[プレスリリース]携帯型シークエンサーにより牛呼吸器症候群原因菌をその日のうちに判定!

Date:2024.10.03

[プレスリリース]
携帯型シークエンサーにより牛呼吸器症候群原因菌をその日のうちに判定!

 酪農学園大学 臼井 教授、全酪連 岡村獣医師らの研究グループは、携帯型シークエンサー(nanopore sequencer)を活用することで、牛呼吸器症候群の原因となる細菌をその日のうちに判定できる方法を開発しました。
 牛呼吸器症候群は、子牛(乳用・肉用)病傷事故の約4割を占めており、畜産現場に甚大な被害を起こしています。細菌感染を原因とする牛呼吸器症候群の治療には、抗菌薬が使用されますが、適切な抗菌薬の使用のためには、一刻も早い原因細菌の発見が必要です。従来より、細菌を培養することで検査が実施されておりましたが、原因細菌の判定には少なくとも1日かかるため、多くの場合、経験的な治療が実行されてきました。そのため、畜産現場からは、その日のうちに原因細菌を判定できる迅速な検査法の開発が求められていました。
 そこで今回、簡易かつ安価な携帯型シークエンサーを用いた原因細菌の判定法の開発を行いました。結果、6時間程度で、牛呼吸器症候群の原因となる細菌を正確に判定する方法が確立されました。これにより、検査を開始したその日のうちに、原因細菌に効果のある抗菌薬での治療に反映することが可能になりました。
 開発された方法が普及することで、牛呼吸器症候群に苦しむ子牛(乳用・肉用)や畜産農家の助けになることが期待されます。


臼井 優 教授(食品衛生学ユニット)
https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/9437.html