本学大学院獣医学研究科2年の今泉法子さんが第166回日本獣医学会学術集会で優秀発表賞を受賞しました。

Date:2024.01.15

NEWS No.78(2023年度)
本学大学院獣医学研究科博士課程2年の今泉法子さんが第166回日本獣医学会学術集会で優秀発表賞を受賞しました。

<受賞演題>

「マイコプラズマ性乳房炎におけるウシ乳腺上皮細胞とウシ単核球の相互作用」

<研究概要>

乳房炎は泌乳牛において最も発生の多い疾患で、酪農産業に多大な経済的損失を招きます。ウシのマイコプラズマ性乳房炎は、ウシの乳房において激しい炎症を示しますが、マイコプラズマに対するウシの免疫応答は未だ解明されていません。
本研究は、ウシの乳房炎の初期に重要な役割を担っている単核球(リンパ球やマクロファージなどの免疫に特化した細胞)とウシ乳腺上皮細胞(牛乳を作ると同時に免疫応答も担う細胞)の相互作用がマイコプラズマ性乳房炎の発症個体でみられる高度な炎症に寄与する可能性を示しました。

<受賞コメント>

獣医学会学術集会では獣医学領域の幅広い研究が発表されており、微生物の研究分野でこのような賞を受賞でき、大変光栄に思います。
樋口教授と権平准教授のご指導を始め、採材にご協力いただいた動物繁殖学ユニットの杉浦先生、日々の研究活動で支えてくださっている獣医衛生学ユニットの皆様に心より感謝申し上げます。
今後も現場を意識し、マイコプラズマ感染症の制御に寄与する研究を展開していきたいと考えております。

<担当教員からのコメント>

樋口教授:マイコプラズマ性乳房炎をin vitroで再現するために、まず評価系を構築し、次に課題に対峙した研究でした。マイコプラズマ性乳房炎の病態解明に向けた最初のステップとして、今後2年間の成果を期待しています。
権平准教授:おめでとうございます。日々の努力が報われて本人もほっとしていると思います。