新規開発商品発表会で本学学生がプレゼン「羅臼町朝倉商店」✕「酪農大」共同開発のホタテ節が商品化へ

Date:2019.03.06

NEWS NO.108(2018年度)

新規開発商品発表会で本学学生がプレゼン

『羅臼 朝倉商店』✕『酪農大』共同開発の「ホタテ節」が商品化へ

ノーステック財団&食クラスター連携協議体「平成30年度新規開発商品発表会」が2月26日、ホテル札幌ガーデンパレスで行われました。11団体が商品発表し、関係者やバイヤーなど約120名が参加しました。

約120名が参加

会場中央に並ぶ試食品

STVとNHKのニュースで放送

 

 

 

 

 

 

本学からは、食と健康学類食品企画開発研究室(阿部茂教授)4年の青山沙生さんと羅臼町で水産加工業を営む(株)のりとも朝倉商店の朝倉奉文代表取締役社長が、これから販売開始となる「ホタテ節」の3分間PRを行いました。

朝倉さんから経緯紹介

青山さんが研究成果を説明

旨み成分が多く、濃いダシが出る



食と健康学類

食品企画開発研究室

阿部 茂教授

同研究室では主に、未利用資源などを活用した「問題解決型」の研究と企業が開発した機械を使った「市場創造型」研究の2つを行っています。今回発表したホタテ節は、「問題解決型」の研究になります。

ホタテ貝は、北海道で最も漁獲量が多い水産物です。ところが、ホタテ貝の生殖巣(卵巣や精生巣)、外套膜(ヒモ)、中腸腺(ウロ)、エラなど貝柱以外の大部分が廃棄されていて、廃棄に掛かる費用が深刻な問題となっています。そこで、サケ節の開発から親交を深めていた朝倉さんから相談を受け、2015年頃からホタテ節開発プロジェクトがはじまりました。
今回、このような本格的な場での新規商品発表の機会は学生にとっても良い経験になったと思います。
ホタテ節の原材料は野付産のホタテの卵巣です。小売り希望価格は1kg/6,000円とホタテ白干し(貝柱)に比較すると半分以下の値段で手に入ります。賞味期限は1年間。今後、ホタテ節は業務用としてラーメンのスープやふりかけなどにして使われるのではないかと期待しています。



(株)のりとも朝倉商店(羅臼町)

代表取締役社長 朝倉 奉文氏

秋サケの不漁からホタテ貝が主力商品代わり、加工場では生殖巣などの廃棄に掛かる費用が1日あたり5~6万円を超えることもあり、頭を悩ませていました。

阿部教授は前職の食加研(北海道立総合研究機構 食品加工研究センター)時代からの開発研究パートナー。その信頼もあり、今度はホタテ節の開発を相談しました。

青山さんには何度かうちの加工場に足を運んでもらい試作を繰り返しました。最初はおいしくありませんでしたが、今ではここまでおいしくなりました。まだ完成品ではありませんが、やっと販売する準備段階に入ったところ、これからが楽しみです。


食と健康学類4年

青山 沙生さん

私は主に食品の成分分析と製造工程の設計を担当しました。ホタテの卵巣を単にボイルするだけでは味は出ません。いかにしてうまみ成分を引き出し、濃いダシが出るように工程を考えるのが私の仕事です。最初は味が無くておいしくなかったのですが、羅臼の加工場まで足を運ぶ度においしくなっていきました。やはり現地の新鮮な卵巣だったから、おいしくできる手法が考えられたのだと思います。現場を知り、実際に製造に関わるとホタテ節への愛着が湧きます。相手と直接話し合うことで互いの熱量が伝わり、良い商品が出来上がっていくのだと実感しました。

このプロジェクトがやりたくてゼミを選んだので、商品化されるところまで実現できてうれしい気持ちでいっぱいです。この春に卒業しますが、ホタテ節のことは今後も注目していきたいと思います。


会場中央には新作商品の試食が並び、ホタテ節はダシ汁にして出品されました。参加者は各商品発表を聴きながら試食・試飲し、質疑応答の際に商品の講評を述べました。

発表前に試食品を席に運ぶ

> パッケージも完成

ホタテ節のダシ汁

 
 
 
 
 
 
 
 

ホタテ節の講評に、ホテル札幌ガーデンパレス和食料理の岡田真也チーフは「濃厚なホタテの風味がラーメンのスープやあんかけ焼きそばにも合いそう」だと感想を述べました。

ほかにも、まだ完成品ではないものの、北海道を全面に出せる注目の商品となる可能性があると期待の声が上がりました。

ホタテ節の講評・岡田和食料理チーフ

ホタテ節に関する質疑応答

司会進行・ノーステック財団水沼部長


食クラスター連携協議体

○ 北海道経済連合会
 ○ JA北海道中央会
 ○ 北海道経済産業局
 ○ 北海道農政事務所
 ○ 北海道
 ○ 北海道立総合研究機構
 ○ 北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)
 ○ 北海道中小企業総合支援センター
 ○ 中小企業基盤整備機構北海道本部
 ○ 北海道貿易物産振興会
 ○ 北海道食産業総合振興機構(フード特区機構)
 ○ はまなす財団
 ○ 北海道開発局
 ○ 日本政策金融公庫
 ○ ホクレン農業協同組合