秋期キリスト教教育強調週間特別礼拝を開催

Date:2018.11.02

NEWS NO.64(2018年度)

秋期キリスト教教育強調週間特別礼拝を開催

10月30日、黒澤記念講堂において、秋期キリスト教教育強調週間特別礼拝が、新免 貢氏(宮城学院女子大学一般教育学部教授、宗教センター長、全国大学チャプレン会会長)をお招きし守られました。

礼拝は小林昭博宗教主任の司式により進められ、前奏「すべてのものよ、いざ感謝し ほめ讃えよ」(ペティト作曲)、讃美歌354番(かいぬしわが主よ)、聖書「ヨハネの黙示録22章1-5節」朗読、祈祷の後、新免氏が紹介されました。 新免氏は「生きていたのだという証明書」をテーマに、発達障害について講演しました。

小林宗教主任

【酪農学園大学キリスト教委員会より】

新免先⽣は「発達」という狭い枠の中に⼈間を閉じ込めることに無理があると指摘しています。「発達」はあくまでも「結果」であって「⽬的」ではないからというのがそ の理由です。さらに、「発達」が今を超えて⼒を伸ばすイメージである限り、「発達」という「⽬標」に到達する⼈間と到達しない⼈間とに⼈間存在が分断され、そこに差別 が⽣まれ、「発達障害」を排除する社会が作られ続けている現状を危惧しています。 新免先⽣の指摘と危惧は、社会全体に関わることですが、ことに教育界にとって率先して取り組む必要のある課題であり、⼤学にとっても避けて通ることのできない課題で す。今回の特別礼拝では、「発達した⼈間」と「発達しなかった⼈間」とに⼈間存在が分断されている現状を省察し、⽴ち⽌まって、⼈間を「発達」ではなく「存在」として⼤切する道を探り、相互理解が⽣まれる新たな未来を創り出していく機会になればと願っています。

新免氏

【講師紹介】 新免 貢(しんめん・みつぐ) 1953年沖縄県生まれ。関西学院大学大学院神学研究科修了。米国太平洋神学校留学。現在宮城学院女子大学一般教育学部教授、宗教センター長、全国大学チャプレン会会長。専門は新約聖書学・グノーシス研究(古代コプト語ナグ・ハマディ文書)。   【著書】 『この男は罪びとたちを迎えて一緒に食事をしている』(共著、関西神学塾)、『滅亡の予感と虚無をいかに生きるのか――聖書に問う』(共著、新教出版社)、訳書にR・ハイリゲンタール『イエスの実像を求めて』(教文館)、D・ガスリ『ガラテヤの信徒への手紙』(日本キリスト教団出版局)、K・L・キング『マグダラのマリアによる福音書』(共訳、河出書房新社)、E・ペイゲルス、K・L・キング『ユダ福音書』の謎を解く』(共訳、河出書房新社)ほか多数。また、これ以外にも論文等多数。