産学連携による北海道産ワインビネガーが誕生(北海道クラフトビネガー×MAOI株式会社×酪農学園大学食と健康学類)
Date:2025.03.19
NEWS No.83(2024年度)
産学連携による北海道産ワインビネガーが誕生
―北海道クラフトビネガー×MAOI株式会社×酪農学園大学食と健康学類-
本学食と健康学類の阿部茂教授(農産資源科学研究室)、北海道クラフトビネガー、MAOI株式会社が共同開発したワインビネガーが誕生しました。
北海道産の果物・野菜が原料のお酢を製造する、北海道クラフトビネガー株式会社と長沼町でワインやウイスキー等の醸造を行う馬追蒸留所(本社:MAOI株式会社)が、馬追蒸留所のキャンベルワインを原料としたワインビネガーを開発。商品開発には企業との実践的な研究に力を入れている本学食と健康学類の阿部茂教授(農産資源科学研究室)とゼミ生4年の川村友理奈さんが協力しました。
特長的なのは、商品開発のなかで、ワインの発酵をスムーズに進める酢酸菌の菌株を発見したことです。試験的に馬追蒸留所のバーボン樽にワインを入れて熟成させたところ、通常とは違う酸膜が張り、独自の酢酸菌が採取されました。この酢酸菌を馬追菌株と呼称し、2024年8月~11月までの4ヶ月間、本学山口昭弘名誉教授と阿部ゼミ4年の川村友理奈さんによって繰り返し発酵試験が行われ、最終的には全21種類のワインビネガーから1種を選定しました。
川村友理奈さんからの感想
ワインの風味を強く感じられるワインビネガーを作ることを目標として何種類も試作しました。ワインの風味を損なわずに酢としても美味しいワインビネガーを目指し理想に近いものが作れた時は達成感がありました。商品化の初期段階から関わることが出来て、自らの研究が商品として形になる過程はとてもやりがいを感じました。
山口昭弘名誉教授からのコメント
これまでも空知地域のワイナリーさんとは微生物や発酵に関わる基礎研究をご一緒させていただいてきました。
今回はワイン醸造の大敵である酢酸菌を逆手に利用して,ワインビネガーとして元のワインの価値をさらに高めることを目指したものです。
阿部先生のオーガナイズの元,川村さんの熱心な実験への取り組みと運の強さの賜物として,秀逸な酢酸菌を分離することができました。
ワインが食事を引き立てるように,アルコールフリーで健康志向のワインビネガーが,また別の趣で食事に合うことを実感するところです。
ワインビネガーは、今後輸出展開も視野にいれて、2025年3月より一般販売を開始する予定です。
【関連】
食と健康学類 阿部 茂 教授(農産資源科学研究室):https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/9346.html
北海道クラフトビネガー株式会社:https://shop.sunomo.jp/
馬追蒸留所(MAOI株式会社):https://maoidistillery.com/