本学 獣医学研究科 1年 橋本茉由子さんが平成31年度日本学術振興会 特別研究員(DC1)に採用内定

Date:2018.11.22

NEWS NO.71(2018年度)

本学 獣医学研究科 1年 橋本茉由子さんが平成31年度日本学術振興会 特別研究員(DC1)に採用内定

平成31年度の日本学術振興会特別研究員の採用内定者が発表され、本学獣医学研究科1年橋本茉由子さん(指導教員 獣医生理学ユニット 北村浩教授)が特別研究員(DC1)に採用されることが内定しました。本学大学院からの特別研究員(DC)の採用は、20年ぶりの快挙になります。

 

日本学術振興会の「特別研究員」制度は優れた若手研究者に、その研究生活の初期において、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与えることにより、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的として、大学院博士課程在学者及び大学院博士課程修了者等で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」として採用する制度です。
採用者には①生活費相当の「研究奨励金」と②研究費として科学研究費助成事業「特別研究員奨励費」が交付されます。

橋本さんは、特別研究員の中で「(2019年4月1日現在)医学、歯学、薬学又は獣医学系の4年制の博士課程第2年次相当」に在学する大学院生が対象となる「DC1」のカテゴリーで「農学分野」に申請し、採用内定となりました。特別研究員(DC)の採用率は例年20%で推移しています。

本学 獣医学群の卒業生でもある橋本さんは、北村教授の指導のもと、大学在学中は主に「黒毛和種のゲノム編集治療に関わる基盤整備」をテーマに研究を行ってきました。これまでに培ったノウハウを基に、大学院では対象を脳機能に移し、新たな挑戦をしています。大学在学中から国際的な学術雑誌に複数の論文を投稿し、学会の学術集会においても積極的に情報を発信してきました。
今回採用された特別研究員の研究課題「視床下部のユビキチンプロテアーゼが行うエネルギー代謝制御 -USP2を中心に-」も学類生の時から取り組んできたテーマになります。


酪農学研究科、獣医学研究科の両研究科長は、それぞれ以下のとおりコメントしました。
「研究に専念できる環境が充実するということで、研究計画に沿った成果が得られ、将来の研究の発展と橋本さんの学内外での活躍につながることを期待しています。」(小野寺秀一酪農学研究科長)
「橋本さんの学類時代からの研究に対する真摯な姿勢と今後の研究方針が高く評価されたものと思います。丁寧にご指導いただいている北村先生に深く感謝申し上げます。橋本さんについては、大学院入試の面接で英語の試験はできましたかと問うたところ、「英文の問題文を面白く読ませていただきました。」との回答がなされたこと、学類時代に外部講師の専門性の高いセミナーでの質問が大学院生の質問かと思うような視点からなされたこと等から、研究者としての高い素養を持っていると感じていました。今後の研究の発展を祈念するとともに、来年以降も本学の大学院生が学振特別研究員に採用されるよう、大学院生の立場での協力をお願いしたいと思います。」(桐澤力雄獣医学研究科長)

 

(左から桐澤獣医学研究科長、北村浩教授、橋本茉由子さん、小野寺酪農学研究科長)

 

橋本茉由子さん(獣医学研究科1年)「日本学術振興会の特別研究員に採用され、嬉しく思うとともに、気が引き締まる思いです。採択いただけたのは、日々ご指導をいただいている獣医生理学ユニットの北村浩先生をはじめ、様々な先生方のおかげだと深く感謝しております。
2型糖尿病などの生活習慣病は獣医学領域でも問題となっており、その責任分子は未だ探索途中の段階です。私は、まだ情報が充分蓄積されていないユビキチンプロテアーゼの視床下部での役割を明らかにすることが、生活習慣病の治療への新たな足掛かりになると考えています。
特別研究員、また獣医師として、社会に還元できるような成果を出し、発信していけるよう、日々研究に専念していく所存です。また、酪農学園大学における基礎研究活動を一層盛り上げていけるよう頑張ります。」