片方美智子さんと北野菜奈さんが「第5回乳房炎サマーキャンプ」でダブル受賞

Date:2018.09.25

NEWS NO.51(2018年度)

片方美智子さんと北野菜奈さんが「第5回乳房炎サマーキャンプ」でダブル受賞

9月4日(火)に宮城県秋保温泉で開催された「第5回乳房炎サマーキャンプ」において、本学獣医学類6年の片方美智子さん(獣医衛生学ユニット 樋口豪紀教授・権平智助教)が優秀ポスター賞を、大学院酪農学研究科修士課程2年の北野菜奈さん(家畜栄養学 髙橋俊彦教授)が優秀発表賞を受賞しました。

 

(左から)樋口豪紀教授・権平智助教・片方美智子さん・北野菜奈さん・髙橋俊彦教授

 

同会は、乳房炎教育懇話会とサマーキャンプ実行委員会の主催によるもので、学生への乳房炎研究の理解と今後の乳房炎研究者を育成するために毎年開催されています。
麻布大学獣医学部、酪農学園大学獣医学類、酪農学園大学循環農学類、東北大学、広島大学を中心に研究機関や製薬会社の参加にて実施され、今回は70名を超える参加がありました。受賞した学生は2名で、本学が賞を独占する結果となりました。

 

片方さんが受賞した研究は「Mycoplasma bovisのウシ滑膜細胞に対する侵入機構の解明」です。今まではウシの細胞内には入らないとされていた細菌「Mycoplasma bovis」が、滑膜細胞に侵入することを発見しました。
片方さんは「この研究にあたっては、先生方のご指導がとても助けになりました。今回発見した細菌の性質が、この細菌が引き起こすマイコプラズマ感染症が難治性である原因の一つかもしれないことがわかりました。従来の抗菌薬は細胞内には届きませんので、細胞内に入り込んだ菌をターゲットとする新たな治療法が求められます。私は3月には卒業しますので、この研究は後輩に引き継ぐつもりです。4月からは動物薬の研究職に就き、この経験を生かして獣医療に貢献したいと思います」と話しました。

 

北野さんが受賞した研究は「乾乳軟膏使用と乳房炎発生率の関係」です。乳房炎の治療や予防には、乳用牛の乾乳期(乳を搾らない時期)に「乾乳軟こう」という抗生物質を全ての乳房に注入することが主流になっています。しかし、近年は薬剤耐性菌の出現が問題になっており、動物用薬品の使用法の見直しが求められています。北野さんは農家で疫学調査を行い、乾乳軟こうを使用していない農家の方が、次の泌乳期(乳が出る次期)の乳房炎発生率が低かったことを報告しました。
北野さんは「今回の研究で、従来の方法が乳房炎の予防に寄与しているとは限らないことがわかり、今後見直す必要があると思います。乾乳軟こうを使用するのは手間もお金もかかりますので、口頭発表では『使わない方が人もウシもハッピーになれます』と言いました。発表の際にはたくさんの質問を受けましたが、髙橋先生が事前準備から本当に良く指導してくださいましたので、困ることはありませんでした。自分の力だけではできず、先生や協働研究の方々の助けがあってこその成果です。これからこの研究を後輩に伝えていくのも、私の大切な仕事だと思っています」と話しました。