道野生動物対策課) 
           「エゾシカの現状と対策」
14:40~15:00 報告⑤:石崎英治氏(㈱北海道食美樂)
           「道内のエゾシカ処理施設が考える屠体給餌の可能性と課題について」
 休憩 10分

15:10~15;25 コメント:切石亮太氏(北洋銀行ソリューション部)
           「サスティナブル経営の実現へ向けて」
15:25~15:55 パネルディスカッション・質疑応答
        細谷忠嗣氏/伴和幸氏/ 坂村武氏/坪松耕太氏/石崎英治氏/切石亮太氏/小菅正夫氏

15:55~16:00 総括:小菅正夫氏(札幌市環境局参与)

ワークショップ開催趣旨

 近年、獣害管理のために捕獲された野生動物の屠体の有効活用と、動物園で飼育されている動物の動物福祉の向上という二つの課題をつなぐ新たな教育啓発プログラムとして、捕獲された野生動物を用いた屠体給餌への関心が高まっています。屠体給餌とは、屠殺した大型動物を毛皮や骨などが付いた状態で動物園の飼育動物に与える給餌方法を指し、日本では、2017年、大牟田市動物園で捕獲された野生動物を用いた屠体給餌が実施された後、全国の動物園で試行的取組みが行われ、愛知県豊橋総合動植物公園では、屠体給餌を定期的に実施する体制を確立しています。屠体給餌の取組みが広がる中で、飼育動物の健康や行動に対する積極的な効果の検証も進められています。
 北海道においても、農作物被害の防止等を目的としたエゾシカの捕獲数が増加し、捕殺されたエゾシカの有効活用が課題となっています。一方、札幌市は2021年、動物園条例を施行し、飼育動物の環境エンリッチメントの充実を動物園の重要な役割と位置づけて、屠体給餌の試行的な取組みを始めていますが、道内ではエゾシカの捕獲個体を適切に処理し、動物園へ供給する体制は確立されていません。
 そこで、本ワークショップでは、捕獲された野生動物を用いた屠体給餌を導入し、推進してきたWild meǽt Zoo関係者にこの取組みの意義と成果についてお話を伺うと共に、円山動物園を始めとして、北海道内の動物園において、エゾシカの捕獲個体を用いた屠体給餌を実施する意義と、その実現のための課題を検討します。

 

※本ワークショップは2023年度北海道新聞野生生物基金の助成及び令和5年度農林水産省鳥獣被害対策基盤支援事業(と体給餌利用促進事業)の補助を得て実施します。