マッピングから見えてきた農福連携シンポジウムを本学で開催

Date:2023.11.07

NEWS NO.47(2023年度)

マッピングから見えてきた農福連携シンポジウムを本学で開催

農福連携の発展可視化と方向性解明に関する研究チームが主催する「農福連携シンポジウム」~マッピングから見えてきた日本の農福連携~が10月24日に、本学中央館学生ホールで開催され、オンラインと対面を合わせて約120名が参加しました。
近年、農業側と福祉側が連携して農業で障がい者の就労の場や居場所を確保することを目的とした『農福連携』の取り組みが増加し、注目を集めています。しかしながら、依然として取り組みが遅れている地域もあり、その理由については十分には解明されていません。
そのため、本チームでは、農福連携の発展過程について地理的情報を用いて分析する手法を開発し、農福連携の取り組み実績や効果を可視化し、地域農業の特徴や関係する取り組みの立地状況などに応じた農福連携の進め方を解明することを目的として、2022年から研究を行ってきました。
シンポジウムは2部構成で、1部は「これまで作成された地図情報に基づく報告と意見交換会」、2部は「北海道における農福連携の展開方向について」全国各地の研究担当者が中間の成果について報告し、議論しました。

循環農学類 作物学研究室 義平 大樹 教授
日本全国で農福連携が行われているが、地域によって差があります。農業側と福祉側を仲介する事業所をマッピングで可視化する取り組みを進めています。酪農は、最も機械化が進んだ農業形態の一つのために、北海道においては農福連携の事例は今まで少なかったのですが、標津町では、JA標津が仲介して2年前より中標津町の福祉事業所に所属している障害者を子牛の寝床の清掃、哺乳、エサやりに活用しています。また、総頭数2500頭を超える釧路市のメガファーム(釧路仁成ファーム)でも6年前くらいから、ファーム内に福祉事業所を立ち上げ、ミルキングパーラーの清掃、搾乳、子牛の哺乳におこなっています。さらに、北見紋別でも酪農における農福連携を実施できないか、関係者で協議を進めています。 今年2023年より、道庁主催で、農福連携の専門人材を育成する『農福連携技術支援者育成研修』が初めて開催されました。この研修を通して、農業と福祉に関する実務的な知識や技術を習得することができます。さらに、道庁ではこの認定された農福連携技術支援者を農業現場へ派遣することを検討しています。この農業版ジョブコーチとも言える農福連携技術支援者には、研修で習得した知識や技術を生かして、農福連携現場での課題解決に取り組み、各地の農福連携の取組をさらに活性化させることを期待しております。

【関連リンク】
◆農福連携に関わる人材育成のための研修
 https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/noufuku/seminars.html
◆北海道初開催!令和5年度 農福連携技術支援者育成研修を開催しました!
 https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/kei/152172.html
◆2023.10.31【北海道新聞】農福連携の事例紹介 酪農大でシンポ
 https://www.rakuno.ac.jp/archives/30110.html 
◆2023.10.31【日本農業新聞】農福連携マッピングで解析 酪農学園大学でシンポ ジウム