学内共同研究成果報告会を開催

Date:2021.10.27

NEWS NO.36(2021年度)

学内共同研究成果報告会を開催

本学で行われている共同研究の成果報告会が10月26日と27日にC1号館201教室で行われ、発表後には活発な質疑応答が交わされました。

1日目は桐澤力雄獣医学研究科長の司会進行の下、獣医学類 獣医生理学ユニットの北村浩教授と獣医学類 獣医生化学ユニットの藤木純平講師の共同研究について発表され、教職員や学生・大学院生31名(教職員11名、学生20名)が参加しました。

司会:桐澤力雄獣医学研究科長

教職員や学生・大学院生31名が参加

 


獣医学類 獣医生化学ユニットの藤木純平講師

はじめに、藤木講師が「ユビキチン・プロテアソーム系を介したステロイド合成調節機構の解明」と題した発表を行いました。

藤木講師は、「ステロイドホルモンは免疫応答や妊娠・出産などに関わる内分泌因子です。副腎皮質で糖質コルチコイドが生合成されることが広く知られていますが、私たちは局所的なノンシステミックステロイドの生合成に着目して研究を進めてきました。特に、硫酸化されたステロイドを前駆物質として利用する経路の生理的意義や疾患との関連を探索しています」と説明し、今回は硫酸化ステロイドの代謝制御メカニズムについて発表しました。

獣医学類 獣医生理学ユニットの北村浩教授

続いて、獣医学類 獣医生理学ユニットの北村浩教授が「骨格筋の正常性維持におけるユビキチン分解酵素の役割の解明」と題した発表を行いました。

北村教授は、「USP2はタンパク質の安定性を調節する酵素で、私は約10年間の研究を通じ、さまざまな臓器でエネルギー代謝を制御する鍵分子であることを証明してきました」と研究成果について話し、今回は機能がよく調べられていない骨格筋での役割について発表しました。

2日目は、山口昭弘酪農学研究科長の司会進行の下、獣医学類 獣医衛生学ユニットの権平智講師と獣医学類 獣医解剖学ユニットの細谷実里奈助教による共同研究について発表され、教職員や学生・大学院生28名(教職員10名、学生18名)が参加しました。

司会山口昭弘酪農学研究科長

教職員や学生・大学院生28名が参加


獣医学類 獣医解剖学ユニットの細谷実里奈助教

はじめに、細谷助教が「マウス卵管上皮線毛の機能形態異常を導く新たな分子機序の探索」と題した発表を行いました。

細谷助教は、「今回、卵管の卵子輸送機能に影響を及ぼしうる分子を新たに見出しました。繁殖障害や女性不妊症の原因解明につなげるため、今後、この分子がどのような機序で卵管の組織形態や機能に影響を及ぼすか詳細に検討していきます」と話しました。


獣医学類 獣医衛生学ユニットの権平智講師

続いて、権平講師は「呼吸器疾患に対する新規治療技術の構築」と題した発表を行いました。

権平講師は、「牛呼吸器病症候群の主要な原因菌であるPasteurella multocidaに対するウシの免疫応答能を評価したところ、気管上皮細胞と白血球では異なる免疫応答を示すことが明らかとなりました。病原体に対する細胞それぞれの応答が病態形成に関与していることが考えられます」と報告しました。

 

 

 

 

 

 

 


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◇2020.10.27 学内共同研究成果報告会を開催しました
https://www.rakuno.ac.jp/archives/11898.html