本学獣医学類5年生馬場開陸さんの野生イノシシにおける豚熱(CSF)拡散様式の疫学研究が国際誌に掲載

Date:2020.02.20

NEWS NO.108(2019年度)

本学獣医学類5年生馬場開陸さんの野生イノシシにおける豚熱(CSF)拡散様式の疫学研究が国際誌に掲載

2018年9月に岐阜県の養豚場で我が国に26年ぶりに発生した豚熱(CSF、旧名:豚コレラ)は、野生イノシシ集団に感染が拡大し、養豚業界への大きな脅威となっています。
2020年2月13日に、本学獣医学類5年生馬場開陸さんが、北海道大学人獣共通感染症センター磯田典和准教授と共同第一著者として執筆させて頂いた、野生イノシシ集団におけるCSF疫学論文が国際誌「Pathogens」に掲載されました。この論文の責任著者は本学獣医疫学 蒔田浩平教授です。

ポイント

  • 国内へのCSFウイルス侵入後、二か月ごとの有病率で拡がりを示した地図を始めて提供。
  •  感染イノシシ集団の分布は拡がりつつある。
  • イノシシへ撒かれたベイトワクチンの効果は定量的に解析出来ていないが、感染地域の有病率は低下傾向にある。
  • 2019年10月、群馬県、埼玉県でのイノシシでの発生は、地理学的にイノシシ集団内の接触感染で拡大する範囲を超えており、ウイルスに汚染された人やモノなどを介して拡散した可能性が高い。
  • 伝播の際には時空間クラスターが出来ており、各地域で速い拡散が観察できる。

本研究は、CSF危機対応のため、2019年11月に急遽北海道大学と酪農学園大学が協力して実施されたものです。
抄録と論文は下記URLからダウンロード出来ます。

Abstract:https://www.mdpi.com/2076-0817/9/2/119
PDF:https://www.mdpi.com/2076-0817/9/2/119/pdf2

 

馬場開陸さん

馬場開陸さんへのインタビュー

1.この研究に取り組んでいた時の気持ち
この研究は、国内で発生した深刻な動物感染症の防疫対策にとって重要な内容になりますので、そのような研究プロジェクトに参加させていただくうえでのプレッシャーは相当なものでした。しかし、このような機会はそうそう巡ってくるものではないため、非常に幸運であったとも認識しています。この研究プロジェクトにおける活動を通して少しでも国内で問題となっている感染症への対策に貢献したいという想いと、この貴重な機会から得られる経験を積極的に吸収して成長していこうという想いが、自分にとって強力なモチベーションでした。

2.今後の抱負
この研究を進めていくなかで、「まず対象となる現象自体をよく吟味し、その現象に関して存在するデータについてもよく吟味し、そしてそのデータに基づいてどのような解析をすれば有意義な結果を示すことができるのか考える」 という意識を大切にしていました。将来の仕事に関しても、このような観点が重要となる職種を望んでおり、その候補として、製薬企業における医薬品に関する安全性管理に携わる職種を検討しています。獣医の職業ではありませんが、自分がこの研究および研究室での日々を通して培った技術やノウハウを発揮するうえで望ましい場であると認識しています。