本学とNHK共催「農業・酪農の未来」公開セミナーを開催

Date:2024.02.06

NEWS NO.85(2023年度)
本学とNHK共催「農業・酪農の未来」公開セミナーを開催

本学とNHK札幌放送局との共催「農業・酪農の未来」公開セミナーが1月19日に、本学の学生ホールで開催されました。会場には農業経営を学ぶ学生100名と江別市近郊の農業・酪農・畜産関係者や乳製品メーカー社員など合わせて約140名が参加しました。

今回登壇したのは、本学循環農学類の日向貴久教授(酪農・畜産経営論研究室)とNHK札幌放送局の番組ディレクター文室理惠さんの二人で、NHKスペシャル「シリーズ食の"防衛線"第二回 牛乳・肉・卵 タンパク源を守れるか」を題材にセミナーを進行しました。

循環農学類の日向貴久教授(酪農・畜産経営論研究室)

日向教授はこれからの酪農がやるべきこととして、生産者は自らのコストをしっかりと把握すること、消費者は価値ある農産物に対して適切な価格評価をし続けること、行政は市場の失敗を是正する施策を継続することを提言し、生産者の苦悩を訴えるだけではなく、経営の現状を把握しAccountability=会計(説明責任=主張の証拠)を示すことが重要だと強調しました。また、国産の牛乳や乳製品が消費者の支持を得るためには、人や社会、環境、地域に配慮した消費行動『エシカル消費』(倫理的消費)の推進が必要と話しました。

NHK札幌放送局 番組ディレクターの文室理惠さん

番組を制作したNHKの文室ディレクターは、番組では、輸入に依存している日本の酪農業界、その問題が世界情勢によって浮き彫りになってきたことや、規模拡大の象徴とも言える酪農経営を取り上げました。皆様の苦悩、たくさんの取材をしてきたので本当に心が苦しくなるほど見てきました。ですが今回の番組の趣旨としては、個々の苦悩を取り上げるのではなく、業界の方向けではなく、一般消費者や視聴者にまずはこの酪農が大変な状況を知ってほしいこと、他人事ではなく自分事として考えて欲しいことが出発点として制作しました。まず多くの方々に知ってもらえないと、何も変わらないと、取材を通して見た酪農の現状について語りました。

 

参加した学生からは、「NHKの放送を見て参考になった」、「酪農家の苦悩を知らせることで担い手が減り逆効果だ」、「現状把握より解決法を番組で取り上げてほしい」などさまざまな感想がありました。また、参加した生産者からは「とても興味深いテーマだった」、「酪農が主だったので農業の方も取り上げて欲しかった」、「時間が短すぎる。意見交換の時間がなかったので、次回に期待している」など意見がありました。


【関連リンク】
 NHKスペシャル「シリーズ食の"防衛線"第二回 牛乳・肉・卵 タンパク源を守れるか」

【研究室・教員】
 日向 貴久教授 
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