循環農学類4年の松井俊樹さんが 「第62回日本育種学会・日本作物学会北海道談話会」で若手奨励賞を受賞

Date:2022.02.14

NEWS NO.66(2021年度)

循環農学類4年の松井俊樹さんが

「第62回日本育種学会・日本作物学会北海道談話会」で若手奨励賞を受賞

2021年12月4日にオンライン開催された「第62回日本育種学会・日本作物学会北海道談話会」において、循環農学類作物学研究室4年生の松井俊樹さん(指導教員:義平大樹教授)が発表した「ダイズ品種ゆきぴりかのTwin row栽培が生育、収量および受光態勢に及ぼす影響」が、若手奨励賞を受賞しました。 本学会は、日本作物学会と日本育種学会の会員が毎年、北海道のイネ・畑作物を中心に育種研究と作物研究に携わる道立農業試験場、農研機構の研究職員、大学教員と学生、その他農業支援機関の職員が参加して、情報交換・意見交換を実施する歴史の長い学会です。

左から義平教授、松井さん、飛谷准教授

<受賞演題> 「ダイズ品種ゆきぴりかのTwin row栽培が生育、収量および受光態勢に及ぼす影響」 松井 俊樹, 飛谷 淳一, 義平 大樹 <研究概要> 北海道中央部のダイズ栽培においては狭畦密植栽培が、雑草に対する競争力を増し、除草時間を軽減する省力化栽培技術として普及しております。しかし、種子の配置が不均一で、多収技術とはなっていません。それを改良するために、種子をジグザクに配置して播種する千鳥播(Twin row)栽培を提案し、長沼町の生産者の実規模圃場で実施したところ、収量が増加する事を確認しました。しかし、その増収要因は、作物学的には十分に解明されていません。 この増収要因が①生育前半の受光率の増加の速さ(畦間を葉が覆うスピードの速さ)と②生育後半の受光態勢の良さ(葉で群落が込み合っても、下の葉にも日光が当たりやすい葉の配置)に基づくことを実規模圃場でとったデータにより実証しました。

義平 大樹 教授(指導教員)からのコメント

松井くんの分かりやすいプレゼンテーションと明瞭な質疑応答に加えて、①ダイズ栽培の新しい栽植様式を提示したこと、②農作業機や除草剤の発達により千鳥播が実規模栽培で可能でそれが多収に結び付くこと、③Twin row栽培が多収になるメカニズムや日射を受け取る効率的な葉の配置から明らかにしたことが今回評価されました。

松井 俊樹さんの受賞コメント

北海道岩見沢農業高校出身 受賞したことをとてもうれしく思います。本試験において、主に指導をしてくださった義平先生、そして、作業や調査を手伝ってくれた同期や後輩、研究補助員、圃場の管理や研究の支援をしてくださった長沼町の逢坂祐介さんに本当に感謝しております。自分の取り組みに多くの人が関わってくれていたことを改めて実感しました。 今後は、大学院修士課程に進学し、主にマメ類を中心とした作物について学び続け、将来、日本の農業の発展にごくわずかでも貢献できたらと思っています。 また、3月に開催される全国の作物学会にも参加する予定です。

【参考】関連リンク ◆作物学会支部会情報北海道支部会 http://www.cropscience.jp/region/hokkaido/index.html ◆日本育種学会・日本作物学会北海道談話会会報(J-STAGE) https://www.jstage.jst.go.jp/browse/hdanwakai/-char/ja ◆「ダイズ品種ゆきぴりかのTwin row栽培が生育、収量および受光態勢に及ぼす影響」(松井 俊樹, 飛谷 淳一, 義平 大樹) DOI: https://doi.org/10.20751/hdanwakai.62.0_76 【参考】教員・研究室一覧 ◇義平 大樹 教授(作物学研究室) https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/9320.html