義平 大樹

循環農学類

義平 大樹 よしひら たいき

教授

研究室番号
C6-303

教員・研究室

取得学位 博士(農学)
農学士
研究室・ユニット名 作物学
研究テーマ 人類生存に不可欠な穀物(ムギ、マメ、トウモロコシ類)の良質多収栽培法の開発
学びのキーワード 作物栽培フィールドレベルの収量多収栽培技術穀物品種特性
教育・研究への取り組み 農業生産現場および品種改良の現場での技術開発の基礎となる研究をフィールドレベルで実践しております。ムギ類、マメ類、トウモロコシ類を対象に、他大学、農業試験場、農業改良普及センター、種苗会社、製粉会社などと連携し、実践的な栽培技術の改良に関する研究に取り組んでおります。自ら種まきから収穫までの栽培管理を実施することで、栽培するうえで必要な幅広い実践的な農学知識を学ぶことができます。
受験生へのメッセージ 種まきから収穫までの栽培管理をフィールドで体験し、得意な作物をつくり、その生理生態・栽培技術に詳しくなると、作物を見る実践的な眼が養われ、他の作物も理解しやすくなります。卒業生は、この眼を養い、生産者また農業支援機関(農協職員、農業改良普及員、農業高校教)などで活躍しています。この眼を持ち栽培技術を通して、生産現場に近い位置で地域を活性化できるような農業技術者や農業支援者を目指してみませんか?
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研究シーズ

研究キーワード ムギ,マメ,トウキビ 多収栽培多収品種 農福連携と副産物
ムギ、マメ、トウモロコシ品種特性に基づく多収栽培に関する研究
研究の概要・特徴

ムギ類(コムギ、ライムギ、ライコムギ)、マメ類(ダイズ、アズキ、インゲンマメ)、トウモロコシ類(デントコーン、スィートコーン)に関する多収栽培について一貫した研究を継続している。
 そのアプローチは、栽植密度反応(疎植から密植までの変化、個体間距離を変えた栽培(狭畦、千鳥播)に対する変化)、成長解析(部位別乾物重と葉面積指数の推移から成長速度を把握)、受光態勢(植物群落の日射エネルギー利用効率)、および窒素施肥効率を計測し、その品種特性を把握したうえで、その品種の用途に応じた潜在的な生産力を引き出す栽培方法を見い出すことにある。
 除草技術、農業機械の発達により、従来難しいとされていた栽植様式や栽植密度(個体間距離を保ったまま密植にする技術)が可能になりつつある。この各作物の栽植方法の選択肢が増える新時代に対応した新品種開発と栽培方法の提案が将来、作物学に求められることを前提に、その実践的かつ基礎的な知見を得ることを目的に下記の実験に取り組んでいる。
 その過程で、①ダイスの分枝可塑性、②トウモロコシとマメ類のTwin row栽培における反応とその品種間差異、③過去60年間に北海道で育成した秋播性および春播性コムギの作物栽培学的な多収実現過程の解明など、今までにない新しい品種特性の概念を提唱している。
また、サブテーマとして、農福連携(農業と福祉のコラボレーション)の促進運動を実施している。そのコンセプトは、高度な農業技術があっても担い手が減少すれば農業は発展しない。SDGsを進めて農業生産することは不可避である。また、農福連携の推進は実践的農業系大学を唱える本学にとって不可欠な分野である。
 さらに、上記のフィールドから産出される研究副産物を用いて、ライコムギクッキー、ライムギパン、豆腐、きなこ、きなこねじりを地元企業や福祉事業所をコラボして作製し、市民連携し地域貢献を果たしている。

将来育種目標ため小麦新品種の多収要因解明 将来育種目標ため小麦新品種の多収要因解明
ダイズ品種特性の新概念“分枝可塑性”を提唱 ダイズ品種特性の新概念“分枝可塑性”を提唱
フィールド実験研究副産物を加工し市民連携 フィールド実験研究副産物を加工し市民連携
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

〇北海道で育成された秋播性および春播性コムギの新旧品種の比較 〇長稈性秋播性ライムギの安定多収栽培
〇秋播性ライムギおよびライコムギの2期作栽培          〇効率的隔離栽培による短稈性ライムギ品種の作出
〇分枝可塑性によるダイズの品種評価       〇ダイズの栽植密度反応とその特性に応じた栽植様式に関する研究
〇ダイズ、アズキ、インゲンマメに対する千鳥播(Twin row)および狭畦栽培が生育・収量に及ぼす影響
〇ダイズ、アズキに対する植物活性剤の施用が、生育・収量に及ぼす影響
〇子実用トウモロコシの栽植密度反応に関する研究
〇トウモロコシに対する千鳥播(Twin row)および狭畦栽培が生育・収量に及ぼす影響とその品種間差異
〇トウモロコシに対する微量要素肥料が生育・収量に及ぼす影響
●農業側、福祉側がともに理解しやすい農福連携実践における農作業工程の分割とそのマニュアルの作成
●農福連携に適した作物の選定基準とそれに基づく作業量の季節的平準化に関する研究