酪農学園大学と別海町による包括連携協定を締結
Date:2025.09.02
NEWS No.46(2025年度)
酪農学園大学と別海町による包括連携協定を締結
2025年8月29日(金)、酪農学園大学と別海町による包括連携協定式が執り行われました。
本学と別海町は、研究調査や農業関係団体等向け研修会への講師派遣を通じて協力関係を築いてきました。これらの活動をさらに深めていくだけでなく、活動領域を広げ多様な地域課題の解決などへも取り組むべく、この度、包括連携協定締結に至りました。
主軸となる4つの連携協力
1 地域課題の明確化とその解決に関すること
農村地帯の人口減少問題や産業に関する問題に関して連携して解決していく
2 教育・研究に関すること
本学の教育のフィールドとして乳牛10万頭を保有している別海町でデータをとらせていただき、別海町の抱えている問題を共に解決していく
3 相互の人的支援、人材育成に関すること
相互での教職員の派遣により、勉強の機会を作る
4 その他目的達成のために必要な事項に関すること
相互での教職員の派遣により、勉強の機会を作る
協定の締結は岩野学長と曽根別海町長の署名取り交わしにより行われました。
岩野英知 学長
このたび、別海町と包括連携協定を締結できますことを大変光栄に存じております。 別海町は広大な土地と豊かな自然に恵まれ、日本の食料供給を支える重要な酪農地域です。 この地で酪農を学び、研究することは、 本学が掲げる健土健民を体現する上で欠かせません。 今回の協定締結は、本学が長年にわたり培ってきた酪農・食品・環境・獣医学の専門的な知見と別海町が持つ地域の活力を結びつけるものです。 本学の学生が別海町の現場で学び、 実践的な経験を積む機会を創出するとともに、地域の課題解決に貢献できることを期待しています。 現在18歳人口が減少している中で、 北海道という地域にあるこの酪農学園大学も、そして北海道の主要な産業を担っている別海町も、今後の人材育成、そして地域をどう支えていくかという共通の課題を持っております。手を取り合って課題を解決し、地域を支える人材をともに育成していきたいと考えております。 今後は酪農業の振興、地域活性化、教育、人材育成など幅広い分野での連携を深めてまいります。これまでも実施してきました、教員による専門的な助言、 地域活性化に向けた共同研究。また、学生による酪農現場での実習・研究を通じて実践的な学びを深めるとともに、地域の活性化につながっていくことを考えております。別海町の皆様、そして関係各位のご期待に応えられるよう、本学教職員一同全力で連携を推進してまいります。本日の協定締結が、両者にとって実りある未来を築く第一歩となることを心より願っております。 本日は誠にありがとうございました。
曽根興三 別海町長
本日の締結式ありがとうございます。昔から別海町は、酪農が主産業である町でございまして、御校との繋がりが非常に深く、 別海町の酪農家の中にも、御校の卒業生OBが大変たくさんおられます。また家畜をしっかり守っていただいている獣医さんにも、御校出身の方々が大変たくさんおられます。別海町はそういった意味で、酪農学園大学に支えられてこそ、今日の酪農の町である別海町を築くことができた、と私は考えております。酪農は日々変化が起こり、 いつまでも古い技術では経営が成り立っていかない現状です。日々新たな研究をし、取り組みを行い、時代に即した経営をしていかなければならない状況です。 一例は一昨年ありました生産調整では生産と消費がマッチしない状況も起きていますし、粗飼料を輸入飼料に依存してきたことで、様々な事情による単価の高騰で多大な影響を受けるなど、今後の酪農経営にとって大きな課題になっております。
別海町は全国一の農地面積6万3千ヘクタールを有しており、その大半が粗飼料地帯です。別海町は農業者が600戸程度で、その内99%が酪農畜産を行っており、50万トンもの生乳生産が可能な町です。今後もこの生産基盤を維持するためには、生産量が多い大規模経営だけでなく、大中小規模すべての経営を守っていく必要があると考えているところです。日々様々な変化が生じていく中で、酪農学園大学が持っている技術情報、これらをしっかりと別海町の経営者の皆さんに教えていただくことでその能力を十分発揮でき、そして土地の条件を有効に使えるような酪農にしていきたいと考え、今回の包括連携協定締結をさせていただくことになりました。これからも 日本の食料はしっかりと国産の食料で自給していくこと、これは日本国民にとっても大変大切な意味合いを持っております。
今日の協定締結を今後の別海町の酪農に活かしていき、そして日本の食料自給のためにも活かしていきたい、進めていきたい、と思っております。感謝を申し上げましてご挨拶とさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
取材に集まった各社記者からの質疑応答を行い締結式は終了しました。
今後も地域振興や教育・研究の推進に向けて相互に連携してまいります。
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