2025年度 入学式 学長式辞

Date:2025.04.08

 本日、農食環境学群416名、獣医学群219名、大学合計635名、酪農学研究科30名、獣医学研究科4名、大学院合計34名、計669名、皆さん、ご入学おめでとうございます。
 晴れて今日の日を迎えられたことに、酪農学園大学教職員を代表して、心よりお祝い申し上げます。また、今日まで皆さんの学業を支えてこられた保護者の皆様、ご家族はじめ関係の皆様のご苦労に対し、敬意と感謝の意を表します。
 さて、皆さん、あらためまして酪農学園大学へようこそ!私も本学の卒業生です、1990年に入学しました。よって、皆さんとは同窓生、皆さんは私の後輩となります。皆さんは、色々な思いで、酪農学園大学に入学し、今、ここにいるかと思います。ある方は、この大学でしかできない学びを通して、自分の人生を切り拓こうと希望に満ちていることでしょう。また、ある方は、多くの他大学を受験した中から、この大学に進学することになった方もいるでしょう。また、遠く離れた北海道にやってきて1人暮らしの生活、勉学、友人のいない中で、不安でいっぱいの方もいるでしょう。
 皆さん、何も心配いりません。
 周囲には共に学ぶ仲間がたくさんいます。みんなが希望と不安を抱えていますが、ここで肩を寄せ合い、それぞれの未来を築いていきましょう。教職員一同、皆さんの支えになります。困ったことや悩み事があれば、まずは相談してください。一緒に解決していきましょう。
 人生は、五教科の偏差値で決まるものではありません。大学時代にいかに自分の人生を切り拓くための道筋を見出すか、それが重要です。今、それが見えてなくても全く問題ありません。この大学で、多くのことに挑戦し、失敗し、そして成功する。このような色々な経験を積むこと、その経験全てが、必ず皆さんの次の人生の糧となります。本学で精一杯、多くの挑戦をして欲しいと願っています。
 これから各学類の皆さんに期待することを述べたいと思います。循環農学類、食と健康学類の皆さん、農業、酪農、そして食、これは国の根幹をなすものです。世界的には人口増、そして日本では急激な人口減、経済的な国力の低下などが懸念されています。今、農業、食という産業が、ある意味では日本では軽んじられる傾向があるかと思いますが、今後は、とても大きな問題となってくるはずです。新しい農業、酪農、そして食産業、厳しい日本の人口減の中でこそ、新たな価値を生み出せる可能性があります。そしてそのことは、環境の問題と密接に関わっています。
 皆さんワンワールドワンヘルスという概念をご存知でしょうか?これは、環境、人、生物など、どれも密接に絡み合って地球上に存在しており、それら全てが健康な状態であってこそ、人の幸せもあります。
 環境共生学類の皆さん、このワンワールドワンヘルスという広い視野で未来を切り拓いてください。
 獣医学類の皆さん、皆さんは「動物」の健康を守ることはもちろん、それらを通して人の福祉・人の幸せにも貢献するという崇高な職域に身を置くことになります。六年後の獣医師国家試験、そのための日々の努力は、これまでの受験勉強以上にかなり厳しいものであることも肝に銘じておいてください。大学入学がゴールではないこと、そして獣医師国家試験合格もゴールではありません。ですが、まずは必ずこの国家試験を合格して、その後さらに大きな世界で活躍してください。
 獣医保健看護学類の皆さん、本学では、獣医学類と同じカリキュラムで学ぶ科目があります。それは、獣医療の現場で獣医師と同様に、場合によっては獣医師に適切に意見が述べることができる動物看護師として成長して欲しいと期待しているからです。まだ、国家資格として始まったばかりですが、皆さんが動物看護師のステータスをさらに高めていただけることを期待しています。
 最後に、皆さんにお伝えしたいことがあります。
 本学の教育の根幹である三愛主義、その中の一つ、人を愛するということです。この場合の愛とは、恋愛感情の愛だけではなく、自分を含めた全ての人を受け入れる、そういう意味です。
 世界中で多くの紛争が絶え間なく続いている今日、我々は、人を愛し、そして受け入れる、そういう視点を改めて大事にしなくてはならないと思います。それは、我々の日常においても、多くの人間関係の中で悩み、疲労困憊することもあるでしょう。そういった時に、相手を、そして自分を受け入れることができれば、状況は大きく改善できることと思います。
 難しいことだと思いますが、ぜひ、自他共に受け入れて、何より自分のことも大事にしてください。
 本日、ご出席いただきました、保護者の皆様、ご家族はじめ関係の皆様におかれましては、本日のご入学、誠におめでとうございます。
お子様が人生を独立して歩む前の貴重な時間を本学に託していただくことに対し、感謝いたします。これから長きにわたり酪農学園大学で多くの学びを得て、お子様が成長できるよう教職員一同、全力を尽くして参ります。
どうか皆様も陰ながら見守りつつ、お子様を支えてください。

 最後になりますが、皆さんの学生生活が、それぞれの想いに叶ったものとなることを祈念し、式辞といたします。
 本日は、ご入学おめでとうございます。



 

2025年4月7日
酪農学園大学  
学長 岩野 英知