本学と自然電力(株)牧草地に垂直型太陽光パネルを設置したソーラーシェアリング実証実験を開始

Date:2024.01.15

NEWS NO.74(2023年度)
本学と自然電力(株)
牧草地に垂直型太陽光パネルを設置したソーラーシェアリング実証実験を開始

垂直式太陽光パネルが、本学構内の実習用牧草地に設置され、昨年の12月25日に完成セレモニーが行われました。
本学と再生可能エネルギーの発電事業などを行う自然電力株式会社(本社・福岡市)は、積雪地域の牧草地に垂直式太陽光発電を設置し、牧草の収穫と太陽光発電を同時に行うソーラーシェアリングの実証実験に取り組むことを発表しました。
同社は、垂直式太陽光パネルの北海道内での設置は本学が初めてで全国でも事例が少ないと話し、このパネルは両面受光型で日陰になる部分が少なく日照量を確保しながら牧草の育成や収穫が行える特徴があり、発電した電力を使って電力コストを削減したり、売電による追加収入が期待できると説明しました。
牧草地の場所は、国道12号線沿いのとわの森三愛高校バス停裏(作物生産ステーション3号圃場)のチモシー草地約1.5haです。パネルは4列建てられ、大きさは1列40m、大型農業機械が通れるよう8~10m間隔を開け、積雪に備え地上から約130㎝の高さにパネルが設置されています。発電最大出力約80kwで、発電した電力は大学構内で使用する予定です。電力量は大学全体の使用量約0.8%に相当し、初年度は約8万5,000kwの発電が見込まれています。
<垂直式太陽光パネルの特徴>
・大型農業機械による作業が必要な農業にも導入しやすい
・パネルに雪が積もりにくい
・雪の反射光や拡散光をとらえやすい設計
・積雪地域でも冬場の発電量を維持できる
岩野英知学長(写真右から3番目)は「マイクログリッド(小規模電力網)として、エネルギーを地産地消する仕組みを模索していきたい。大学と地域の取り組み、さらにはそのシステムを地方の酪農家・地方の自治体へと発展させたい」と期待を込めました。
自然電力(株)の瀧口直人執行役員(写真右端)は「当社初となる雪国での実証実験です。この冬にソーラーが大活躍をしてプロジェクトが成功すれば、厳しい酪農情勢を救うヒントとなる設備として役立てられる」と意気込みを語りました。
フィールド教育研究センターの泉賢一センター長は、「牧草地から冬も収入を得られるのは画期的であり、商業ベースで導入することも視野に入れて取り組んでいきたい」と話しました。
今後、循環農学類家畜飼料学研究室の土井和也講師(写真左端)が牧草地の日照部分と比較し、草地の生産量と栄養分析を行い、循環農業類農業経営学研究室の吉岡徹教授(写真左から2番目)が、農業機械を含めた作業効率の検証を行うほか、同社が「垂直式両面受光型太陽光パネルの北海道江別地区における牧草圃場での発電評価」を行う計画です。





【参考】関連リンク

◆自然電力株式会社
 https://www.shizenenergy.net/
◆酪農学園フィールド教育研究センター(FEDREC)
 https://www.rakuno.ac.jp/outline/facility/farm.html